【基本規則】

EU法

 

1994年7月27日付欧州連合理事会規則2100/94号

共同体の植物品種保護の権利に関する規則

 

改正                       

1995年10月25日付欧州連合理事会規則2506/95号

2003年4月14日付欧州連合理事会規則807/2003号

2003年6月18日付欧州連合理事会規則1650/2003号

2004年4月29日付欧州連合理事会規則873/2004号

2007年12月20日付欧州連合理事会規則15/2008号

 

 

 

1994年7月27日付欧州連合理事会規則2100/94号

共同体の植物品種保護の権利に関する規則

 

欧州連合理事会は、欧州共同体創設条約およびその235条に鑑み、

欧州委員会の提案に鑑み、

欧州議会の意見に鑑み、

欧州議会の意見に鑑み、

植物品種が適用されるべき工業所有権制度に関し、一定の問題を提起するものであり、

植物品種に関する工業所有権の制度は,共同体のレベルで協調できておらず,内容が統一されていない各加盟国の法令によって規律されてきたもので、

このような状況においては、各国の法規制が共存するものの、共同体全てを通して工業所有権を付与する共同体の制度を創設するのが適当であり、

バイオテクノロジーを含む植物の育成者の技術の進歩に関連するものであって、新品種の育成と開発を促進する為に、保護一般または特定の育成技術へのアクセスを不当に損なうことなく、全ての植物育成者の現況に比して進歩した保護となるように、

全ての植物の品種の種と属が保護可能となるように、

保護されるべき品種が国際的に認められた要件、例えば、区別性、均一性、安定性と新規性といった要件に従い、指図された品種の名称を称するものでなければならないものであり、

制度を適切に機能させることを確実にするために、植物品種の定義を規定することが重要であって、

この定義が、他で、特に特許分野で確立された知的財産権の定義にとって変わるものではなく、他の知的財産権による、植物や植物素材を含む製品や製法の保護可能性に適用される法に干渉したり、これを排除することを意図するものでないものであって、

しかしながら、双方の分野で共通の定義を持つことが切望されており、それゆえ国際レベルではこのような共通の定義になるよう支援が続けられているところ、

共同体の植物品種保護の権利を付与するためには、品種に関する重要な形質の評価が必要であるが、しかしながらこれらの形質は経済的な重要性とは必ずしも関係しないものであり、

この制度が、共同体の植物品種保護の権利を誰に与えるのが適しているかを明らかにするものでなければならず、場合によっては一人ではなく複数人に共有されるが故に、申請をする正式な資格が規定されなければならず、

この規則によって、この制度における「権利保有者」の用語を定義しなければならず、「権利保有者」の用語が特に指定をしない場合には、本規則の29条5項等で用いられているが、これは、13条1項に示す意味の範疇に入ることが意図されており、

共同体の植物品種保護の権利の効化が共同体全体において統一的であるべきことから商業的な取引は権利保有者の同意に従って、正確に記述されなければならず、保護の範囲は、他の多くの国家的な制度と比較して、保護の適用を受けない共同体以外の国を通しての貿易を勘案して、一定の素材にも及ぶべきであるが、一方で権利の消尽の原則から、過剰な保護にならないことを確かなものとしなければならず、

植物の育成を促進できるよう、保護されている品種からの発展、かつ新品種の開発のため、保護されている品種に無償でアクセスできるよう、国際的に受け入れられているルールを確実なものとするものでなければならず、

新品種として区別性はあるが、それが原品種に由来している場合には、原品種の保有者から依拠性に関する一定のフォームを得なければならず、

共同体の植物品種保護の権利の実行は、公共の利益により採択された条項からなる

制限に従ったものでなければならず、

この制限には、農業生産のセーフガードが含まれていなければならず、一定の条件下での農家の収穫物を繁殖のために使用することを是認することも求めるもので、

この条件が共同体レベルで創設されることを確実なものとするものでなければならず;

強制実施権は、特定の特色を持った素材を市場に提供することや改良された品種の継続的な育成にインセンティブを与え続ける必要性を含むところ、この実施権が公共の利益によって、一定の条件の下に規定されなければならず;

指図された品種の名称の使用が義務づけられるべきものであり;

共同体の植物品種保護の権利は、原則として、25年以上、ぶどうと樹木の場合は30年以上の権利期間を持つもので有るべきであり;その他の期間制限の理由は明示されていなければならず;

共同体の植物品種保護の権利は、保有者の財産であって、加盟国の調和のとれていない法的規制、特に民事法との関係で果たす役割が、それゆえ、明確になっていなければならず、この権利は、侵害についての和解や共同体の植物品種保護の権利の権利化についても適用され;

共同体の植物品種保護の権利の制度に関する原則の完全なる適用が他の制度の効化を減殺するものでないことを確実にする必要があり;そのためには、加盟国の既存の国際的な約束に沿った形での一定のルールが、他の工業財産権との関係に関して必要とされ;

他の工業財産権、例えば特許と調和した保護のための条件が共同体の植物品種保護の権利の制度との一貫性のために適合するか、そうでなければ改訂されるとしてどの程度かを調査することが絶対に必要であり、これが必要な場合には、共同体の法律を追加してバランスの良いルールにすべきであり;

不服審判委員会を含む共同体の植物品種庁の、共同体の植物品種保護の権利に関する権利付与、権利の終了、または検証及び公表に関する責務と権限は、可能な限り他の制度において発展したルールをモデルとしたもので、品種庁の構造と手続のルールは、技術審査における審査庁への関与や必要な予算措置について運営評議会を通して欧州委員会と加盟国の協同で行われるものであり;

品種庁は、上述の加盟国と欧州委員会により構成される運営委員会によりアドバイスを受け、監視を受けるべきであり;

EU機能条約は、235条以外には本規則の採択についての権限を規定しておらず;

本規則は既存の、植物新品種の保護に関する国際条約(UPOV条約)や欧州特許付与条約(欧州特許条約)や、模造品取引を含む知的財産権の観点からの貿易に関する側面に関わる協定といった国際条約を考慮しており;本規則は、結果として植物品種に対して欧州特許条約が要求する限りにおいて、植物品種の特許化の禁止を実施し;

本規則は上述の条約における将来の発展に照らして必要な改訂を行うために見直されるべきであることから

この規則を採択したものである。

 

第1部

総則

 

1条(共同体の植物品種保護の権利)

共同体の植物品種保護の権利に関する制度は、共同体の植物品種のための工業所有権に関する唯一の独占的な形態として、本規則により制定される。

 

2条(共同体の植物品種保護の権利の統一的な効力)

共同体の植物品種保護の権利は、共同体の域内において、統一的な効力を有し、共同体の域内において、統一的な根拠によるものでなければ、付与若しくは譲渡され、又は消滅させられることはない。

 

3条(植物品種に対する国内財産権)

本規則は、加盟国が、92条1項の規定に従い、植物品種に対する国内の財産権を付与する権利に影響を与えるものではない。

 

4条(共同体の植物品種保護庁)

本規則の実施のため、共同体の植物品種保護庁(以下単に「植物品種保護庁」という。)が本規則により設立される。

 

第2部

実体法

第1章

共同体の植物品種保護の権利の付与に関する条件

 

5条(共同体の植物品種保護の権利の対象)

  1. すべての植物種属、とりわけ属又は種の間での交雑品種は、共同体の植物品種保護の権利の対象となりうる。

  2. 本規則の適用において、「品種」とは、すでに知られている最下位の植物学上の一つの分類群に属する植物の集団であって、植物品種保護の権利を付与するための条件をすべて満たしているか否かにかかわらず、以下のものをいう。
    - 遺伝子型又はその組合せに由来する特性の表現により特定することができ、
    - 当該特性のうち一つ以上の特性の表現により他のすべての植物の集団と区別することができ、かつ、
    - 変化なく繁殖させることが可能であるという点で一つの単位とみなすことができるもの。

  3. 植物の集団は、植物体全体、又は植物体全体を生産することができる植物体の一部から構成される。以下両者を「品種構成要素」という。

  4. 2項第1段にいう特性の表現は、その変化の程度が遺伝子型又はその組合せに起因しているものであれば、同種の品種構成要素間において変化しているもの及び変化していないもののいずれでもよい。

 

6条(保護される品種)

共同体の植物品種保護の権利は、

(a)区別性

(b)均一性

(c)安定性、かつ、

(d)新規性

のある品種に付与される。

加えて、品種は、63条の規定に従い、名称が指定されなければならない。

 

7条(区別性)

  1. 品種は、51条に従い決定される出願の日において、特定の遺伝子型又はその組合せに由来する特性の表現を参照することにより、その存在が公知である他のすべての品種と明確に区別できる場合には、区別性があるとみなされるものとする。

  2. 他の品種の存在は、51条に従い決定される出願の日において、特に以下に該当する場合は、その存在が公知であるとみなされる。

(a)共同体若しくはいずれかの国において又は関係する管轄権を有する国際機関において、当該品種が、植物品種保護の権利の対象とされていた場合又は植物品種の公式の登録簿に登録されていた場合。

(b)植物品種保護の権利について、その付与又は公式の登録簿への登録を受けるための出願がなされていた場合。但し、当該出願がその間に権利の付与又は登録にいたった場合に限る。

114条に従い定める施行細則において、公知とみなされる例をさらに定めることができる。

 

8条(均一性)

品種は、その繁殖の個別の特徴から予想される変化を除き、区別性の審査に含まれる特性の表現及び品種の明細書に用いられるその他の特性の表現において、十分に均一的である場合には、均一性があるとみなされる。

 

9条(安定性)

品種は、区別性の審査に含まれる特性の表現及び品種の明細書に用いられるその他の特性の表現において、繰り返し繁殖させた後に又は繁殖の周期について特徴がある場合には各周期の最後に変化がない場合には、安定性があるとみなされる。

 

10条(新規性)

  1. 品種は、51条に従い決定される出願の日において,その品種構成要素又は収穫物が、11条にいう育成者により又はその同意を得て、当該品種の利用を目的として、以下に該当する日より前に、他者へ販売されたり又はその他譲渡されていない場合には、新規性があるとみなされる。
    (a)共同体の域内においては、上記出願の日の1年より前。
    (b)共同体の域外においては、上記出願の日の4年より前。樹木又はぶどうの場合は、上記出願の日の6年より前。

  2. 品種構成要素について、法定の目的のためになされた公的機関への譲渡、又は契約その他の法的な関係に基づき、生産、再生産、繁殖、調整若しくは保管のためだけになされた他者への譲渡は、1項にいう他者への譲渡とはみなされない。但し、育成者が当該及び他の品種構成要素の譲渡について独占的な権利を留保し、かつ、さらなる他の譲渡がなされていない場合に限る。しかしながら、品種構成要素が交雑品種の生産に繰り返し用いられ、かつ、当該交雑品種の品種構成要素又は収穫物の譲渡がなされている場合には、品種構成要素の譲渡は、1項における譲渡とみなされる。
     同様に、機能条約58条第2段落にいう企業又は会社から他の企業又は会社に対する品種構成要素の譲渡は、一方が他方に完全に属している場合又は双方が第三の企業又は会社に完全に属している場合には、他者への譲渡とみなされない。但し、さらなる他の譲渡がなされていない場合に限る。この規定は、協同組合には適用されない。

  3. 品種の品種構成要素又は収穫物の譲渡は、当該品種構成要素又は収穫物が15条(b)及び(c)に定める目的のために育てられた植物から生産され、かつ、さらなる再生産又は繁殖のために用いられていない場合には、譲渡のためであるとの表示がなされていない限り、品種の利用とはみなされない。
     同様に、他者への譲渡は、それが、国際博覧会条約(Convention on International Exhibitions)にいう公式の若しくは公式に認められている展示会又は加盟国により同等と公式に認められている当該加盟国における展示会において、育成者が品種を展示したことによる場合又はその結果である場合には、譲渡としてはみなされない。

 

第2章

資格者

 

11条(共同体の植物品種保護の権利についての資格)

  1. 品種を育成、発見、または開発した者又はその承継人(以下両者 - 同人及びその承継人 - を「育成者」という。)は、共同体の植物品種保護の権利についての資格を有する。

