アメリカ合衆国植物品種保護法​

第Ⅰ編 植物品種保護庁

 

第1章 組織及び出版 

 

第1条 設立

 

農務省において,植物品種保護庁を設立し,同庁は,本法に定められる職務を有するものとする(7 U.S.C.2321.)。

 

第2条 印章

 

植物品種保護庁は,書類及び品種保護の権利証が,真正に成立したことを示す印章を有するものとする(7 U.S.C.2322.)。

 

第3条 組織  

 

植物品種保護庁の組織は,ここに規定されたものを除き,農務省長官(以下,長官という。)によって定められる。同庁は,実質的にこの法律の執行のみに専念するものとする(7 U.S.C.2323.)。

 

第4条 植物品種保護における利益に関する職員に対する規制

 

植物品種保護庁の職員は,植物品種保護庁の職員である間は,植物品種保護の出願をし,また,相続や遺贈の場合を除き,同庁におけるいかなる事項についてのいかなる権利又は利益についても直接又は間接的に得る資格を有しない。本条は,植物品種保護庁の職員ではない植物品種保護委員会の委員には適用されないものとする(7 U.S.C.2324.)。

 

第5条 削除(7 U.S.C.2325.)

 

第6条 規則

 

長官は,法に抵触しない限りにおいて,植物品種保護委員会の諮問を経て,植物品種保護庁における手続を行うための規則を制定することができる(7 U.S.C.2326.)。

 

第7条 植物品種保護委員会

 

(a) 任命-長官は,植物品種保護委員会(の委員)を任命するものとする。同委員会は,本法が対象としている品種の開発にかかる様々な分野における専門家である個人によって構成されるものとする。同委員会の委員は,農園主の代表を含むものとし,民間又は種子産業の部門と,政府又は公的部門から,ほぼ同数が選出されるものとする。長官又は長官から任命された者は,同委員会の議長になるものとし,可否同数の場合を除き議決権を有しない。

(b) 委員会の職務-植物品種保護委員会の職務は,以下のものを含むものとする。

(1) 本法の適切な執行を促進するための施行規則の採用に関し,長官に助言すること;

(2) 審査官からの全ての要請について,勧告決定を行うこと。同委員会は,委員会全体で活動するか又は同委員会が選定した合議体で活動するかどうかを決定し,また,合議体によってなされた勧告決定を再審査するかどうかを決定する。かかる要請に対応するため,委員会は,当該要請に関する分野における専門家を,臨時委員として選任することができる。

(3) 44条の手続におけるあらゆる諮問に対し,長官に助言すること

(c) 委員会の報酬-植物品種保護委員会の委員は,通常政府が支払うことのできる費用を除いて,報酬を受けることはないものとする(7 U.S.C.2327.)。

 

第8条 図書館

 

 長官は,審査官が職責を果たすのに役立てるため,植物品種保護庁の中に,外国又は国内の,科学又は他の分野の著作物あるいは定期刊行物の図書館を設けるものとする(7 U.S.C.2328.)。

 

第9条 保護品種の登録

 

 長官は,合衆国の保護植物品種の品種登録簿を保管するものとする(7 U.S.C.2329.)。

 

第10条 出版物

 

(a) 長官は,長官が適切であると決定する様式で,下記事項について出版物を発行し,又は発行させることができる。

(1) 図面や写真を含む保護植物品種の説明

(2) 年間の索引を含む植物品種保護庁の官報

(3) 植物品種保護法及び施行規則についての小冊子及び植物品種保護庁の業務に関連する案内や他の出版物

(b) 長官は,(1)植物品種保護の記録や資料を検索するために,公共施設を設立し,(2) 技術革新を奨励し,植物の栽培の発展を促進するために,必要に応じ,情報サービスを通じて,植物品種保護庁に利用可能であるか又は同庁内に存する技術的又はその他の公の情報の一部を,公衆に周知させることができる。

(c) 長官は,特定の出版物のいかなる部分も,植物品種保護庁の利用のために望ましい出版物へと置き換えることができる。長官は,合衆国の保護品種の記載事項,図面及び写真の写しを,外国の出願及び保護品種の記載事項,図面及び写真の写しに差し替えることができる(7 U.S.C.2330.)。

 

第11条 公共図書館のための複写

 

 長官は,保護品種の記載事項,図面及び写真の印刷された写しを,合衆国における公共図書館に提供することができ,図書館は,公衆の利用に供するためにその写しを保持するものとする(7 U.S.C.2331.)。

 

第2章 植物品種保護庁についての規定 

 

第21条 申立ての日が土日祝日に該当するとき

 

 植物品種保護庁における申立てや料金の支払いの日ないしその最終日が,土日,コロンビア特別区における休日又は植物品種保護庁が休館のため書類を受領できないその他の日に該当する場合には,その次の業務日において,当該行為をなし,また,料金を支払うことができる(7 U.S.C.2351.)。

 

第22条 提出される書類の様式 

 

 長官は,規則によって,植物品種保護庁において提出されるべき書類の様式を定めることができる(7 U.S.C.2352.)。

 

第23条 植物品種保護庁の事件における証言

 

