Plant Variety Protection Act Study Group
種苗法研究会
UPOV条約における育成者権の無効についての注釈
UPOV/EXN/NUL/1
DATE: October 22, 2009
前文
1.本注釈は、UPOV条約における育成者権の無効についてのガイダンスを提供することを目的としている。条約締結国の義務は、UPOV条約の条文中に定められているものに限られ、注釈については、これに関係する締結国の関連法令と不一致のないように解釈されなければならない。
2.セクションⅡは、1991年UPOV条約第21条及び1978年UPOV条約第10条(1)及び(4)が定める育成者権の無効に関する特定の解釈について述べるものである。
セクションⅠ:関連条文
3.1991年条約第21条及び1978年UPOV条約第10条(1)及び(4)に定める育成者権の無効についての内容は以下のとおりである。
4.育成者権が無効であると宣言された場合には、それはそもそも無効であり、はじめから付与されるべきではなかったものである。他方、育成者権の取消とは、取り消された育成者権も、取消の日までは有効であり、特にその付与の時において有効である(「育成者権の取消についての注釈」を参照)。
5.「shall」が使用されていることから、権限ある当局は、1991年UPOV条約第21条(1)ないし1978年UPOV条約第10条(1)が定める事由に該当する場合には、その育成者権を無効と宣言しなければならない。
1991年UPOV条約 第21条
(1)[無効の理由]締約国は,次のことが判明した場合は,その与えた育成者権を無効であると宣言する。
(i) 第6条又は第7条に定める条件が育成者権の付与の際に満たされていなかったこと
(ii) 主として育成者から提出された情報及び書類に基づいて育成者権の付与がされた場合において,第8条又は第9条に定める条件が当該権利の付与の際に満たされていなかったこと
(iii) 育成者権がこれを有すべきでない者に与えられていること。ただし,当該育成者権がこれを有すべき者に移転される場合は,この限りでない。
(2)[他の理由の排除]育成者権は,(1)の理由以外の理由で無効であると宣言されることはない。
1978年UPOV条約 第10条(1)及び(4)
(略)