  2. 複数の者が共同して品種を育成、発見、または開発した場合には、資格は、同人ら又はその承継人に共同に付与される。この規定は、一人又は複数の者が品種を発見し、他の者が当該品種を開発した場合にも適用される。

  3. 資格は、育成者及び他の者が書面で誓約して共同の権利とすることを合意した場合にも、同人らに共同に付与される。

  4. 育成者が従業員である場合には、共同体の植物品種保護の権利についての資格は、品種が育成、発見または開発された文脈において、その雇用関係に適用される国内法に従い決定される。

  5. 共同体の植物品種保護の権利についての資格が2項ないし4項に従い複数の者に共同に付与される場合には、そのうちの一人又は複数の者は、書面で誓約して、他の者に対し、資格を主張する権限を与えることができる。

 

12条(共同体の植物品種保護の権利の出願についての資格)

共同体の植物品種保護の権利は、自然人、法人又は適用される法律により法人格が与えられている団体において出願することができる。

出願は、複数の者が共同して申し出ることができる。

 

第3章

共同体の植物品種保護の権利の効力

 

13条(共同体の植物品種保護の権利の保有者の権利及び禁止行為)

  1. 共同体の植物品種保護の権利の保有者(以下「保有者」という。)は、2項に定める行為を実施することができる。

  2. 15条及び16条に規定する場合を除き、品種構成要素又は保護品種の収穫物(以下両者を「素材」という。)に関する以下の行為は、保有者の許諾を必要とする。
    (a)生産又は再生産(増殖)。
    (b)繁殖目的の調整。
    (c)販売の申出。
    (d)販売またはその他のマーケティング。
    (e)共同体からの輸出。
    (f)共同体への輸入。
    (g)(a)ないし (f)に掲げる目的での保管。
    保有者は、条件及び制限を付して、許諾をすることができる。

  3. 2項の規定は、収穫物が保護品種の品種構成要素の無許諾の使用を通じて得られた場合で、かつ、保有者が当該品種構成要素に関して権利を行使するための合理的な機会がなかった場合に限り、収穫物に関して適用される。

  4. 114条に従い定める施行細則において、特定の場合に、保護品種の素材から直接得られた生産物に関しても2項の規定が適用されることを定めることができる。2項の規定は、当該生産物が保護品種の素材の無許諾の使用を通じて得られた場合で、かつ、保有者が当該素材に関して権利を行使するための合理的な機会がなかった場合に限り、生産物に関して適用されうる。直接得られた生産物に2項の規定が適用される限りにおいて、当該生産物も素材と考えられる。

  5. 1ないし4項の規定は、以下の品種にも適用される。
    (a)共同体の植物品種保護の権利が付与されていて、それ自体は他に本質的に由来するものではない品種から本質的に由来する品種、
    (b)7条の規定に従い保護品種との区別ができない品種、及び、
    (c)生産のために保護品種の反復的な使用を必要とする品種。

  6. 5項(a)の適用において、品種は、以下に該当する場合には、他の品種(以下「原種」という。)に本質的に由来しているとみなされる。
    (a)当該品種が、主として、原種に由来している場合又は主として原種に由来する品種に由来していること、
    (b)当該品種について、7条の規定に従い原種との区別ができること及び
    (c)当該品種が、原種の遺伝子型又はその組合せに起因する特性の表現において、派生の行為に由来する差異を除き、原種と本質的に一致していること。

  7. 114条に従い定める施行細則において、少なくとも6項の規定の対象となる派生の行為を定めることができる。

  8. 14条及び29条に定めるほか、共同体の植物品種保護の権利に基づき与えられた権利の行使により、公衆道徳、公序良俗若しくは公共の安全、人類、動物若しくは植物の健康及び生命の保護、環境保護、産業若しくは商業上の財産の保護又は競争、貿易若しくは農業生産の保護のために定められた規定に違反してはならない。

 

14条(共同体の植物品種保護の権利の例外)

  1. 13条2項にかかわらず、農業生産の保護を目的として、農業者は、農場での繁殖の目的のために、交雑品種又は合成品種以外の品種で共同体の植物品種保護の権利により保護される品種に関して自ら保有する繁殖素材を栽培して得られた自ら保有する収穫物を使用するこができる。

  2. 1項の規定は、以下の農業植物種についてのみ適用される。
    (a)飼料

​ヒヨコマメ(Cicer arietinum L.) - Chick pea milkvetch

ヨーロッパイエロールピナス(Lupinus luteus L.) - Yellow lupin

ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa L.) - Lucerne

エンドウマメ(Pisum sativum L.)(partim) - Field pea

エジプトクローバー(Trifolium alexandrinum L.) - Berseem/Egyptian clover

 clover   

ペルシャクローバー(Trifolium alexandrinum L.) - Persian clover

ソラマメ(Vicia faba) - Field bean

ヤハズエンドウ(Vicia sativa L.) - Common vetch

ポルトガルにおいては、ネズミムギ(Lolium multiflorum lam) - Italian rye-grass

 ​rye-grass

(b)穀物:

エンバク(Avena sativa) - Oats

オオムギ(Hordeum vulgare L.) - Barley

イネ(Oryza sativa L.) - Rice

カナリークサヨシ(Phalaris canariensis L.) - Canary grass

ライムギ(Secale cereal L.) - Rye

(X Triticosecale Wittm.) - Triticale

パンコムギ(Triticium aestivum L.) emend. Fiori et Paol. - Wheat

デューラムコムギ (Triticium durum Desf.) - Durum wheat

(Triticum spelta L.) - Spelt wheat

(c)ジャガイモ:

​ジャガイモ(Solanum tuberosum) - Potatoes

(d)油と繊維植物:

セイヨウアブラナ(Brassica napus L.)(partim) - Swede rape

ブラッシカラパ(Brassica rapa L.)(partim) - Turnip rape

アマ(Linum usitatissimum) - linseed with the exclusion of flax

3.1項に定める例外に効力を生じさせる条件並びに育成者及び農業者の適正な利益を保護する条件は、本規則の施行の前に、以下の基準に基づき、114条に従い施行細則において定める。

- 農業者の保有の程度に関し、保有の要請から必要な限りにおいて、量的な制限を課さないこと。

- 収穫物を加工する組織に関して、特に加工の結果生じる製品と加工に用いられる製品との一致を確認するために加盟国が定めることのできる一定の制限に反しない限りにおいて、農業者自身により又は同人へ提供される役務を通じて、収穫物は植え付けのために加工してもよいこと。

- 小規模農業者は、保有者に対し、代償を支払うことを要しないこと。小規模農業者とは、以下の場合をいう。

- 本条2項に定める植物種であって、一定の工作可能な穀物の生産者に対する援助制度の構築に関する1992年6月30日付EEC規則1765/92号が適用される場合には、 92トンの穀物を生産するのに必要な耕地より小さな耕地で植物を育成している農業者。耕地の算出に際しては、上記規則8条2項を適用する。

- 本条2項に定める他の植物種の場合には、同様の適切な基準を満たしている農業者。

- その他の農業者は、保有者に対し、公正な代償を支払うことを要する。その額は、同一地域における同一品種の繁殖素材の生産の許諾に対して課される額より相当に低い額でなければならない。公正な代償の実際の水準は、長い年月の間に変動しうるが、関係する品種に関して1項に定める使用の程度により低下する価値が考慮される。

- 本条または本条に従い定められる規定の遵守についての監視は、保有者の責任においてのみ行われる。監督の実施に際し、公的機関の援助がなされてはならない。

- 農業者及び加工の役務を提供する者は、保有者の申出に基づき、関係する情報を保有者に提供しなければならない。農業生産の監督に関与する公的機関は、追加的な負担又は費用を伴わずに業務の通常の過程で得たものである場合には、関係する情報を等しく提供してもよい。これらの規定は、個人情報について、個人情報の処理及び移動の自由に関わる個人情報の保護に関する共同体及び国内の法令に影響しない。

 

15条(共同体の植物品種保護の権利の効力の制限)

共同体の植物品種保護の権利は、以下の行為には及ばない。

(a)個人的に、非商業的な目的で行われた行為。

(b)実験的な目的で行われた行為。

(c)他の品種を育成、発見、または開発する目的で行われた行為。

(d)他の品種に関して、13条2項ないし4項に定める行為。但し、13条5項の規定が適用される場合又は他の品種若しくは当該品種の素材が、同等の規定を含まない財産権の保護の対象となっている場合を除く。

(e)禁止すると、13条8項、14条又は29条の規定に違反することとなる行為。

 

16条(共同体の植物品種保護の権利の消尽)

共同体の植物品種保護の権利は、以下の場合を除き、保護品種若しくは13条5項の規定が適用される品種の素材であって保有者により若しくはその同意を得て共同体のいずれかの地域において他者に譲渡された素材、又は当該素材に由来する素材に関する行為には及ばない。

(a)当該品種のさらなる繁殖に関わる行為。但し、素材が譲渡されたときに、当該繁殖が意図されていた場合を除く。

(b)当該品種の属する植物の遺伝型又は種の品種を保護していない第三国への品種構成要素の輸出に関わる行為。但し、輸出された素材が、最終消費の目的の場合を除く。

 

17条(品種の名称の使用)

  1. 共同体の域内において、商業目的のために、保護品種又は13条5項の規定が適用される品種の品種構成要素を他者に提供又は譲渡する者は、63条に従い指定された品種の名称を使用しなければならない。書面において使用される場合には、品種の名称は、容易に区別し得、また、判読できるものでなければならない。商標、商号又は類似の表示が指定された名称と関連している場合には、当該名称は、容易にそうであると認識できるものでなければならない。

  2. 品種の他の素材に関し、同様の行為に行う者は、法律上の他の規定に従い、または、管轄当局、購入者又は適正な利害関係を有する他の者から要求された場合にはその名称を知らせなければならない。

  3. 1項及び2項は、共同体の植物品種の保護の権利が消滅した後であっても適用される。

 

18条(品種の名称の使用の制限)

  1. 保有者は、特定の共同体の植物品種保護の権利が消滅した後であっても、当該品種に関連して、その名称の自由な使用を阻害することになるような、当該名称と同一性のある名称に関しては、付与された権利を行使することができない。

  2. 第三者は、63条に従い品種の名称が指定される前に権利が付与されていた場合に限り、特定の共同体の植物品種に関連して、その名称の自由な使用を阻害することになるような当該名称と同一の名称であっても権利を行使することができる。

  3. 品種が共同体の植物品種保護の権利により保護されている場合又は加盟国若しくはUPOVの同盟国において国内財産権により保護されている場合には、同一の植物学上の種若しくは63条5項に従いなされる公表により関係しているとみなされる種の他の品種に関連して又はそのような品種の素材に関して、指定された名称又は混同を生じさせるおそれのあるいかなる名称のいずれの名称をも共同体の域内において用いることはできない。

 

第4章

共同体の植物品種の保護の権利の保護期間及び消滅

 

19条(共同体の植物品種の保護の権利の保護期間)

  1. 共同体の植物品種保護の権利の期間は、権利付与の年の後に到来する25年目の暦年の終わりのときまで、ぶどう及び樹木の種の品種の場合には30年目の暦年の終わりのときまでとする。

  2. 欧州連合理事会は、欧州委員会の提案に基づき、特定多数決をもって、特定の類又は種に関し、さらに最長5年間の権利期間の延長を定めることができる。

  3. 1項に定める期間又は2項に従った期間の経過の前であっても、保有者が植物品種保護庁に放棄を宣誓する書面を送付して権利を放棄する場合には、共同体の植物品種保護の権利は、植物品種保護庁が当該宣誓を受け取った日の翌日に消滅する。

 

20条(共同体の植物品種保護の権利の無効)

  1. 植物品種保護庁は、以下のいずれかに該当する場合には、共同体の植物品種保護の権利の無効を宣言する。(a)共同体の植物品種保護の権利の時点において、7条又は10条に定める条件を満たしていなかった場合。
    (b)主として出願人から提出された情報及び書類に基づいて共同体の植物品種の保護の権利が付与された場合には、権利付与の時点において、8条及び9条に定める条件を満たしていなかった場合。
    (c)権利に対する資格のない者に権利が付与された場合で、当該権利がその資格を有する者(真の権利者)に移転されていない場合。