 長官は,植物品種保護庁における事件で必要とされる宣誓供述書,証言録取書及び他の証拠を得るための規則を定めることができる。合衆国の裁判所において又はその公務員が居住する州の裁判所において利用されるための証言録取書をとる権限を法律により与えられた公務員は,かかる宣誓供述書や証言録取書をとり,宣誓下で証言させることができる。長官の権限によって聴聞官としての役割が与えられる者も,かかる権限を有する(7 U.S.C.2353.)。

 

第24条 召喚状,証言

 

(a) 植物品種保護庁における係争事件において利用するため,長官によって定められた規則に従い証言が取られるべき地域を管轄する合衆国裁判所の書記官は,いずれかの当事者の申立てによって,当該地域又は当該地域における定められた場所から100マイル内に居住し又は所在する証人に対し,召喚令状において明示された時間と場所において,出頭し,当該地域において証言録取書及び宣誓供述書をとる権限を与えられた公務員の前で証言することをその証人に対し命ずる召喚状を発行するものとする。証人の出頭や主張書面や証拠物の裁判所への提出に関する連邦民事訴訟規則(the Federal Rules of Civil Procedure)の規定は,植物品種保護庁における係争事件にも,長官によって定められた規則に抵触しない限りにおいて,適用されるものとする。

(b) 召喚され又は証言する全ての証人は,合衆国地方裁判所に出席する証人に認められる報酬及び旅費が支払われる。

(c) 担当書記官が召喚状を発行した裁判官は,証人が,召喚状を送達されたにもかかわらず,出頭や証言を懈怠し、又は拒否したという証拠に基づき,他の類似の事件と同様,当該手続に従わせ又は不遵守に対し罰することができる。いかなる証人も,日当及び審理の場所に1日参加するための往復の旅費が,召喚状の送達時において,当該証人に支払われ又は提供されなければ,かかる召喚状の不遵守で法廷侮辱罪に問われることはない;召喚状が発行された裁判所又は長官の適切な命令に基づく場合を除いて,秘密事項の開示を拒否した場合にも,同様に罰せられない。(7 U.S.C.2354.)

 

第25条 瑕疵ある文書作成の効果

 

 植物品種保護庁に提出され,法又は施行規則によって定められた様式に従って作成されるべきことが必要とされているいかなる書類も,瑕疵のある作成であるにもかかわらず,長官によって暫定的に受領されることができる。ただし,定められた期間内に適切に作成された書類が提出されることを条件とする。(7 U.S.C.2355.)

 

第26条 植物品種保護庁の手続における施行規則

 

 長官は,植物品種保護庁において,出願人又は他の当事者を代理する者の代理資格や行為規範について規律する規則を定めるものとする。長官は,不適格又はいかがわしいこと,あるいは重大な違反行為の罪を犯したことが明らかになったいかなる人物についても,告知と聴聞の機会を与えた後に,植物品種保護庁における以後の手続から,一般的にあるいは特定の事件において,活動を停止させ又は排除することができる。(7 U.S.C.2356.)

 

第27条 無許可の手続

 

 26条に基づき活動を停止され又は排除されている間に,又は,植物品種保護庁の手続に参加することが認められていないにもかかわらず,合衆国において,植物品種保護庁における手続に直接的又は間接的に関与した者は,受け取った全ての金員の返還と,同人の行為により被った損害の賠償を求める民事手続において,責任を負うとともに、当該行為を行うことを禁止されるものとする。しかしながら,その者が,その業務が有能かつ過失なく行われたことを立証した場合には,責任又は損害は発生しない。本条は,代理権が認められ責任のある人の監督の下に,独立して行為したとの主張を受けることなく行為する者には適用されない。自分を常時雇用している使用者を代理してのみ行動したことを証明する人物も,同様である。(7 U.S.C.2357.)

 

第3章 植物品種保護の費用 

 

第31条 植物品種保護の費用

 

(a) 一般-長官は,長官が定めることのできる施行規則に従って,本法に基づいて行われたサービスに対し合理的な料金を請求し,徴収するものとする。

(b) 遅延損害金-かかる料金の支払いが行われなかった場合,長官は,遅延損害金を課するものとする。かかる遅延損害金は,合衆国法典第31編3717条が定める利息を生じるものとする。

(c) 財源の自由裁量-回収された上記の料金,遅延損害金及び発生した利息は,経費勘定に組み入れられ,本法を執行するにあたり長官によって支出される経費を支払うために,財政年度の制限なくして,利用可能とする。かかる回収された財源(遅延損害金及び発生利息を含む。)は,長官により,保険を付され又は十分な担保を付されて,利息を生じさせる勘定に投資されるか,あるいは,長官の裁量で,財務省長官により, 合衆国国債に投資されることができる。

(d) 不払いに対する措置-司法長官は,本法に基づき課される支払いを義務づけられた者に対し,その者が発見され,居住し,取引を行っている管轄地域で管轄権を有するいかなる合衆国地方裁判所又は海外領土や属領における合衆国裁判所において,本法に従った支払いがなされていない賦課金を回復するための措置をとることができる。当該裁判所は,審理し措置を決定する管轄権を有する。

(e) 支出の承認-本法律の施行に必要な費用が支出されることは,承認されている。(7 U.S.C.2371.)

 

第32条 植物品種保護の費用の支払い;超過費用の返還

 

 全ての費用は長官に支払われるものとし,長官は,過誤によって支払われた金額又は必要な費用を超過して支払われた金額を還付することができる。(7 U.S.C.2372.)