  2. 共同体の植物品種保護の権利が無効と宣言された場合には、当該権利は、当初から本規則に定める効力を有していなかったものとみなす。

 

21条(共同体の植物品種保護の権利の取消)

  1. 植物品種保護庁は、8条又は9条に定める条件をもはや満たしていないと判断した場合は、将来に向かって(in futurum)、共同体の植物品種保護の権利を取り消すものとする。取消より前の時点からこれらの条件を既に満たしていなかったと判断した場合には、取消の効果を当該時点に遡及させることができる。

  2. 保有者が植物品種保護庁より指定された期限内になすべきことを要求された後に以下のいずれかに該当することとなった場合には、植物品種保護庁は、将来に向かって(in futurum)、共同体の植物品種保護の権利を取り消すことができる。
    (a)64条3項に定める義務を履行しない場合。
    (b)66条に定める場合において、他の適した品種の名称を申出ない場合。
    (c)共同体の植物品種保護の権利の効力を維持するために支払うべき手数料を支払わない場合。
    (d)当初の権利者又は23条に定める移転の結果として権利を承継した者が、12条及び82条に定める条件をもはや満たさない場合。

 

第5章

財産の対象としての共同体の植物品種保護の権利

 

22条(国内法との融合)

  1. 23条ないし29条に定める場合を除き、財産の目的物としての共同体の植物品種保護の権利は、すべての点に関して、共同体の全地域において、以下の加盟国において認められているそれと対応する財産権とみなされる。
    (a)共同体の植物品種保護の権利の登録簿の記載によれば、該当日に、保有者が居住し又は拠点の所在地若しくは事業の設立地を有していた加盟国。
    (b)(a)に定める条件を満たさない場合には、登録の日において、当該登録簿において最初に述べられた手続上の保有者の代理人が居住し又は拠点の所在地若しくは事業の設立地を有していた加盟国。

  2. 1項に定める条件を満たさない場合は、1項に定める加盟国は植物品種保護庁の拠点が所在する加盟国とする。

  3. 1項に定める登録簿において保有者又は手続上の代理人に関して複数の加盟国における居住地、拠点の所在地又は事業の設立地が記載されている場合は、最初に述べられた居住地又は拠点の所在地をもって1項を適用する。

  4. 1項に定める登録簿において複数の者が共同保有者として記載されている場合は、1項(a)の適用においては、登録簿に記載された順番で最初に条件を満たす共同保有者をもって保有者とする。共同保有者のいずれもが1項(a)の要件を満たさない場合は、2項が適用される。

 

23条(移転)

  1. 共同体の植物品種保護の権利は、一人又は複数の権利の承継人に対する移転の対象となる。

  2. 共同体の植物品種保護の権利の譲渡による移転は、12条及び82条に定める条件に適合する承継人に対してのみ行うことができる。譲渡による移転は、裁判又は裁判手続を終了させる他の行為による場合を除き、書面でなされなければならず、かつ、契約当事者の署名を必要とする。それ以外は、無効とする。

  3. 100条に定める場合を除き、移転は、移転の日より前に第三者が取得した権利に何ら影響しない。

  4. 施行細則に定める移転に関する書証が提示され、かつ、共同体の植物品種保護の権利の登録簿への登録がなされない限り、移転は、植物品種保護庁に対して効力を生ぜず、また、第三者に対して主張することはできない。しかしながら、登録簿に登録されていない移転は、当該移転の日より後に権利を取得し、かつ、当該取得の日において当該移転を知っていた第三者に対して主張することができる。

 

24条(強制執行)

共同体の植物品種保護の権利は、差押えの対象となり、また、1988年9月16日にルガノで署名された民商事事件における管轄と裁判の執行に関する条約(Convention on Jurisdiction and the Enforcement of Judgments in Civil and Commercial Matters、 signed in Lugano on 16 September 1988)(以下「ルガノ条約」という。)24条にいう保護命令を含む保全手続の対象となる。

 

25条(破産又は類似の手続)

この分野において加盟国のための共通の手続が施行されるまで、破産又は類似の手続において共同体の植物品種保護の権利を処理することのできる加盟国は、この分野に適用される国内法又は条約において手続が最初に申し立てられたと認められる加盟国

に限られるものとする。

 

26条(財産の対象としての共同体の植物品種保護の権利の出願)

22条ないし25条は、共同体の植物品種保護の権利の出願に適用される。これらの条文において、共同体の植物品種保護の権利の登録簿とあるのは共同体の植物品種保護の権利の出願の登録簿と読み替える。

 

27条(契約上の実施権)

  1. 共同体の植物品種保護の権利は、契約により、全部又は一部に実施権を設定することができる。実施権は、独占又は非独占のいずれとすることもできる。

  2. 保有者は、第1項に従い定めた実施権に付随する条件や制限に違反している実施権者に対して、共同体の植物品種保護の権利に基づき与えられる権利を行使することができる。

 

28条(共同保有)

共同体の植物品種保護の権利が共同保有の場合は、保有割合が定められているときは、それぞれの保有割合について22条ないし27条を準用する。

 

29条(強制実施権)

  1. 強制実施権は、公共の利益を理由とし、かつ、36条に定める運営評議会へ諮問した後に限り、一人又は複数の者の申立てに基づき、植物品種保護庁により当該一人又は複数の者に付与される。

  2. 強制実施権は、加盟国、欧州委員会又は共同体レベルで設置された欧州委員会により登録された組織の申立てに基づき、特定の要件を満たす一定範囲の者又は一つ若しくは複数の加盟国若しくは共同体全域におけるすべての者に付与することができる。但し、公共の利益を理由とし、かつ、運営評議会の同意がある場合に限る。

  3. 植物品種保護庁は、1項、2項、5項又は5a項に従い強制実施権を付与する場合には、当該権利により認められる行為の種類を規定し、かつ、2項に定める要件とともに関係する合理的な条件を特定ものとする。合理的な条件には、強制実施権を与えることで影響を受ける植物品種保護の権利の保有者の利益を考慮しなければならない。合理的な条件には、強制実施権の実施に際して満足すべき内容として、可能な期間制限及び公正な代償としての適切な実施料の保有者への支払いを含めることができ、また、保有者に一定の義務を課すことができる。

  4. 手続の当事者は、1項、2項、5項又は5a項に基づく強制実施権の付与の後3項に定める可能な期間制限の期限が経過するまでの間1年が経過する毎に、強制実施権の付与の決定を取消し又は変更すべきことを請求することができる。この請求は、なされた決定を導く状況に変化があったこと理由とする場合に限る。

  5. 1項に定める基準を満たす場合には、申立てに基づき、本質的に由来する品種に関して、保有者に強制実施権が付与されるものとする。3項に定める合理的な条件には、公正な代償としての適切な実施料の原品種の保有者への支払いを含めるものとする。

5a.特許の保有者が以下の事項を証明する場合には、申立てに基づき、指令98/44号12条2項に従い保護された植物品種の非独占的な使用について、公正な代償としての適切な実施料の支払いを条件として、植物技術上の発明に対する特許の保有者に強制実施権が付与される。

 (ⅰ)  契約上の実施権を得るために植物品種保護の権利の保有者に申し込んだが成功しなかったこと。

    (ⅱ) 保護された植物品種と比較して、発明が相当の経済的利益に関する重要な技術上の進歩を有すること。

植物品種保護の権利を得又は利用するために指令98/44号12条1項に従いその保有者に対して特許発明の非独占的な使用について強制実施権が付与されている場合には、申立てに基づき、合理的な条件において、当該発明の特許の保有者に当該品種を利用するための非独占的な相互実施権が付与される。

本項の実施権または相互実施権の地理的範囲は、特許の保護範囲の共同体の一部に限定されるものとする。

6. 114条に従い定める施行細則において、1項、2項及び5a項に定める公共の利益に基づく実施権の他の例を定めることができ、また、加えて、1項ないし5a項を施行するための詳細を定めることができる。

7. 加盟国は、共同体の植物品種保護の権利に関して、強制実施権を付与することはできない。

 

第3部

植物品種保護庁

 

第1章

総則

 

30条(法的地位、付属庁)

  1. 植物品種保護庁は、共同体の機関であり、法人格を有する。

  2. 植物品種保護庁は、各加盟国において、その国の法律により法人に与えられる最も広範な法的権限を享受するものとする。植物品種保護庁は、特に、動産及び不動産を取得し又は譲渡することができ、また、法的手続の当事者となることができる。

  3. 植物品種保護庁は、長官によって代表される。

  4. 植物品種保護庁は、36条に定める運営評議会の同意を得て、植物品種保護庁の国内担当機関に特定の事務機能の実施を付託することができ、また、加盟国の同意を得て、その実施のために加盟国に付属庁を設置することができる。

 

31条(職員)

  1. 欧州共同体の公務員に関する職員規則、欧州共同体の他の従事者の雇用に関する条件並びにこれらの規則及び条件の適用のために共同体の機関が共同で採択した規則は、植物品種保護庁の職員に適用される。但し、不服審判委員会の委員に対する47条の適用に影響しない。

  2. 43条の場合を除き、職員規則及び他の従事者の雇用に関する条件により任命機関に付与される権限は、植物品種保護庁の職員について植物品種保護庁が行使する。

 

32条(特権及び免責)

欧州共同体の特権及び免責に関する条約の付随書(protocol)は、植物品種保護庁に適用される。

 

33条(責任)

  1. 植物品種保護庁の契約上の責任は、当該契約の準拠法による。

  2. 欧州共同体の司法裁判所は、植物品種保護庁が締結した契約の裁定条項に従い判断を下す管轄権を有する。

  3. 契約に関わらない責任に関して、植物品種保護庁は、加盟国の法に共通する一般原則に従い、植物品種保護庁の部署又は職員がその義務の履行の過程で発生させた損害を賠償する。

  4. 欧州司法裁判所は、3項に定める損害の賠償に関する紛争について管轄権を有する。

  5. 植物品種保護庁に対するその職員の個人的な責任は、当該職員に適用される職員規則又は雇用に関する条件に準拠する。

 

33a条(文書へのアクセス)

  1. 欧州議会、欧州連合理事会及び欧州委員会の文書に対する公衆のアクセスに関する2001年5月30日付欧州議会及び欧州連合理事会規則1049/2001号は、植物品種保護庁が保有する文書に適用するものとする。

  2. 運営評議会は、共同体の植物品種保護の権利に関する規則2100/94号を改正する2003年6月18日付欧州連合理事会規則1650/2003号の施行から6か月以内に、規則1049/2001号を施行するための実務的な取り決めを行うものとする。

  3. 規則1049/2100号8条に従い植物品種保護庁が下した決定は、機能条約195条及び230条がそれぞれ定める条件に従い、オンブズマンへの告訴又は司法裁判所における訴訟の対象となる。

 

34条(言語)

  1. 欧州経済共同体で使用される言語の決定に関する1958年4月15日付規則1号に定められた規定は、植物品種保護庁に関して適用される。

  2. 植物品種保護庁への申立て、申立ての過程で必要となる書類及びその他の全ての提出書類は、欧州共同体の公用語のうちのいずれかを用いて提出されなければならない。

  3. 114条に従い定める施行細則において特定される植物品種保護庁における手続の当事者は、欧州共同体の公用語のいずれかにより、少なくとも他方当事者が選択した他の公用語への翻訳及び審理の場合は同時通訳付きで書面及び口頭審理を行うことができる。これらの権利の行使は、手続当事者に特定の手数料の負担をさせることを意味しない。

  4. 植物品種保護庁が機能するために必要な翻訳サービスは、原則として欧州連合の翻訳センターにより提供される。

 

35条(植物品種保護庁の決定)

  1. 植物品種保護庁の決定は、72条に従い不服審判委員会より下される必要がない場合には、植物品種保護庁の長官により又はその権限においてなされる。

  2. 20条、21条、29条、59条、61条、62条、63条、66条又は100条2項に定める決定は、1項に従い、植物品種保護庁の3人の職員からなる委員会(Committee)により下される。委員会の委員の資格、決定の準備段階における個々の委員の権限、投票条件及び委員会に関する長官の役割は、114条に従い定める施行細則において定める。その他、委員会の委員は、議決に際し、いかなる指示にも拘束されない。

  3. 2項に特定する以外の長官の決定は、長官が下さない場合には、42条2項(h)に従い権限を委譲された植物品種保護庁の職員において行うことができる。

 

第2章

運営評議会

 

36条(創設及び権限)

  1. 運営評議会は、本規則により植物品種保護庁に付随して設置される。運営評議会は、本規則の他の規定並びに113条及び114条に定める規定により与えられた権限に加えて、植物品種保護庁に関して以下の権限を有する。

    (a)植物品種保護庁が責任を負う事項について、助言し又は一般のガイドラインを発行する。

    (b)植物品種保護庁長官の運営報告(management report)を審査し、加えて、その審査又は他の得られた情報に基づき、植物品種保護庁の活動を監視する。

    (c)植物品種保護庁からの提案に基づき、35条に定める委員会の数、所掌事務の分担及びそれぞれの委員会の機能の期間を決定し、又はこれらに関する一般のガイドラインを発行する。

    (d)植物品種保護庁の執務の方法に関する規則を定めることができる。

    ​(e)56条2項に従い、試験ガイドラインを発行することができる。

  2. 加えて、運営評議会は、以下の権限を有する。

- 必要と認める場合には、植物品種保護庁又は欧州委員会に対し、意見を述べ、また、情報を求めることができる。

- 42条2項(g)に従い提出された草稿を、修正を付して又は修正無しに、又は本規則、113条及び114条に定める規定若しくは共同体の植物品種保護の権利に関するその他の規則についての自らの改正案を、欧州委員会に対し回付することができる。

- 113条4項及び114条2項に従い、相談を受けるものとする。

- 109条、111条及び112条に従い、植物品種保護庁の予算に関する機能を実施するものとする。

 

37条(構成)

  1. 運営評議会は、各加盟国の代表者一名及び欧州委員会の代表者一名並びにこれらの者の代理で構成される。

  2. 運営評議会の委員は、その手続に関する規則の規定に従い、アドバイザー又は専門家の補助を受けることができる。

 

38条(議長)

  1. 運営評議会は、構成員の中から議長及び副議長を選任する。副議長は、議長が職務執行できない場合には、職権により、議長に代わって職務を行う。

  2. 議長及び副議長の任期は、運営評議会の構成員でなくなったときに終了する。この他、議長及び副議長の任期は、その期間が終了する前に他の議長又は副議長が選任されない限り、3年間とする。期間は更新することができる。

 

39条(会議)

  1. 運営評議会の会議は、議長が招集する。

  2. 植物品種保護庁の長官は、運営評議会が別の決定しない限り、評議に参加する。但し、長官は、議決権を有しない。

  3. 運営評議会は、一年に一度、通常会議を開催する。加えて、議長の主導又は欧州委員会若しくは加盟国の3分の1以上の申出に基づき、会議を開催する。

  4. 運営評議会は、手続に関する規則を採択し、また、その規則に従いその権限の下に委員会を設置することができる。

  5. 運営評議会は、オブザーバーを招待して会議に参加させることができる。

  6. 運営評議会の事務局は、植物品種保護庁により提供される。

 

40条(会議の場所)

運営評議会は、欧州委員会の拠点の所在地又は植物品種保護庁若しくは審査局の所在地において開催する。詳細は、手続に関する規則に定める。

 

41条(議決)

  1. 運営評議会は、2項で定める場合を除き、加盟国の代表者の単純過半数により決議する。

  2. 29条、36条1項(a)、(b)、(d)及び(e)、43条、47条、109条3項並びに112条において運営評議会が権限を付託された決定は、加盟国の代表者の4分の3以上の多数票を要する。

  3. 加盟国は、それぞれ1票の議決権を有する。

  4. 運営評議会の決定は、何ら機能条約189条のいう拘束力を有しない。

 

第3章

植物品種保護庁の運営

 

42条(長官の機能及び権限)

  1. 植物品種保護庁は、長官により運営される。

  2. この目的を達するため、長官は、特に以下の機能及び権限を有する。

    (a)長官は、本規則若しくは113条若しくは114条に定める規定又は36条1項に従い運営評議会が定めた規則又は発行したガイドラインに従い、植物品種保護庁の機能を全うするために、内部的な事務上の指示及び通知の公表を含め、必要な全ての措置を講じるものとする。

    (b)長官は、毎年、欧州委員会及び運営評議会に運営報告を提出する。

    (c)長官は、職員に関して、31条2項に定める権限を行使する。

    (d)長官は、36条1項(c)及び47条2項に定める提案を行う。

    (e)長官は、109条1項に従い植物品種保護庁の収入及び支出を見積り、また、110条に従い予算を執行する。

    (f)長官は、36条2項第1段落に従い運営評議会が求める情報を提供する。

    (g)長官は、本規則、113条及び114条に定める規定又は共同体の植物品種保護の権利に関するその他の規則についての改正案を運営評議会に提出することができる。

    ​(h)長官は、113条及び114条に定める規定に従い、植物品種保護庁の他の職員に権限を委譲することができる。

  3. 長官は、一人又は複数の副長官により補助される。長官を欠き又は長官が病気により職務を行えない/に不適格・不能事由が認められる(is indisposed)場合は、副長官又は副長官のうちの一人が、 36条1項に従い運営評議会が定める規則又は発行するガイドラインに定められた手続に従い、長官の職を代行する。

 

43条(上級職員の任命)

  1. 植物品種保護庁の長官は、 欧州委員会が運営評議会に諮問した後に提案する候補者リストの中から、欧州連合理事会により任命される。長官を解任する権限は、欧州委員会が運営評議会に諮問した後にする提案に基づき、欧州連合理事会が行使する。

  2. 植物品種保護庁の長官の任期は5年を超えてはならない。この期間は更新することができる。

  3. 植物品種保護庁の副長官は、長官へ諮問した後に、1項及び2項に従い、任命または解任される。

  4. 欧州連合理事会は、1項及び3項に定める職員に対し、懲戒権を行使する。

 

44条(適法性の監督)

  1. 欧州委員会は、長官の行為であって共同体の法が他の機関によるその適法性の監督について何ら定めていない行為及び植物品種保護庁の予算に関する運営評議会の行為について、その適法性を監督するものとする。

  2. 欧州委員会は、1項に定めるすべての不適法な行為が是正され又は取り消されるよう求めるものとする。

  3. 加盟国、運営評議会の委員又は直接かつ個人的に関係する他のすべての者は、1項に定める行為について、明示又は黙示に、その適法性を調査するよう欧州委員会に照会することができる。照会は、関係当事者が問題となる行為を認識した日から2ヶ月以内になされなければならない。欧州委員会は、2ヶ月以内に決定をしてこれを通知する。

 

第4章

不服審判委員会

 

45条(設置及び権限)

  1. 植物品種保護庁に、一つ又は複数の不服審判委員会を設置する。

  2. 不服審判委員会は、67条に定める決定に対する不服申立に関する決定を行う。

  3. 不服審判委員会は、必要に応じて招集される。不服審判委員会の数及び所掌事務の分担は、114条に従い定める施行細則において定める。

 

46条(不服審判委員会の構成)

  1. 不服審判委員会は、議長及び他の二人の委員で構成される。

  2. 議長は、47条2項に従い作成される資格のある委員のリストから、個別の案件に関し、他の委員及びそれぞれの補欠を選出する。

  3. 不服審判委員会は、不服申立の性質上必要と認める場合には、上記リストから、さらに最高2名までの委員を招集することができる。

  4. 各不服審判委員会の委員に必要とされる資格、決定の準備段階における個々の委員の権限及び投票条件は、114条に従い定める施行細則において定める。

 

47条(不服審判委員会の委員の独立性)

  1. 不服審判委員会の議長及びその補欠は、欧州委員会が運営評議会に諮問した後に提案する各議長及び各補欠についての候補者リストの中から、欧州連合理事会により任命される。任期は5年とする。任期は更新することができる。

  2. 不服審判委員会の他の委員は、植物品種保護庁の提案に基づき作成される資格ある委員のリストの中から、任期を5年間として、46条2項に従い、運営評議会により選出される。リストは5年を期間として作成される。リストは、その全部または一部について、期間を更新することができる。

  3. 不服審判委員会の委員は独立している。委員は、決定に際し、いかなる指示にも拘束されない。

  4. 不服審判委員会の委員は、35条に定める委員会の委員となることはできず、また、植物品種保護庁の他の職責を担うことはできない。不服審判委員会の委員の職能は、一時的なものとすることができる。

  5. 不服審判委員会の委員は、重大な理由があり、欧州委員会が運営評議会に諮問した後にする申立てに基づき欧州共同体の司法裁判所が決定をした後でなければ、その期間中、解任され又はリストから除外されない。

 

48条(排除及び異議)

  1. 不服審判委員会の委員は、個人的な利害関係を有する場合、過去に手続当事者のうちのいずれかの代理人として関与していた場合又は不服の対象とされた決定に関与していた場合には、不服申立手続に関与することができない。

  2. 不服審判委員会の委員は、1項に定めるいずれかの理由又はその他の理由により不服申立手続に参加すべきでないと認める場合には、遅滞なく不服審判委員会に通知する。

  3. 不服申立手続の当事者は、不服審判委員会の委員について、 1項に定めるいずれかの理由に基づき又は公平性に疑いが生じた場合には、異議を申し立てることができる。不服申立手続の当事者が異議の理由を知りながら手続を遂行した場合には、異議は認められない。委員の国籍に基づいて異議を申し立てることはできない。

  4. 2項及び3項に定める場合には、不服審判委員会は、関係する委員を参加させずに講じるべき措置を決定する。この決定に際し、辞退し又は異議を申し立てられた委員は、不服審判委員会において、補欠により代わられる。

 

第4部

植物品種保護庁における手続

 

第1章

出願

 

49条(出願の申出)

  1. 共同体の植物品種保護の権利の出願は、出願人の選択により、(a)直接に植物品種保護庁に、又は(b)出願の後2週間以内に出願に関する情報を出願人が直接に植物品種保護庁に回付することを条件として、30条4項に従い設置又は付託された付属庁又は国内担当機関のいずれかに申し出ることができる。
    (b)に定める情報が回付されるべき方法の詳細は、114条に従い定める施行細則に定めることができる(b)に定める植物品種保護庁に対する出願に関する情報の回付の懈怠は、付属庁又は国内担当機関への出願の後1ヶ月以内に植物品種保護庁に出願が到着した場合には、出願の有効性に影響しない。

  2. 1項(b)に定める国内担当機関のいずれかに出願がなされた場合には、国内担当機関は、出願の後2週間以内に植物品種保護庁に出願を回付するためのすべての措置を講じる。国内担当機関は、出願の受理及び回付に関する事務費用を超えない範囲で、出願人に手数料を課すことができる。

 

50条(出願に関する条件)

  1. 共同体の植物品種保護の権利の出願は、少なくとも以下の事項を含まなければならない。

    (a)共同体の植物品種保護の権利の付与の申出

    (b)植物学上の分類群の特定

    (c)出願人又は共同出願人を特定する情報

    (d)育成者の氏名、及び出願人の最大限知る限りにおいて他の者が品種の育成又は発見または開発に関与していないことの保証。出願人が育成者でない場合又は唯一の育成者でない場合には、出願人は、共同体の植物品種保護の権利の資格が出願人に帰属するに至った経緯に関する関係書証を提出しなければならない。

    (e)品種の仮の名称

    (f)品種の技術的説明

    (g)品種の原産地

    (h)手続上の代理人の委任状

    (i)従前における品種の商業化に関する詳細

    ​(j)品種に関する他の出願の詳細

  2. さらなる情報の提供を含め、1項に定める条件の詳細は、114条に従い定める施行細則に定めることができる。

  3. 出願においては、当該出願に付随して品種の名称を提案しなければならない。

 

51条(出願日)

共同体の植物品種保護の権利の出願日は、当該出願が50条1項に適合しており、また植物品種保護庁によって指定された期限内に83条に従い支払われるべき手数料の支払いがなされていることを条件として、49条1項(a)に従い植物品種保護庁が又は49条1項(b)に従い付属庁若しくは国内担当機関が有効な出願を受理した日とする。