 

 

第Ⅱ編 植物品種の保護と権利証

 

第4章 植物品種の保護 

 

第41条 定義と解釈基準

 

(a) 定義-本法では:

(1) 基本種子-「基本種子」とは,認証種子,または商業用の種子を生産するために植えられる種子をいう。

(2) 育成者(BREEDER)-「育成者」とは,ある品種の最終的な育成を指示する者,または品種を発見し栽培する者を指す。かかる行為を代理人が本人に代わって行う場合,代理人ではなく本人が育成者であるとみなされる。すでにその存在が公に知られ又は既知事項とされている品種を再栽培又は再発見する者は,これに含まれない。

(3) 本質的に由来する品種-

   (A) 一般-「本質的に由来する品種」とは以下の要件を満たす品種をいう。

(i) 主として他の品種(本項では以下「原品種」という。)に由来するもの,または主として原品種に由来する品種に主として由来するものであって,原品種の遺伝子型またはその組み合わせから生じる本質的な特徴の発現を保っており,

(ii) 原品種とは明確に区別され,

(iii) 由来する品種を得る行為の結果生じた差異を除いては,原品種の遺伝子型またはその組み合わせから生じる本質的な特徴の発現において一致しているもの。

(B) 方法- 本質的に由来する品種は,自然変異,誘発変異,ソマクローナル変異からの選択によるもの,原品種の変異個体の選択によるもの,戻し交配,遺伝子工学による形質変換によるもの,その他の方法によって獲得される。

(4) 類- 「類」とは,「大豆」「亜麻」「大根」のようにひとつの一般的な名称で単独で又は集合的に呼びあらわされる,一又は複数の関連性ある種もしくは亜種を指す。

(5) 種子- 「種子」とは,塊茎で繁殖する品種の場合は,繁殖に用いられる塊茎もしくはその一部を指す。

(6) 有性繁殖- 「有性繁殖」とは,種子による品種の生産のいかなるものも含むが,塊茎繁殖による品種の生産は含まない。

(7) 塊茎繁殖- 「塊茎繁殖」とは,塊茎またはその一部による繁殖を指す。

(8) 合衆国- 「合衆国」及び「この国」は,合衆国,合衆国の海外領土・属領並びにプエルトリコ自治連邦区を指す。

(9) 品種- 「品種」は,最下位として知られる単一の植物分類群内の植物群で,植物品種保護のための条件を十分満たしているか否かにかかわらず,ある遺伝子型あるいは遺伝子型の組み合わせに由来する特徴の発現によって定義することができ,ほかのどの植物群からも少なくとも一つの特徴の発現によって区別され,変わりなく繁殖されるという意味で当該分類が相当性を有することにおいて一つの単位であると見なされるものである。品種は種子,(根付きの)苗(plants),(挿し木用等の)苗(transplants),塊茎,組織培養体その他のものにより代表される。

(b) 解釈基準-本法の目的上,

(1) 繁殖を目的としない販売や譲渡- 品種の特徴を解明するための試験や実験の結果収穫されたもの又は品種繁殖の副生産物として収穫されたものの,繁殖を目的としない販売や譲渡は,その品種を営利利用するための販売や譲渡とはみなさない。

(2) 繁殖を目的とする販売や譲渡- 販売や譲渡がその品種の特徴の解明の目的のための試験や実験のプログラムの不可欠な一部として行われる場合,若しくは育成者又は育成者の利益の承継人を代理して品種を増殖する目的で行われる場合には,繁殖のための販売や譲渡であっても,その品種を営利利用するための販売や譲渡とはみなさない。

(3) 交配種の種子の販売や譲渡- 交配種の種子の販売や譲渡は,その種子が生産された品種の収穫物の販売や譲渡とみなされる。

(4) 品種の保護又は登録の出願の申立て- 品種登録のための公の機関における品種保護又は登録の出願は,それがいかなる国でなされたものであったとしても,その出願の結果品種登録のための公の機関において保護又は登録がもたらされた場合には,事案によりその出願日以降はその品種が周知の事項であるとみなされる。

(5) 区別性- ある品種と他の品種の区別は,一つあるいは複数の,形態学もしくは生理学もしくはその他の識別可能な特質(その特質は,たとえば小麦の場合において製粉や焼成したときに現れるような,加工や製品としての特質も含む。)に基づく。また,系統学も特質の区別において考慮される。

(6) 公に知られた品種

(A) 一般-刊行物に適切に記載され,合衆国において公知の技術知識の一部をなすと合理的に考えられる品種は公に知られかつ周知のものとみなされる。

(B) 記載-(A)の要件を満たすための記載は,ある品種を特徴づける主たる特質の開示を含むものとする。

(C) その他の方法-品種は,その他の手段によっても公に知られかつ周知となることがある。 (7 U.S.C. 2401.)

 

第42条 植物品種保護権;保護可能な植物の品種

 

(a) 一般-(菌やバクテリア以外の)有性繁殖または塊茎によって繁殖される品種の育成者でその品種をそのような方法により繁殖した育成者,又は育成者の利益の承継人は,その品種が以下の要件を満たす場合,本法の諸条件及び要求事項にしたがい,その品種に関して品種保護を受ける権利が与えられる。

(1) 新規であること−品種保護の出願日を基準として以下の時期において,その品種の繁殖し又は収穫された素材が,育成者もしくは育成者の承継人によって,又はその同意の下に,その品種を営利利用する目的で他人に販売もしくは譲渡されていないことを意味する。

(A) 合衆国においては出願日の1年より前,または

(B) 合衆国以外の場所においては

(i) 出願日の4年より前。ただし塊茎によって増殖する植物種の場合は,長官が,4年間の期限を1996年連邦農業改善法(the Federal Agriculture Improvement and Reform Act of 1996)の制定日から1年後まで伸長することがある。

(ii) 樹木やぶどうの場合,出願日の6年より前

(2) 区別性があること−出願時においてその品種が他の公知又は周知のいかなる品種とも明確に異なっていることを意味する。

(3) 均一であること−その品種がどのようなものであるかの記述が可能で,予測可能であり,商業用に適しているという意味で均一であることを意味する。

(4) 安定していること−繁殖時に,その品種の本質的で区別性ある特徴が,同様の育成方法が用いられた同じカテゴリーに属する品種と同等の合理的な確からしさをもって,変わらないまま維持されていることを意味する。

(b) 複数の出願人

(1) 一般-2以上の出願人が互いに明確に区別することのできない品種に関して,同日の有効な出願日に出願を行った場合で,しかも(a)のその他全ての要求事項を満たしている場合,本法の全ての要求を満たす最初の出願人にその品種保護の権利証が付与され,他の全ての出願人は除外される。

(2) 同日に要求事項を満たした場合

(A) 一般-(B)で規定された場合を除き,2以上の出願人が同日に保護のための全ての要求事項を満たした場合,それぞれの品種に権利証書が与えられる。

(B) 区別することのできない品種-出願された品種が互いにいかなる手法によっても区別できない場合,出願人らに1つの権利証が共有的に与えられる(7 U.S.C. 2402.)

 

第43条 相互主義による制限

 

本法の保護は規則により合衆国の国民のみを対象とするが,かかる制限が条約違反となる場合,及び外国において,同じ種・属(genus and species)に関して合衆国の国民に対し与えられているのと同程度の保護が当該外国を本籍国とする外国人に,合衆国内において与えられるべき場合を例外とする。(7 U.S.C. 2403.)

 

第44条 幅広い利用についての公共の利益

 

この国での適切な繊維,食品,飼料の供給を確保するために以下の宣言が必要であって,かつ,その品種の権利の保有者が合理的に適切であると考えられる価格でその品種を公共の必要に応じて供給する意思がなくまたはその能力がないと長官が判断した場合には,長官は,保有者への適正な補償により保護品種を自由に利用できるものと宣言することができ,補償は,合理的な使用料を下回らないものとする。かかる宣言は,制限付き又は制限なしで,補償額を指定し又は指定なくして,行われることがある。かかる宣言は,71条又は72条に従い再検討されなければならず(補償価格が妥当でないとする何らかの発見があった場合には再審査されうる。),2年を超えてその効力を維持することはない。かかる補償を得るために訴訟が必要な場合には,裁判所はより高い額を認めることができる。 (7 U.S.C. 2404.)

 

第5章 出願;出願書類,出願者の資格,遡及効,秘密保持 

 

第51条 品種保護権の登録の出願

 

(a) 品種保護権利証の出願は,保護を求める品種の保有者(owner)が行うことができる。出願は,長官に対し書面にて行い,出願人本人又は出願人の代理人が署名をし,定められた料金の支払いを伴うものとする。

(b)育成者の氏名の誤記は,欺罔の意図がない場合,いつでも長官によって定められた規則により,訂正することができる。(7 U.S.C. 2421.)

 

第52条 出願の内容

 

品種保護権利証の出願書類は,以下のものからなる。

(1) その品種の名前。ただし,権利証が発行されるまでの一時的な呼称でも十分である。品種は,長官が公布する規則に従って命名されるものとする。

(2) 区別性,均一性,安定性を明らかにする品種の記載及び判明している場合はその系統と育成手順の記載。長官は,かかる記載が十分でない又は合理的に可能な程度に完全ではない場合には適切な写真,図,植物標本などの提出,また,出願書類においてなされたオーナーシップ(ownership)や申立内容についての記録や証拠の提出を含む追完を求めることがある。出願人は権利証が発行されるまでの間,いつでも,改訂された記述が遡及的に正確であるということを長官に示すことによって,記述の追加や訂正を行うことができる。裁判所は,(かかる結果として)生じうるいかなる不正からも他の者を保護するものとする。長官は,育成者やこの国の公的な種子認証機関の記録を,それが適切である場合には,安定性の証拠として受け入れる。

(3) その品種が新規性を有すると出願人が主張する根拠についての供述書

(4) その品種の繁殖のための基本種子(繁殖のためのあらゆる素材を含む)の発芽成長可能なサンプルが,以下に定める規則に従って公共の保管所に保管され定期的に補充されることの宣言。

(5) 出願人のオーナーシップの根拠についての供述書 (7 U.S.C. 2422.)

 

第53条 共同育成者

 

(a) 複数の者が育成者である場合,そのうちの一人(又はその承継人)が,他の者の氏名を明記して,出願することができる。

(b) 長官は,長官が規定する通知の後,植物品種保護の権利証を,出願人と,後で出願に加わった他の育成者(又はその承継人)に交付する。 (7 U.S.C. 2423.)