 

52条(優先権)

  1. 出願の優先権は、出願の受理の日により決せられる。出願が同日の場合には、優先権は、出願が受理された順番を確定できる場合はその順番により決せられる。その他の場合には、出願人は同順位の優先権を有する。

  2. 出願人又はその承継人が、加盟国又はUPOVの同盟国において、すでに当該品種の財産権を出願しており、かつ、(共同体の植物品種保護の権利の)出願の日が先行する(加盟国又はUPOVの同盟国における)出願の申出から12か月以内である場合には、(共同体の植物品種保護の権利の)出願日において先行する(加盟国又はUPOVの同盟国における)出願が存続していることを条件として、出願人は、共同体の植物品種保護の権利の出願に関し、先行する(加盟国又はUPOVの同盟国における)出願に基づく優先権を主張することができる。

  3. 優先権は、7条、10条及び11条の適用において、先行する出願がなされた日を共同体の植物品種保護の権利の出願の日とする効果を有する。

  4. 2項及び3項は、他国で出願された先行する出願についても適用される。

  5. 出願人が、先行する出願の管轄当局により証明された当該出願の写しを(共同体の植物品種保護の権利の)出願の日から3ヶ月以内に植物品種保護庁に提出しない場合には、2項に定める優先権に先行する優先権は消滅する。先行する出願が欧州共同体の公用語のいずれにもよらない場合には、植物品種保護庁は、加えて、先行する出願について、欧州共同体の公用語のいずれかによる翻訳を求めることができる。

 

第2章

審査

 

53条(出願の形式審査)

  1. 植物品種保護庁は、以下の事項を審査する。

    (a)出願が49条に従い有効になされたか否か。

    (b)出願が50条に定める条件及び同条に従い施行細則に定められた条件に適合しているか否か。

    (c)該当する場合には、優先権の主張が、52条2項、4項及び5項に定める規定に適合しているか否か。

    ​(d)83条に従い支払われるべき手数料が、植物品種保護庁により指定された期限内に支払われているか否か。

  2. 出願が51条に定める条件に適合しているにもかかわらず50条に定める条件に適合していない場合には、植物品種保護庁は、出願人に対し、特定することのできた不備を補正する機会を与える。

  3. 出願が51条に定める条件に適合していない場合には、植物品種保護庁は、出願人に通知し又はそれができない場合には89条に従い情報を公開する。

 

54条(実体審査)

  1. 植物品種保護庁は、5条に従い品種が共同体の植物品種保護の権利の対象となるか否か、10条に従い品種が新規性を有するか否か、12条に従い出願人が出願をする資格を有するか否か及び82条に定める条件が遵守されているか否かを審査する。植物品種保護庁は、提案された品種の名称が63条に従い適切であるか否かについても審査する。このために、植物品種保護庁は、他の機関の補助を受けることができる。

  2. 最初の出願人が、11条に従い共同体の植物品種保護の権利を受ける資格を有するとみなされる。但し、当該出願に対する決定の前に、当該資格が最初の出願人に帰属しない又は最初の出願人のみに帰属するものでないと植物品種保護庁が知り又は98条4項に従い資格に関する請求についての終局的判断により示される場合はこの限りでない。資格を有する唯一の又は他の者が特定された場合には、その者は、出願人として手続に参加することができる。

 

55条(技術的審査)

  1. 植物品種保護庁が53条及び54条の定める審査に基づき共同体の植物品種保護の権利の付与に障害がないと判断した場合には、植物品種保護庁は、7条、8及び9条に定める条件への適合性に関する技術的審査を行う。技術的審査は、少なくとも加盟国のうちのいずれかにおいて運営評議会により関係する種の品種の技術的審査を付託された所轄局(以下「審査局」という。)により行われる。

  2. いずれの審査局も用いることができない場合には、植物品種保護庁は、運営評議会の同意を得て他の適切な機関にその任務を付託し又は同じ目的のために自らの付属庁を設置することができる。本章の規定の適用において、それらの機関又は付属庁は、審査局とみなされる。それらの機関は、出願人により提供された設備を利用することができる。

  3. 植物品種保護庁は、114条に従い定める施行細則に基づき要求される出願の写しを審査局に回付する。

  4. 植物品種保護庁は、一般的な規則又は個別の案件における申出を通じて、技術的審査のための素材及び参照サンプルに関し、提出されるべき時期、場所、量及び質を決定する。

  5. 出願人が52条2項又は4項に従い優先権を主張する場合には、出願人は、51条に定める出願の日から2年以内に、必要な素材及びさらなる書類を提出しなければならない。先行する出願が2年を経過する前に撤回され又は拒絶されている場合には、植物品種保護庁は、指定した期限内に素材又はさらなる書類を提出するよう出願人に求めることができる。

 

56条(技術的審査の実施)

  1. 審査局は、7条ないし9条に定める条件への適合性に関する技術的審査にして異なる方法が設定されない限り、技術的審査のために、品種を育成し又は他の必要な調査を行う。

  2. 技術的審査の実施は、運営評議会の発行する試験ガイドライン及び植物品種保護庁による指示に従い行う。

  3. 審査局は、技術的審査のために、植物品種保護庁の同意を得て、技術的に適格な団体の補助を受け、また、その団体の認定した入手可能な所見を考慮することができる。

  4. 各審査局は、植物品種保護庁が他の定めをしていない限り、植物品種保護庁から送付された出願が審査局に到着した日になされた国内財産権のための出願に基づき技術的審査が開始されたであろう日より前に技術的審査を開始する。

  5. 55条5項の場合には、各審査局は、植物品種保護庁が他の定めをしていない限り、必要な素材及び他のさらなる書類が提出されていることを条件として、国内財産権のための出願に基づき審査が開始されたであろう日より前に技術的審査を開始する。

  6. 運営評議会は、ぶどう及び樹木の種の品種の技術的審査をより後の日に開始することができることを決定することができる。

 

57条(審査報告)

  1. 審査局は、植物品種保護庁の申出に基づき、又は技術的審査の結果を品種を評価するのに適切と認める場合には、審査報告を植物品種保護庁に送付し、また、 7条ないし9条に定める条件に適合していると認める場合には、品種の明細を送付する。

  2. 植物品種保護庁は、出願人に対し、技術的審査の結果及び品種の明細を通知し、それらに関して意見陳述するための機会を与える。

  3. 植物品種保護庁は、審査結果が決定を下すための十分な基礎を有していると認めない場合には、職権により、出願人に諮問した後、又は出願人の申出に基づき、補足的な審査を行うことができる。61条及び62条に従い下される決定が確定するまでに実施される補足的な審査は、結果の評価において、56条1項に定める審査の一部とみなされる。

  4. 技術的審査の結果は、植物品種保護庁がその処分につき専権を有し、植物品種保護庁が同意した場合に限り、審査局において利用することができる。

 

58条(技術的審査の費用)

植物品種保護庁は、114条に従い定める施行細則に従い、審査局に手数料を支払う。

 

59条(権利付与に対する異議)

  1. 何人も、共同体の植物品種保護の権利の付与に対して、書面をもって、植物品種保護庁に異議を申し立てることができる。

  2. 異議申立人は、出願人と共に、共同体の植物品種保護の権利の付与に関する手続の当事者となる。88条にかかわらず、異議申立人は、 57条2項に定める技術的審査の結果及び品種の説明を含め、文書にアクセスすることができる。

  3. 異議は以下のいずれかの主張に基づいてのみ申し立てることができる。

    (a)7条ないし11条に定める条件に適合していないこと。

    ​(b)提案された品種の名称に63条3項又は4項に定める障害があること。

  4. 異議は以下の時期に申し立てることができる。

    (a)3項(a)の場合には、出願の後、61条又は62条に定める決定の前であればいつでも。

    ​(b)3項(b)の場合には、提案された品種の名称の89条に従い公表されたときから3ヶ月以内。

  5. 異議に対する決定は、61条、62条又は63条に定める決定と共に下すことができる。

 

60条(異議の場合における新規出願の優先権)

11条に定める条件を満たしていないことを理由とする異議により、共同体の植物品種保護の権利の出願が撤回又は拒絶された場合で、かつ、異議申立人が撤回から1ヶ月以内又は拒絶の確定から1ヶ月以内に、同じ品種について共同体の植物品種保護の権利の出願をする場合には、異議申立人は、撤回又は拒絶の日をもって自身の出願日とみなすよう求めることができる。

 

第3章

決定

 

61条(拒絶)

  1. 植物品種保護庁は、以下のいずれかの場合には、直ちに、共同体の植物品種保護の権利の出願を拒絶する。

    (a)出願人が、補正の機会を与えられたにもかかわらず、通知された期限内に53条にいう不備を補正しなかった場合。

    (b)植物品種保護庁が提出しないことに同意していない限り、出願人が、定められた期限内に55条4項又は5項に定める規則又は申立てに従わなかった場合。

    (c)出願人が、63条に従い適切な品種の名称を提案しなかった場合。

  2. 植物品種保護庁は、以下のいずれかの場合についても、共同体の植物品種保護の権利の出願を拒絶する。

    (a)植物品種保護庁が、54条に従い証明すべきことが求められる条件を満たしていないと判断した場合。
    ​(b)植物品種保護庁が、57条に定める審査報告に基づき、7条、8条及び9条に定める条件を満たしていないとの結論に達した場合。

 

62条(権利付与)

植物品種保護庁は、審査において認定した事実が出願に対する決定をするのに十分であり、また、 59条及び61条に定める障害がないと認める場合には、共同体の植物品種保護の権利を付与する。決定は、品種の公式の明細書を含むものとする。

 

63条(品種の名称)

  1. 共同体の植物品種保護の権利が付与された場合には、植物品種保護庁は、50条3項に従い出願人が提案した品種の名称について、54条1項第2文に定める審査に基づき当該名称が適切と判断する場合、その品種の名称を承認する。

  2. 本条3項又は4項に定める障害がない場合には、品種の名称は適切である。

  3. 以下のいずれかに該当する場合には、品種の名称の指定の障害となる。

    (a)当該名称の共同体の域内における使用が、第三者の先行する権利により排斥される場合。

    (b)当該名称が、認識又は再現に関して、その使用者に一般的に困難をもたらすおそれのある場合。

    (c)当該名称が、同一の若しくは密接に関係する種の別の品種について植物品種の公式の登録がなされている名称、又は別の品種の素材について加盟国若しくはUPOVの同盟国おける販売に用いられている名称と同一又は混同されるおそれのある場合。但し、別の品種がもはや存在せず、かつ、その名称が特別の重要性を得ていない場合を除く。

    (d)当該名称が、物の販売に一般的に使用され、又は他の法において自由に用いられるべきとされている名称と同一又は混同されるおそれのある場合。

    (e)当該名称が、いずれかの加盟国において犯罪となる場合又は公序良俗に反する場合。

    (f)当該名称が、品種の特性、価値若しくは識別又は育成者若しくは手続の他の当事者の識別関して、誤解を招き又は混同を生じさせる場合。

  4. 以下の場合にも障害がある。

    (a)いずれかの加盟国、

    (b)UPOVの同盟国又は

    ​(c)共通の目録(catalogs)カタログに関するEU指令に定められている原則(rule)と同等の原則(rule)により品種の評価が行われていることが共同体の法により確立している国において、
    植物品種又はその素材の公式の登録簿に登録され、かつ、商業目的により当該国において販売されている品種の場合で、かつ、提案された品種の名称が当該国において登録又は使用されている名称と異なる場合。但し、後者の名称が3項に定める障害の対象となる場合を除く。

  5. 植物品種保護庁は、3項(c)にいう「密接に関係する」と認める種を公表する。

 

第4章

共同体の植物品種保護の権利の維持

 

64条(技術的検証)

  1. 植物品種保護庁は、保護された品種が変更なく存続していることを検証する。

  2. この目的のため、55条及び56条に従い、技術的検証を実施する。

  3. 保有者は、品種が変更なく存続していることを評価するために必要なすべての情報を、植物品種保護庁及び技術的検証を付託された審査局に提供することを求められる。保有者は、植物品種保護庁の指示に従い、品種の素材を提出し、また、品種が変更なく存続していることを確実にするために適切な措置が講じられていたか否かを検証することを許諾することを求められる。