 

第54条 育成者の死亡又は無能力

 

死亡した育成者や法的に無能力な育成者の法律上の代表者は,育成者又はその承継人に適用される要求事項にしたがいかつそれと同等の条件のもと,植物品種保護の出願を行うことができる。(7 U.S.C. 2424.)

 

第55条 優先出願の効果

(a)

(1) この国で行われた植物品種保護の出願は,それ以前に外国で品種保護登録出願がなされた同一の品種に関し同一の育成者によってなされたもので,当該外国において,合衆国で合衆国国民が出願したときに得られる権利と同等の権利が与えられる場合,同じ品種に関して外国で先立ってなされた当該出願が合衆国において同じ日付でなされた場合と同等の効力を持つ。ただし,それはこの国での出願が,外国での最も先の出願日(外国で出願が行われた当日は含まない)から12ヶ月以内に行われた場合であった場合に限る。

(2) 本条における優先権は,出願人が合衆国で行った出願や出願の訂正において,外国での出願を指定し,かつ,長官が特定する複写,翻訳もしくはその両方を提供しない限り,どの出願にも与えられない。

(3)

(A) 本条における優先権が与えられた出願人は,必要な情報もしくは資料又は出願審査上必要な素材を,次の期間補充することが許される。

(i) 優先期間の期間満了日より2年間,又は

(ii) 最初の出願が拒絶若しくは撤回された場合,拒絶若しくは撤回後,長官が定める適切な期間

(B) 優先期間内における事由 (他の出願や最初の出願の対象となった品種の利用など)は,出願の拒絶や第三者の権利の根拠とはならない。

(b) 植物品種保護の出願は,合衆国において同一人又はその代理人若しくはその前権利者によって過去に行われた出願の対象と同一品種につき行われた場合,当該品種に関してその出願は前の出願が行われた日に行われたものと同一の効力を有する。ただし,これは新たな出願が,最初の出願に対する権利証の発行前又はその他の出願手続の終了前,または最初の出願の日付によるものと同等の効果を与えられた出願手続の終了前であり,かつその(新たな出願の)内容が以前の出願に関して特定の言及をしあるいはかかる言及を含むよう修正されたものである場合に限る。

(c) 後になされた出願は,そこで新たに記述された特徴が先の出願時にその品種にあったという事実を当然に確立するものではない。(7 U.S.C. 2425.)

 

第56条 出願の秘密性

 

植物品種保護の出願とその内容に関しては,植物品種保護庁,委員会,農務省内の各部局によって,秘密が守られ,規則の下でアクセスが許可される。それに関するいかなる情報も,長官が定める特別な状況にあって必要性が認められる場合を除き,保有者の許諾なしには公開されることはない。ただし,長官は,出願に記された品種名を,各出願する品種の種類,出願人の氏名,その品種を認証種子のクラスとしてのみその品種名で販売されるべきことを明記しているか否かに言及して公開することがある。 (7 U.S.C. 2426.)

 

第57条 公開

 

長官は,保有者によって公開が要求された場合における手続中の出願に関する情報を公開するための規則を制定することができる。(7 U.S.C. 2427.)

 

 

第6章 審査,応答期間,最初の不服申立て

 

第61条 出願審査

 

長官は,出願の審査を行わせ,かかる審査の結果出願人に本法における植物品種保護を与えるべきと判断された場合,以下に定める植物品種保護の認可をする旨の通知を発行する。(7 U.S.C. 2441.)

 

第62条 拒絶通知;再審査

 

(a) 出願が拒絶された場合,または審査官によって異議や要求がなされた場合,長官は出願人にその旨を通知し,その理由を,出願手続の継続の妥当性を判断するために有用であると思われる情報や参考文献とともに知らせる。そのような通知を受領した後,出願人が再審査を要求する場合は,補正のあるなしにかかわらずその出願の再審査が行われる。

(b) 認証以外の通知が出願人になされた後,適切な措置を講じるため,出願人には少なくとも30日,長くとも180日,あるいは長官が拒絶文書に記述した期間又は長官が延長を認めた期間が与えられる。かかる延長がなされていない場合は,長官によって指定された追加料金を支払うことにより,3か月の間適切な措置を講じるための期間の猶予を与えられる。(7 U.S.C. 2442.)

 

第63条 最初の不服申立て

 

植物品種保護庁により植物品種保護の出願が拒絶された場合,出願人は長官に不服申立てを行うことができる。あらゆる不服申立てに関して,長官は判断を下す前に植物品種保護委員会に助言を求めるものとする。 (7 U.S.C. 2443.)

 

第7章 裁判所への不服申立てやその他の再審査 

 

第71条 不服申立て

 

44, 63, 91, 128条でなされた決定に対する不服申立ては,60日以内あるいは長官が定めたそれより長い期間,連邦上訴手続規則(the Federal Rules of Appellate Procedure)に基づいて行うことができる。合衆国連邦巡回区控訴裁判所がかかる不服申立ての管轄を有する。(7 U.S.C. 2461.)

 

第72条 長官に対する民事訴訟

 

本編63条あるいは91条の下での決定に不服のある出願人は,不服申立てに代わり合衆国連邦コロンビア特別区地方裁判所で長官に対する民事訴訟を行うという救済を得ることができる。そのような訴訟は決定から60日間,もしくは長官の定めたより長い期間に始めることができる。裁判所は,長官が植物品種保護を拒絶する決定を行った場合の再審査において,その出願人が出願書類に記された品種に関して品種保護の権利証を得る資格がある旨,あらわれた事実がそのように示すときには,本法の要件に準拠して決定することができる。(7 U.S.C. 2462.)

 

第73条 削除 (7 U.S.C. 2463.)

 

第8章 植物品種保護の権利証 

 

第81条 植物品種保護

 

(a) 植物品種保護の権利証が発行されるべきであると判断された場合,書面よる認可の通知が保有者に手渡され又は郵送される。通知には,発行手数料の料金が記され,それは1か月以内に支払われなければならない。

(b) 料金が指定期間内に支払われ,52条(3)(※原文のまま。2006年改正により現行法の52条(4)を示す。)にしたがって,種子の保管が行われた場合,植物品種保護の権利証が発行される。

(c) 本条で要求される支払いが期間内になされない場合であっても,長官によって指定された追加料金が支払期限から9か月以内,もしくは長官に定めるさらに長い期間内に支払われた場合には,受領されるものとする。 (7 U.S.C. 2481.)

 

第82条 発行の方法

 

植物品種保護の権利証は,合衆国の名において,植物品種保護庁の印章が押捺され,長官による署名がなされて発行され,植物品種保護庁により記録されるものとする。 (7 U.S.C. 2482.)

 

第83条 植物品種保護の内容と期間

 

(a)

(1) 植物品種保護の権利証は,育成者(もしくは育成者の承継人)が,植物品種保護の期間中,本法が定める範囲内で,他人に対し,その品種の販売,販売の申し出,再生産,輸出入,交配種や他の品種の生産(開発とは異なる)のための使用を行うことを禁ずる権利を有することを証明する。

(2) 保有者の選択により,権利証は以下のことを定めるものとする。

(A) その品種の種子は合衆国において認証種子のクラスとしてのみ販売されるべきこと

(B) かかる指定があった場合,保有者によって指定された世代数に一致させること。

(3) 保有者は本条に規定された,(本条(a)項の)(2)(A)によって保有者が選択する権利以外の権利を,放棄することができる。

(4) 長官は自らの裁量に基づき,かかる選択や放棄を認可後に行うことを許可し,それに従い権利証を修正するが,遡及効はないものとする。

(b) 期間 

(1) 一般- 本項(2)に規定される場合を除くほか,植物品種保護の期間は合衆国でなされた権利証の発行後20年までとする。ただし,以下を例外とする。

(A) 42条(a)(1)(B)(i)で認められている猶予が適用された塊茎で繁殖する品種の場合は, 植物品種保護の期間は,最初の合衆国外での品種に対する育成者の権利の認可の日から20年までとする。

(B) 樹木やぶどうの場合,植物品種保護期間は権利証の発行から25年までとする。

(2) 例外 有効な出願日から3年以内に権利証が発行されない場合は,長官は,出願手続の遅延が出願人に起因すると長官が考える期間分,保護期間を短縮することができる。

(c) 植物品種保護期間は,保有者が,登録時に有効な規定に従わなかった場合も失効することがある。その規定とは,公共の保管所への種子の補充またはその品種の変更した名前の提出要請に関するものである。ただし,101条(d)に基づいて記録された最終保有者に通知が郵送されたものの,その最終保有者がその後許された期間内(少なくとも3ヶ月間)に長官によって指定された追加料金を支払ったうえで前述の規定を遵守することができなかった,という場合でなければ,失効しない。 (7 U.S.C. 2483.)

 

第84条 植物品種保護庁の過誤の訂正

 

植物品種保護の権利証に植物品種保護庁の過失により生じた過誤のあることが庁の記録により明白に判明した場合,長官は,料金を課すことなしに修正された植物品種保護の権利証を発行し,当該過誤の事実とその内容を記すものとする。かかる植物品種保護の権利証は,最初から修正後のものが発行されていた場合と同一の法律上の効果と作用を有するものとする。(7 U.S.C. 2484.)

 

第85条 出願人の過誤の訂正

 

植物品種保護の権利証における過誤が,誤字脱字,些細なものもしくはその品種についての記載事項に関するものであって,それが植物品種保護庁による過誤ではないものの,かかる過誤が善意で行われたことが示されたとき,その修正が権利証の発行以前に行うことができたものであった場合には,長官は要求された料金の支払いをもって修正した権利証を発行する。かかる植物品種保護の権利証は,最初から修正後のものが発行されていた場合と同一の法律上の効果と作用を有するものとする。 (7 U.S.C. 2485.)

 

第86条 育成者の氏名の訂正

 

出願書類に育成者の氏名の誤りがあり,それが欺罔の意図で行われたわけでない場合には,品種保護を無効とするものではなく,長官によって定められた規則に従い長官がいつでも修正することができ,あるいはその件に関する疑義が提示された連邦裁判所の命令によって修正されることができる。かかる修正に応じて長官は権利証を発行する。かかる修正によって何人からもいかなる得べかりし権利も奪うことはない。 (7 U.S.C. 2486.)