 

65条(技術的検証の報告)

  1. 植物品種保護庁の申出により、又は品種に均一性若しくは安定性がないと植物品種保護庁が判断した場合は、技術的検証を付託された審査局は、植物品種保護庁に認定した事実に関する報告を送付する。

  2. 技術的検証の間に1項に定める不備が発見された場合には、植物品種保護庁は、保有者に対し、技術的検証の結果を通知し、意見陳述の機会を与える。

 

66条(品種の名称の変更)

  1. 植物品種保護庁は、品種の名称が63条に定める条件を満たしていない又はもはや満たしていないと判断した場合、及び第三者の先行する競合の権利がある場合で保有者が同意する場合又は品種の名称を使用することを求められる保有者若しくは他の者が第三者の先行する競合の権利を理由として確定の裁判により当該品種の名称の使用を禁止される場合には、63条に従い指定された品種の名称を変更する。

  2. 植物品種保護庁は、保有者に対し、変更後の品種の名称を提案する機会を与え、63条に従い手続を進める。

  3. 提案された変更後の品種の名称に対しては、59条3項(b)に従い、異議を申し立てることができる。

 

第5章

不服申立

 

67条(不服申立の対象となる決定)

  1. 20条、21条、59条、61条、62条、63条及び66条に定める植物品種保護庁の決定、並びに83条に定める手数料、85条に定める費用、87条に定める登録情報の登録又は削除及び88条に定める公衆の縦覧に関する決定に対しては、不服申立をすることができる。

  2. 1項に従い申し立てられた不服は、執行停止の効力を有する。但し、植物品種保護庁は、状況により必要と認める場合には、争いの対象とされている決定が停止しないと命じることができる。

  3. 29条及び100条2項に定める植物品種保護庁の決定に対しては、74条に定める直接の訴訟が提訴されていない限り、不服申立をすることができる。この不服申立は執行停止の効力を有しない。

  4. 当事者のいずれかについて手続を終了させる効力を有しない決定に対する不服申立は、その決定が別個の不服申立を定めていない限り、最終決定に対する不服申立とともにする場合にのみ行うことができる。

 

68条(不服申立権者及び不服申立手続の当事者)

すべての自然人又は法人は、82条に従い、自らを名宛人とする決定、又は形式上は他の者を名宛人とする決定であっても直接かつ個人的な利害関係を有する決定に対して、不服を申し立てることができる。手続当事者は不服申立手続の当事者となることができ、植物品種保護庁は当事者となる。

 

69条(不服申立期間及び形式)

不服申立の通知は、不服申立人を名宛人とする決定の場合にはその送達から2ヶ月以内に、送達がない場合には決定の公表から2ヶ月以内に、植物品種保護庁に書面をもって提出されなければならず、また、不服申立の理由を述べる主張書面は、送達又は公表から4ヶ月以内に提出されなければならない。

70条(中間的更正)

  1. 決定を行った植物品種保護庁の構成体が不服申立を適法かつ理由があると認める場合には、植物品種保護庁は、決定を見直す。これは、不服申立人が不服申立手続の他方当事者から反論されている場合には適用されない。

  2. 不服申立の理由に関する主張の受領後1ヶ月以内に決定が更正されない場合には、植物品種保護庁は、直ちに、以下の措置を講じる。

    - 67条2項第2文に定める措置を講じるか否かを決定する。
    - 不服審判委員会に不服申立を移送する。

71条(不服申立の審査)

  1. 不服申立が適法である場合には、不服審判委員会は、不服申立に理由があるか否かを審査する。

  2. 不服申立を審査するに際し、不服審判委員会は、自ら発した通知又は不服申立手続の他方当事者からの応答に関して、必要な頻度で、不服申立手続の当事者に指定した期限内に意見を求める。不服申立手続の当事者は、口頭陳述を行う権利を有する。

 

72条(不服申立に対する決定)

不服審判委員会は、71条に定める審査に基づき、不服申立に対する決定を下す。不服審判委員会は、植物品種保護庁に属するすべての権限を行使することができ、また、さらなる行為のため、植物品種保護庁の管轄権を有する構成体に事件を差し戻すことができる。事件の差し戻しを受けた構成体は、事実が同一である限り、不服審判委員会の先例(判決理由 ratio decidendi)に拘束される。

 

73条(不服審判委員会の決定に対する不服申立)

  1. 不服審判委員会の不服申立に対する決定に対しては、欧州司法裁判所に不服申立をすることができる。

  2. 不服申立は、管轄権の不存在、重要な手続的要件の違反、条約、本規則若しくはそれらの適用に関する法律の違反又は誤った権限の行使を理由として申し立てることができる。

  3. 欧州司法裁判所は、争われている決定を取り消し又は変更することができる。

  4. 不服申立は、その主張の全部又は一部が認められなかった当事者において申し立てることができる。

  5. 不服申立は、不服審判委員会の決定の送達の日から2ヶ月以内に欧州司法裁判所に対し申し立てる。

  6. 植物品種保護庁は、欧州司法裁判所の裁判に適合する必要な措置を講じる。

74条(直接の訴訟)

  1. 直接の訴訟は、29条及び100条2項に定める植物品種保護庁の決定について、欧州司法裁判所に対し、提起することができる。

  2. 73条に定める規定を準用する。

 

第6章

手続に関する雑則

 

75条(決定の理由の申述、聴聞の権利)

植物品種保護庁の決定には論拠とした理由の申述を付する。決定は、手続当事者が書面又は口頭により意見を述べる機会を与えられた理由又は証拠にのみ基づき下される。

 

76条(植物品種保護庁による事実の職権調査)

植物品種保護庁は、係属する手続において、職権により、54条及び55条に定める審査の範囲内において、事実に関する調査を行う。植物品種保護庁は、指定した期限内に提出されなかった事実又は証拠を排斥する。

 

77条(口頭審理)

  1. 口頭審理は、植物品種保護庁の主導又は手続当事者のいずれかの申出に基づき開催する。

  2. 3項にかかわらず、植物品種保護庁における口頭審理は非公開とする。

  3. 不服審判委員会における口頭審理は、公開することにより特に不服申立手続の当事者のいずれかに対して重大かつ不当な不利益を生じるおそれがある状況において手続の係属する不服審判委員会が別の決定をしない限り、決定の言渡しを含めて公開する。

 

78条(証拠調べ)

  1. 植物品種保護庁におけるすべての手続において、証拠の提出又は取得の方法は、以下のものを含む。

    (a)手続当事者の尋問

    (b)情報の提出要請

    (c)文書又はその他の証拠の提出

    (d)証人の尋問

    (e)専門家による意見

    (f)調査

    ​(g)宣誓供述書

  2. 植物品種保護庁が構成体を通じて決定する場合には、その構成体は、構成員の一人を任命して提出された証拠を取り調べさせることができる。

  3. 植物品種保護庁は、手続当事者、証人又は専門家による口頭での証拠の提供を必要と認める場合には、以下の措置を講じる。
    (a)該当者の出頭を求める召喚状を発すること。
    (b)該当者の居住国において管轄権を有する司法その他の機関に対し、91条2項の定めるところにより証拠調べを要請すること。

  4. 植物品種保護庁に出頭を求められた手続当事者、証人又は専門家は、植物品種保護庁に対し、居住国において管轄権を有する司法その他の機関により証拠の聴取がなされるべきことを申し出ることができる。この申出を受けた場合又は召喚状に対して何らの応答もない場合には、植物品種保護庁は、管轄権を有する司法その他の機関に対し、91条2項に従い該当者の証拠を聴取するよう要請することができる。

  5. 手続当事者、証人又は専門家が植物品種保護庁に証拠を提供する場合に、植物品種保護庁は、その証拠が宣誓の下に又は他の拘束力ある形式により提供されるべきと認める場合には、該当者の居住国において管轄権を有する司法その他の機関に対し、必要な条件において、その証拠を聴取するよう依頼することができる。

  6. 管轄権を有する司法その他の機関に証拠の収集を要請する場合には、植物品種保護庁は、当該機関に対し、拘束力ある形式により証拠を調べるべきこと及び植物品種保護庁の担当者が審理に参加して当該機関を通じて又は直接に手続当事者、証人若しくは専門家に質問することを許可するよう求めることができる。

 

79条(送達)

植物品種保護庁は、すべての決定及び召喚状、並びに期限の起算点となる又は本規則の他の規定に従い若しくは本規則に従い定められた規定若しくは植物品種保護庁の長官の命令により送達すべきことが求められる通知及び連絡について、職権により、送達を行う。送達は、加盟国の管轄権を有する品種庁(variety offices)を通じて行うことができる。

 

80条(原状の回復(restitutio in integrum))

  1. 共同体の植物品種保護の権利の出願人又は保有者若しくは植物品種保護庁における他の手続当事者が、特定の状況においてすべての適正な注意を尽くしたにもかかわらず、植物品種保護庁に対する期限を遵守することができなかった場合で、期限の遵守に関する懈怠が本規則により直接に権利又は救済手段を失う結果を招いた場合には、申立てに基づき、同人の権利は回復されるものとする。

  2. 申立ては、期限がその進行を停止した場合には、不遵守の原因の発生から2ヶ月以内に、書面をもってなされなければならない。懈怠された行為は、この期間内に追完されなければならない。申立ては、遵守されなかった期限が経過したときから1年以内に限り許容される。

  3. 申立ては、論拠とする理由及び依拠する事実に関する主張を付して行う。

  4. 本条の規定は、2項に定める期限並びに52条2項、4項及び5項に定める期限に対して適用されない。

  5. 公表された共同体の植物品種保護の権利の出願の対象である品種又は付与された共同体の植物品種保護の権利の対象である品種について、その出願又は付与された権利に関する1項に定める権利喪失のときからその回復までの間に、加盟国において善意でこれを使用していた又はこれを使用するための効果的かつ真摯に準備をしていた者は、業務のため又はその必要に応じて支払いをすることなくその使用を継続することができる。

 

81条(一般原則)

  1. 本規則又は本規則に従い定められた規定において手続に関する規定を欠いている場合には、植物品種保護庁は、加盟国において一般的に認められている手続法の原則を適用する。

  2. 48条は、67条に定める種類の決定に関与している限り植物品種保護庁の職員に、また、それらの決定の準備のための措置に参加している限り審査局の職員に準用される。

 

82条(手続上の代理)

共同体の域内に居住せず又は拠点の所在地若しくは事業の設立地を有しない者は、共同体の域内に居住し又は拠点の所在地若しくは事業の設立地を有する者を手続上の代理人に指名した場合に限り、植物品種保護庁における手続の当事者として参加することができる。

 

第7章

手数料、費用の決定

83条(手数料)

  1. 植物品種保護庁は、113条に従い定める手数料規則に従い、本規則に定める職務及び共同体の植物品種保護の権利の存続期間における各年度に対して、手数料を課する。

  2. 113条2項に定める職務又は申立てに基づいてのみ実施される手数料規則に定める他の職務に関して支払われるべき手数料が支払われていない場合に、植物品種保護庁が支払いがなかった場合の結果を示して手数料の支払いのための新たな要請を送達した日から1か月以内に手数料の支払いがなされない場合には、申立てはなされなかったものとみなされ、また、不服申立は申し立てられなかったものとみなされる。

  3. 共同体の植物品種保護の権利の付与の出願人により提供された一定の情報が関係する分類群の品種の技術的審査のための枠組みを越えた技術的審査によってのみ証明されうる場合には、技術的審査のための手数料は、手数料を支払うべき者の意見を聞いた後、実際に要する費用の額を上限として増額することができる。

  4. 不服申立が認められた場合の不服申立の手数料又は一部認められた場合の対応する部分の不服申立の手数料は、払い戻される。但し、原決定の時点で得られていなかった事実に基づき不服申立が認められる場合には、全部又は一部の返金を拒絶することができる。

84条(納付義務の消滅)

  1. 植物品種保護庁の手数料の支払請求権は、手数料が支払われるべきこととなった年の最終日から4年を経過した後に消滅する。

  2. 植物品種保護庁に対する手数料の払戻請求権又は植物品種保護庁により過剰に徴収された手数料の返還請求権は、その権利が発生した年の最終日から4年を経過した後に消滅する。