 

第9章 発行後の再審査と異議申立ての手続 

 

第91条 発行後の再審査

 

(a) 植物品種保護の権利証の発行から5年間,何人も,品種保護の要件の充足性について何らかの影響があると思われる事実を書面で長官に通知することができ,長官は,当該通知に記載された観点からその植物品種の保護を再審査させることができる。

(b) 本条での植物品種保護の再審査と不服申立ては,もとの出願審査と同一の手続によってなされ同一の権利が与えられる。手続の放棄は,認可の維持に反する決定がなされることを条件として,その品種保護認可の取り消しをもたらし,それ以降に植物品種保護庁が配布する保護品種の記載事項の写しには,その旨が書き添えられる。

(c) (a)に従って手続を行う者が,証明の必要な事実について一見明白な証拠を提出した場合,長官は,長官が定める当事者間手続が再審査に含まれる旨を指示することができる。(7 U.S.C. 2501.)

 

第92条 削除 (7 U.S.C. 2502.)

 

第93条 削除 (7 U.S.C. 2503.)

 

第92条 抵触する植物品種保護

 

(a) 植物品種保護権の保有者は,民事訴訟により,同一品種についての他の登録保有者に対し救済措置を求めることができる。裁判所はそれぞれの権利証の有効性や権利証のオーナーシップについて判断することができる。

(b) そのような訴訟は,訴えの対象となる決定の時点で植物品種保護庁の記録に示されている利害関係人に対して提起されるが,他のいかなる利害関係人も訴訟当事者になることができる。相手方となる複数の当事者が同じ州に居住していない場合,または相手方の一人が外国に居住している場合は,合衆国連邦コロンビア特別区地方裁判所もしくは当該訴訟が移送された場合における移送先の合衆国地方裁判所がこれを管轄し,相手方に対し,相手方の居住するいずれかの地域の執行官への召喚状を発行する。外国に居住する相手方に発行する召喚状は公告その他裁判所の指示する方法により送達されることができる。長官は当事者にはならないが,訴訟に参加する権利を保有する。植物品種保護の出願人に勝訴判決がなされた場合,植物品種保護庁に提出された認証つき判決文に基づき,本法の要件に従って,品種保護登録証を発行する権限が,長官に与えられる。(7 U.S.C. 2504.)

 

第III編 品種保護と権利

 

第10章 オーナーシップ(Ownership)と譲渡 

 

第101条 オーナーシップと譲渡

 

(a) 本編の定めるところにより,植物品種保護は私有権(personal property)としての性質を有する。

(b) 植物品種保護の出願または品種に関するそのほかの利益は,書面により譲渡可能である。同様の方法により,保有者は,合衆国の全体又は特定の一部において,当該品種の利用をライセンスし,又は独占的利用権を許諾又は移転することができる。

(c) 合衆国内において,宣誓させる資格のある者,又は,外国において,合衆国の外交官または領事,合衆国の外交官または領事によってその権限が証明された宣誓を行わせる資格のある公務員のいずれかにより署名され,公印を付された承認証書は,植物品種保護もしくは植物品種保護の出願の譲渡,許諾,ライセンス,移転の行われたことの一見明白な証拠をなす。

(d) 譲渡,許諾,移転,ライセンスは,それらの事実,あるいはかかる負担を負う者がなす負担の承認が,植物品種保護庁の記録用に,譲渡等の日付から一ヶ月内,または少なくともそれに後れる有価約因を伴う転売もしくは抵当に入れた日付の一ヶ月前に提出されていない限り,いかなる転得者や抵当権者に対しても,通知無くして無効とする。 (7 U.S.C. 2531.)

 

第102条 試験中のオーナーシップ

 

保有者(owner)は,試験用に限定されたものであることの通知を伴って,試験用の種子その他の有性生殖用の素材もしくは塊茎で繁殖する植物の素材の占有を手放した場合,なおオーナーシップを保持する。かかる通知のあることを知っている者,又はそのような通知を知りうる者が,その素材を認められている試験以外の目的で流用すること,または認められない所持を行うことは禁止され,保有者のオーナーシップの侵害となる。標識が付せられた素材を受け取ったものはいかなる者もそのような通知を知りうる者である。保有者は,以下に定める民事訴訟によって救済と補償を受ける権利を有する。いかなる州法もしくは地域法による救済も除外されない。保有者が,同一の有性生殖用または塊茎植物の素材を販売するなど公に利用できる状態にしていた場合には,かかる通知をなすことはできず,あるいはなされても有効とはいえない。(7 U.S.C. 2532.)

 

第11章 植物品種保護の侵害 

 

第111条 植物品種保護の侵害

 

(a) 本編で述べられている場合を除き,植物品種保護権の失効以前であって,権利証の発行又は127条に基づく通知を付して植物品種保護植物の流通が行われた後に,合衆国内または連邦議会が規制する取引又はそのような取引に影響を及ぼす行為であって,以下に該当するものを許可なくして行うことは,保護品種の保有者の権利を侵害する。

(1) 保護品種の販売,上市,提供,販売目的での展示,配達,発送,委託,交換,販売の勧誘,またその他の権原や占有の譲渡。

(2) その品種の合衆国への輸入若しくは合衆国からの輸出。

(3) (栽培の目的での)市場化の一段階としてその品種の有性生殖,塊茎またはその一部による繁殖。

(4) 交配種や異なる品種を生産(開発とは区別される。)する目的で品種を利用すること。

(5) 許可なしの繁殖を禁ずる(“Unauthorized Propagation Prohibited“) もしくは許可なしの種子生産を禁ずる (“Unauthorized Seed Multiplication Prohibited”)と表示された種子またはそれから生じた産物を品種の繁殖目的で利用すること。