  3. 手数料の支払いに関する請求は1項に定める期限を中断し、また、書面による理由を付した払戻請求は2項に定める期限を中断する効力を有する。期限は、中断の後直ちに再び進行を開始し、権利を執行するための司法手続が開始されない限り、遅くとも期限が当初進行を開始した年の最終日から6年を経過した後に消滅する。その場合には、期限は、裁判が確定した後1年を経過するまで満了しない。

 

85条(費用の配分)

  1. 共同体の植物品種保護の権利の無効若しくは取消に関する手続又は不服申立手続において敗訴した当事者は、他方当事者が要した費用、並びに代理人、アドバイザー又は弁護士の出張旅費及び報酬を含め114条に従い定める施行細則に定める条件のもとで費目ごとに定められた制限の範囲内において、手続に不可欠なすべての費用を負担する。

  2. 但し、各手続当事者が一部勝訴し、他では敗訴した場合又は衡平法上の理由に基づく場合には、植物品種保護庁又は不服審判委員会は、異なる費用の配分を決定する。

  3. 共同体の植物品種保護の権利の出願、権利の無効若しくは取消に関する申立て若しくは不服申立を取り下げ又は共同体の植物品種保護の権利を放棄して手続を終了させる当事者は、1項及び2項に定めるところにより、他方当事者が要した費用を負担する。

  4. 手続当事者が、植物品種保護庁又は不服審判委員会に対し、前各項の定めと異なる費用の合意をする場合には、その合意は尊重される。

  5. 植物品種保護庁又は不服審判委員会は、申立てに基づき、前各項に従い支払われるべき費用の額を定める。

86条(費用の額を定める決定の執行)

  1. 費用の額を定める植物品種保護庁の最終決定は、執行することができる。

  2. 執行は、執行が行われる加盟国において適用される民事手続に関する規則に準拠する。執行条項又は執行承認は、関係する書類が真正であることの証明のみを条件として、各加盟国の政府によりその目的のために指定された国内機関により付与される。政府は、植物品種保護庁及び欧州共同体の司法裁判所に対し、指定された各国内機関につき通知する。

  3. これらの形式が満たされている場合には、執行を求める当事者は、申立てにより、管轄権を有する機関に直接に申し立てて国内法上の承認の手続を遂行する資格を得るものとする。

  4. 執行は、欧州共同体の司法裁判所の決定による場合を除き、停止されない。但し、執行方法の適合性に関する監督は、国内裁判所に属する。

 

第8章

登録

 

87条(登録簿の成立)

  1. 植物品種保護庁は、以下の事項を含む、共同体の植物品種保護の権利に関する出願の登録簿を保管する。(a)品種の分類群及び仮の名称、出願の日、並びに出願人、育成者及び関係する手続上の代理人の氏名及び住所とともに、共同体の植物品種保護の権利の出願
    (b)(a)に定める情報とともに、共同体の植物品種保護の権利の出願に関する手続の終了に関する案件(c)品種の名称の提案
    (d)出願人又は同人の手続上の代理人の変更​
    (e)申出により、 24条及び26条に定める差押え

  2. 植物品種保護庁は、共同体の植物品種保護の権利の付与の後、以下の事項を含む、共同体の植物品種保護の権利の登録簿を保管する。
    (a)品種の種と名称
    (b)品種の公式の明細又は登録簿の一体部分として品種の公式の明細が含まれている植物品種保護庁保有の文書の引用
    (c)素材の生産のために特定の構成要素を持つ素材の反復利用が必要となる品種の場合には、その構成要素の引用
    (d)保有者、育成者及び関係する手続上の代理人の氏名及び住所
    (e)権利の消滅の理由とともに、共同体の植物品種保護の権利の始期と終期
    (f)申出により、実施権者の氏名及び住所を含め、契約上の独占的実施権又は強制実施権​
    (g)申出により、24条に定める差押え
    (h)原種の保有者及び原種に本質的に由来する品種の育成者がともに申し出る場合には、品種の名称及び関係する当事者の氏名を含め、原種と本質的に由来する品種とを区別するための品種の識別に関する事項。関係する当事者の一方からの申出は、99条に定める他方当事者の異議無き承諾を得ている場合又は本規則の規定に従い下された原種と本質的に由来する品種とを区別するための関係する品種の識別に関する事項を含む最終の決定又は最終の裁判を得ている場合に限り、認められる。

  3. 他の事項又は両登録簿に記載するための条件は、114条に従い定める施行細則において定める。

  4. 植物品種保護庁は、必要に応じて、職権により、かつ、保有者に諮問した後、関係する分類群の品種明細書の基準となる現在の原則に照らし、品種明細書が関係する分類群の他の品種明細書と比較できるよう、特性の数及び型又は特性の特定の表現に関する公式の品種明細書を改変することができる。

 

88条(公衆の閲覧)

  1. 87条に定める登録簿は、公衆の閲覧に供する。

  2. 正当な利益が認められる場合には、以下の事項は、114条に従い定める施行細則に定められた条件に従い、公衆の縦覧に供する。
    (a)共同体の植物品種保護の権利の付与の出願に関する書類
    (b)既に付与された共同体の植物品種保護の権利に関する書類
    (c)技術的審査のための品種の栽培
    (d)存続を検証するための品種の栽培

  3. 素材の生産のために特定の構成要素を持つ素材の反復利用が必要となる品種の場合には、共同体の植物品種保護の権利の出願人の申出により、耕作を含め、構成要素に関するすべての情報は、縦覧の対象としない。この縦覧の対象外とするための申出は、共同体の植物品種保護の権利の付与のための出願に関する決定が下された後は行うことができない。

  4. 55条4項、56条及び64条における審査に関連して提出又は取得された素材は、資格のある者が同意し又は審査のための本規則に基づく協力に関連して若しくは法の規定により移転が必要とされない限り、本規則において管轄権を有する機関により他の当事者に与えられてはならない。

 

89条(定期刊行物)

植物品種保護庁は、少なくとも2ヶ月に一度、87条1項並びに2項(a)、(d)、(e)、(f)、(g)及び(h)に基づき登録簿に記載され、かつ、未だ公開されていない情報を含む刊行物を発行する。植物品種保護庁は、役立つと考える情報、少なくとも有効な共同体の植物品種保護の権利、その保有者、権利付与の日及び終期並びに承認された品種の名称の一覧を含む、年次報告書を発行する。これらの刊行物の詳細は、運営評議会が定める。

 

90条(情報及び刊行物の交換)

  1. 植物品種保護庁及び加盟国の管轄権を有する品種庁は、申出により、技術的審査の結果の送付のために定められた条件に不利益を及ぼさない範囲で、互いに無償で各機関における自己使用のために出願された又は付与された財産権に関するそれぞれの刊行物の一部又は数部の写し及びすべての有益な情報を送付する。

  2. 83条3項に定める情報は、以下の場合を除き、除外される。

    (a)55条及び64条に従い審査を行うために情報が必要な場合
    ​(b)共同体の植物品種保護の権利の出願人又は保有者が同意している場合

 

91条(行政及び司法上の協力)

  1. 本規則又は国内法に別の定めがない限り、植物品種保護庁、55条1項で定める審査局並びに加盟国の裁判所及び管轄当局は、申出により、品種及び調査のためのサンプル又は栽培物に関して、情報を交換又は資料を閲覧可能にすることにより互いに補助する。植物品種保護庁及び審査局が、裁判所又は検察機関により調査されている資料、サンプル又は栽培物を提示する場合には、調査は88条に定める制限の影響を受けず、また、審査局による調査は同条に基づく植物品種保護庁の決定の影響を受けない。

  2. 植物品種保護庁からの調査依頼書を受け取った場合には、加盟国の裁判所又は他の管轄当局は、植物品種保護庁に代わって、その権限の範囲において、必要な調査を実施し又は他の関係する措置を講じる。

 

第5部

他の法律への影響

92条(重複的な保護の禁止)

  1. 共同体の植物品種保護の権利の対象である品種は、国内の植物品種保護の権利又は特許の対象とはならない。第1文に反して付与された権利は無効とする。

  2. 共同体の植物品種保護の権利の付与の前に同一品種について1項に定める他の権利が付与されていた場合には、保有者は、当該保護により与えられる権利を共同体の植物品種保護の権利が効力を有する間は主張することはできない。

 

93条(国内法の適用)

共同体の植物品種保護の権利に基づく請求は、本規則に明示的に定められる場合に限り、加盟国の法律により課せられた制限に服する。

 

第6部

民事法上の請求、侵害、管轄

 

94条(侵害)

  1. 保有者は、以下に該当する者に対し、侵害の差止め若しくは合理的な損害賠償の支払い又はその両方を申し立てることができる。
    (a)共同体の植物品種保護の権利が付与された品種に関し、権限なく、13条2項に定める行為を行う者。
    (b)17条1項に定める品種の名称の正確な使用を怠り又は17条2項に定める関連情報を省略する者。
    (c)18条3項に反して、共同体の植物品種保護の権利が付与された品種の名称又はこれと混同を生じさせるおそれのある名称を用いる者。

  2. 加えて、故意又は過失により行為する者は、問題となる行為から生じる損害を保有者に賠償する責任を負う。軽微な過失の場合には、侵害者が得た利益より少なくならない範囲において、過失の程度に応じて賠償額を減額することができる。

 

95条(共同体の植物品種保護の権利の付与前の行為)

保有者は、共同体の植物品種保護の権利の出願の公表から付与までの間において付与の後には禁じられる行為を行った者に対し、合理的な賠償を請求することができる。

 

96条(時効)

94条及び95条に定める請求は、共同体の植物品種保護の権利が終局的に付与され、かつ、保有者が行為及び侵害者を知った時から3年を経過した後、又はそれらについて知らなかった場合には行為の終了から30年を経過した後は行うことができない。

 

97条(侵害に関する国内法の補完適用)

  1. 94条に基づき責任を負う当事者がその侵害により保有者又は実施権者の損失において利益を得た場合には、101条又は102条に従い管轄権を有する裁判所は、国際私法を含め、賠償に関する国内法を適用する。

  2. 1項は、共同体の植物品種保護の権利の付与の出願の公表からその出願の譲渡(disposal of request)の間における作為又は不作為に関して95条に基づき生じる他の請求に対しても適用される。

  3. その他のすべての点に関して、共同体の植物品種保護の権利の効力は、本規則のみに従い決定される。

 

98条(共同体の植物品種保護の権利の資格に関する請求)

  1. 11条において共同体の植物品種保護の権利を得る資格のない者に対しその権利が付与された場合には、その権利を得る資格を有する者は、加盟国の法律により同人に与えられる他の救済にかかわらず、共同体の植物品種保護の権利を同人に移転させるよう請求することができる。

  2. 共同体の植物品種保護の権利の一部に関し権利を得る資格を有する者は、1項に従い、共同保有者とされるよう請求することができる。

  3. 1項及び2項に基づく請求は、共同体の植物品種保護の権利の付与の公表から5年間に限り行うことができる。この規定は、(登録簿上の)保有者が権利を付与されたとき又は権利を取得したときに権利を得る資格を有しない又は権利を得る資格が同人に単独に帰属していないことを知っていた場合には適用されない。

  4. 資格を有する者は、資格を有しない又は単独では有しない者が申し出た共同体の植物品種保護の権利の付与の出願に関して、1項及び2項の準用により、請求をすることができる。

 

99条(品種の識別の取得)

原種の保有者及び原種に本質的に由来する品種の育成者は、原種及び本質的に由来する品種を区別するために関係する品種の識別について、承認書を得る権利を有する。

 

100条(共同体の植物品種保護の権利の保有権の変更の結果)

  1. 98条1項に基づく請求により101条又は102条に従い下された最終の裁判の結果として共同体の植物品種保護の権利の保有権の完全な変更があった場合には、実施権又はその他の権利は、資格のある者が共同体の植物品種保護の権利の登録簿に登録することにより消滅する。

  2. 保有者又は実施権者が101条又は102条に基づく手続の開始前に13条2項に定めるいずれかの行為を行った場合又はそのための効果的かつ真摯な準備をしていた場合に、共同体の植物品種保護の権利の登録簿に登録された新たな保有者に対し非独占の実施権を申し出る場合には、その行為を継続することができる。この申出は、施行細則に定める期限内に行わなければならない。当事者間における合意を欠く場合には、植物品種保護庁は、実施権を付与することができる。29条3項ないし7項を準用する。

  3. 保有者又は実施権者が行為又は準備を開始した時に悪意であった場合には、2項は適用しない。

101条(民事法上の請求に関する法的措置の管轄と手続)

  1. ルガノ条約並びに本条及び本規則の102条ないし106条の補足的な規定は、94条ないし100条に定める請求に関する措置に関する手続に適用される。

  2. 1項に定める種類の手続は、以下の裁判所に提起される。

    (a)被申立人が居住し若しくは拠点の所在地を有し又はこれらのいずれもがない場合には事業の設立地を有する加盟国又はルガノ条約の締約国。

    (b)加盟国又はルガノ条約の締約国のいずれについてもこの条件を満たさない場合には、申立人が居住し若しくは拠点の所在地を有し又はこれらのいずれもがない場合には事業の設立地を有する加盟国。

    ​(c)加盟国のいずれについてもこの条件を満たさない場合には、植物品種保護庁の所在地の存する加盟国。
    管轄権を有する裁判所は、加盟国のいずれかにおいて行われたと主張される侵害に関して、管轄権を有する。

  3. 侵害に対する請求に関する手続は、損害の結果発生地を管轄する裁判所に提起することもできる。この場合には、裁判所は、裁判所が属する加盟国の域内で行われたと主張される侵害に関してのみ管轄権を有する。

  4. 法的手続と管轄裁判所は、2項又は3項に従い決定される国の法による。

 

102条(補完規定)

  1. 本規則の98条に従い資格を請求する措置は、ルガノ条約5条3項及び4項の規定に該当するとはみなされはない。

  2. 本規則101条にかかわらず、ルガノ条約5条1項、17条及び18条は適用される。

  3. 本規則101条及び102条の適用において、当事者の居住地又は拠点の所在地は、ルガノ条約52条及び53条に従い決定される。

 

103条(適用される手続規則)

104条又は105条にかかわらず、101条及び102条に従い国内裁判所に管轄権が存する場合には、当該国において対応する国内財産権に関する同種の措置に適用される手続規則が適用される。

 

104条(侵害に対する行為を提起する資格)

  1. 保有者は、侵害に対する(法的)措置をとることができる。実施権者は、独占的実施権の場合には保有者との合意により又は29条若しくは100条2項に従い植物品種保護庁により明示的に排除されていない限り、侵害に対する措置をとることができる。

  2. 実施権者は、自ら被った損害の賠償を得る目的で、保有者が提起した侵害に対する措置に参加することができる。

 

105条(国内裁判所又はその他の機関の義務)

共同体の植物品種保護の権利に関する措置を審理する国内裁判所又はその他の機関は、共同体の植物品種保護の権利を有効なものとして扱う。

 

106条(手続の停止)

  1. 法的措置が98条4項に定める請求に関係し、かつ、決定が6条に基づく品種の保護の是非にかかっている場合には、植物品種保護庁が共同体の植物品種保護の権利の出願に対して決定するまでは、決定を下してはならない。

  2. 法的措置が付与された共同体の植物品種保護の権利に関係し、かつ、この権利に関して20条又は21条に基づき無効又は取消を求める手続が開始されている場合には、決定が共同体の植物品種保護の権利の有効性にかかっている限り、手続を停止することができる。

 

107条(共同体の植物品種保護の権利の侵害に対するペナルティ)

加盟国は、共同体の植物品種保護の権利の侵害を罰するために、対応する国内の権利の侵害の問題に適用されるのと同様の規定を適用するためのすべての適切な措置を講じる。

 

第7部

予算、財務管理、共同体の施行細則

 

108条(予算)

  1. 植物品種保護庁のすべての収入及び支出の予算案は、会計年ごとに準備され、また、植物品種保護庁の予算に示される。各会計年度は、暦年に対応する。

  2. 予算に示される収入と支出は、均衡する。

  3. 収入は、他の種類の収入を排除するものではないが、113条に定める手数料規則に基づき83条に従い支払われるべき手数料の総額及び必要な範囲における欧州共同体の一般予算からの補助金により構成される。

  4. 支出は、他の種類の支出を排除するものではないが、植物品種保護庁の固定費及び審査局に支払われる総額を含む植物品種保護庁の通常の機能から発生する費用により構成される。

 

109条(予算の準備)

  1. 長官は、翌年の植物品種保護庁の収入と支出の予算案を策定し、毎年3月31日までに役職の一覧とともに、 同案に108条3項に定める補助金を計上する場合には説明文書を先行させて、運営評議会に提出する。

  2. 予算案に108条3項に定める補助金を計上する場合には、運営評議会は、直ちに役職の一覧及び説明文書とともに欧州委員会に予算案を回付する。運営評議会は、自らの意見を付することができる。欧州委員会は、それらを共同体の予算担当機関に回付する。欧州委員会は、予算案の見直しとともに意見を付することができる。

  3. 運営評議会は、植物品種保護庁の役職の一覧を含む予算を採択する。予算案が108条3項に定める補助金を含む場合には、予算は、必要に応じて欧州共同体の一般予算の割当に応じて調整される。

 

110条(予算の執行)

長官は、植物品種保護庁の予算を執行する。

 

111条(監査)

  1. 植物品種保護庁は、関係する国際基準に従い行われる内部的監査のための機能をその内部に設置する。長官が任命する内部監査人は、植物品種保護庁の予算執行制度及び手続の適正な運営の確認について、長官に対して責任を負う。

    内部監査人は、管理監督制度の質について独立の意見を提出し又は運営の執行の状況の改善及び安定した財政管理の促進のための勧告を行うことにより、リスクの取扱いについて長官に助言する。

    ​内部監査人が職務を実施するのに適切な内部監査制度及び手続を備える責任は、その権限を有する職員に帰する。​

  2. 植物品種保護庁の長官は、各年の3月31日までに、 欧州委員会、運営評議会及び欧州会計監査院に前年の植物品種保護庁の総収入及び総支出の会計を提出する。欧州会計監査院は、欧州共同体の一般予算に適用される関係規定に従い、会計を監査する。

  3. 運営評議会は、予算の執行に関し、植物品種保護庁の長官に承認を与える。

 

112条(会計規定)

運営評議会は、欧州会計監査院に諮問した後、特に植物品種保護庁の予算の設定及び執行の手続を特定する内部的な会計規定を採択する。会計規定は、可能な限り、欧州共同体の一般予算に適用される会計規則の規定に対応していなければならず、植物品種保護庁の個別の業務における特定の条件が要求する場合に限り、その規定と相違させることができる。

 

113条(手数料規則)

  1. 手数料規則は、特に83条1項に定める手数料が支払われるべき事項、手数料の額及び支払方法を定める。

  2. 手数料は、少なくとも以下の事項に関して課される。

    ​(a)共同体の植物品種保護の権利の付与の出願の処理。この手数料は、以下の事項をまかなうものとする。

      - 形式審査(53条)

      - 実体審査(54条)

      - 品種の名称の審査(63条)

      - 決定(61、62条)

      - 関係する公表(89条)

    (b)技術的審査の計画と実施

    (c)決定を含む不服申立の処理

    (d)共同体の植物品種保護の権利の存続期間における各年

  3.  (a) (b)及び(c)に定める場合のほか、手数料の額は、原則としてその収入が植物品種保護庁の予算の収支が見合うよう十分となる水準に設定される。
    (b) 但し、108条3項に定める補助金は、118条2項に定める日から4年後の年の12月31日に終了する移行期間における植物品種保護庁の当初の運営段階に関係する支出を含めることができる。115条に定める手続に従い、この期間は、必要に応じて、1年を超えない範囲で延長することができる。
    (c)加えて、上記の移行期間に限り、108条3項に定める補助金は、出願の処理、技術的審査の計画及び実施並びに不服申立の処理以外の一定の行為に関する植物品種保護庁の費用を含めることができる。これらの行為は、本規則の採択後1年以内に、114条に従い定める施行細則において特定する。

  4. 手数料規則は、その案について運営評議会に諮問した後、115条に定める手続に従い採択する。

 

114条(その他の施行細則)

  1. 本規則の適用のため、詳細な施行細則を定める。施行細則は、特に以下の規定を含む。
    - 植物品種保護庁、審査局並びに30条4項、55条1項及び2項に定める国内担当機関又は付属庁の関係を定める規定
    - 36条1項及び42条2項に定める事項に関する規定
    - 不服審判委員会の手続に関する規定

  2. 112条及び113条に定めるほか、本規則に定めるすべての施行細則は、その案について運営評議会に諮問した後、115条に定める手続に従い採択する。

 

115条(手続)

  1. 欧州委員会は、委員会によって補助される。

  2. 本条が参照される場合には、決定1999/468号5条及び7条を適用する。

    決定1999/468号5条6項の定める期間は3か月とする。​

  3. 委員会は、その手続の規則を採択する。

 

第8部

移行及び最終規定

 

116条(例外)

  1. 10条1項(a)にかかわらず、また、10条2項及び3項の規定の適用を排除するものではなく、品種構成要素又はその収穫物が育成者により又はその同意を得て品種の利用の目的により本規則の施行の4年前より前に、樹木又はぶどうの場合は6年前より前に、共同体の域内において他者に販売され又はその他譲渡されていない場合についても、出願の日が本規則施行の日から1年以内である場合には、品種は新規であるとみなされる。

  2. 1項の規定は、一つ又は複数の加盟国において本規則の施行前に国内の植物品種保護の権利が与えられている場合にも、その品種に対して適用される。

  3. 55条及び56条にかかわらず、これらの品種の技術的審査は、その手続を行った管轄当局の同意を得て、国内の植物品種保護の権利の付与のための手続に基づき認定された入手可能な事実に基づいて実施する。

  4. 1項又は2項に従い付与された共同体の植物品種保護の権利の場合には、
    - 13条5項は、本規則の施行の日より前に共同体においてその存在が公知の事項である場合には、本質的に由来する品種に関して適用されない。
    - 14条3項第4段落は、本規則の施行前にすでに14条1項に定める目的のためにその品種を使用していた場合には、14条1項の権限に従い確立した品種を継続して使用する農業者に対して適用されない。この規定は、本規則の施行の年から7年目の年の6月30日まで適用される。その日まで、欧州委員会は、各品種を個別に扱って、確立した品種の状況に関する報告を提出する。この期間は、欧州委員会の報告により正当化される限り、114条に従い定める施行細則において延長することができる。
    - 国内の保護により与えられる権利にかかわらず、16条の規定は、本規則の施行の日より前に育成者により又はその同意を得て他者に譲渡された素材に関する行為で、かつ、同日より前にすでにその行為を行い又はそのための効果的かつ真正の準備をしていた者の行為に準用する。
    そのような以前の行為が16条(a)の意味において意図されるさらなる繁殖に関係していた場合には、本規則の施行の日から2年を経過した後は、ぶどう及び樹木の種の品種の場合には4年を経過した後は、さらなる繁殖について保有者の承諾が必要とされる。
    - 19条にかかわらず、共同体の植物品種の保護の権利の存続期間は、5年を超えない範囲で最長で以下の期間短縮される。
    - 1項の場合には、共同体の植物品種保護の権利の付与の手続において認定された事実に基づき共同体の域内において育成者により又は育成者の同意を得て品種の利用のために品種構成要素又はその収穫物が他者に販売又はその他譲渡されていた間。
    - 2項の場合には、国内の植物品種保護の権利が効力を有していた間。

 

117条(移行規定/経過措置)

植物品種保護庁は、1995年4月27日から本規則に従い負担する職務を全うするために適切な時期に設置される。

 

118条(施行)

  1. 本規則は、欧州共同体のOfficial Journalに掲載された日に施行する。

  2. 1条、2条、3条及び5条ないし29条並びに49条ないし106条は、1995年4月27日から適用する。

 

本規則は、すべての加盟国において、完全にかつ直接に拘束力を有する。

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