(6) 受領時には付されていた保護された品種であることがわかる通知を付することなく,繁殖可能な形でその品種を他者へ販売すること。

(7) その品種を繁殖目的に調整すること。ただし,113条で許可されている活動に関連する調整の場合にはこの限りでない。

(8) (1)から(7)に述べる目的で品種を保管すること。

(9) たとえその品種の繁殖が有性繁殖でないとしても前記行為のいずれかを行うこと。ただし,有効な合衆国植物特許に従っている場合を除く。

(10) 上述の行為を間接的に引き起こしたり,誘発したりすること。

(b)

(1) (2)に従い,保護品種の保有者は自らが定める条件と制約の下,本条に基づく品種の利用を許可することができる。

(2) 保護された品種の種子を生産するために,芝,芝土,飼料草の種子,またはアルファルファやクローバーの種子の保護品種の種子の生産者と権利の保有者との間で締結される契約では,生産者は,保有者によりその種子を販売し利用することを許可されているものとみなされるが,それは以下の条件をすべて満たす場合である。

(A) 生産者が契約の条件を遵守し,

(B) 保有者が種子の引き取りを拒否し,または契約に記された料金の支払いを契約書に明記された日から30日間以内に行うことを拒否し,および

(C) (B)に述べた期間が経過した後,生産者が,その種子を販売する旨の意思を保有者に通知し,その通知から30日以内に保有者が料金の支払いを怠りかつその種子を引き取らない場合。本号の目的のため,ここで「保有者」とは保有者によってライセンスを受けた者を含む。

(3) (2)は,本法(7 U.S.C. 2321 以下参照)に基づいて保護される品種に関して本条の施行日より前に結ばれた契約に適用され,さらに,1994年品種保護法修正案による修正が成された本法によって保護される品種にも適用される。

(4) 本項は,連邦法もしくは州法の下で生産者もしくは保有者が保障される他の権利や救済に影響を及ぼすものではない。

(c) 本条は以下のものにも適用される。

(1) 保護された品種から本質的に由来する品種。ただし保護品種自体が本質的に由来する品種である場合を除く。

(2) 保護された品種と明確に区別されない品種。

(3) 保護品種を繰り返し利用することなしには生産できない品種。

(4) 保護品種の繁殖用素材を無許可で使用して得られた収穫物(植物全体あるいは一部を含む。)。ただし,その品種の保有者が本法で定める繁殖用素材に関する権利を十分に行使する機会を持っていた場合を除く。

(d) 合衆国において保有者の同意のもと販売もしくは流通している保護品種のいかなる繁殖用素材ないし収穫された素材(植物全体あるいはその一部を含む)に関するいかなる行為も,保護品種の保有者の権利侵害にはならない。ただし,その行為がその品種の更なる繁殖に関係する場合や,その品種が属する植物種や植物属の保護を行わない国に向けた,当該品種の繁殖を可能とするその品種の素材の輸出に関係する場合(輸出した素材が最終消費用である場合はこの限りでない。)を除く。

(e) 個人利用で非商業目的の行為は保有者の権利を侵害しない。

(f) 本条で言う「許可のない行為」は,州や州の機関の行為,州や州の機関の公務員や被用者が公的な立場において活動する場合における行為であって,許可を得ていない場合も含むものとする。州,上記の機関,公務員,被用者は,非政府団体と同じ方法及び程度において,本法の各条文に従うものとする。 (7 U.S.C. 2541.)

 

第112条 祖父条項(Grandfather Clause.)

 

植物品種保護の有効な出願の日の1年より前に開発及び生産された品種について,その開発等を行った者あるいはその承継人が再生産もしくは販売を行う権利は,本法によって損なわれない(7 U.S.C. 2542.) 。

 

第113条 種子を保存する権利;収穫物の例外(Right To Save Seed; Crop Exemption.)

 

111条(3)(4)(※原文のまま。2006年改正により現行法の111条(a)(3)(4)を示す。)の定めるところの侵害となる場合を除き,種子を取得した者がその種子もしくはその子孫から生産した種子を,種子を生産する目的であることについてその品種の保有者の許可を得て保存し,そのように保存した種子をその者の農場における収穫物を生産する際に用い,あるいは本条に述べる販売のために用いることは権利の侵害とはならない。再生産目的以外の純粋な販売であって,種子の生産目的であることにつき保有者の許可のもと農場で得られた種子,もしくは種子の生産目的であることにつき保有者の許可のもとかかる農場で得られた種子からその農場で生産された種子について,再生産目的でないものとして通常用いられる販売ルートを用いた販売は,侵害とはならない。そのような販売ルートで得られた種子を種子生産目的に流用した者は,127条においてかかる購入者の行為は侵害となることを知っていたものとみなされる。 (7 U.S.C. 2543.)

 

第114条 調査の例外

 

品種の育種又はその他の純粋な調査目的での保護品種の利用や再生産は本法による保護の侵害を構成しない。 (7 U.S.C. 2544.)

 

第115条 仲介の例外

 

輸送者が,輸送者として通常の業務として行う移動や配達あるいは広告業者が通常の業務として行う広告は本法の定める保護の侵害とはならない。 (7 U.S.C. 2545.)

 

第12章 植物品種保護の侵害に対する救済その他の法的措置 

 

第121条 植物品種保護の侵害の救済

 

保有者は,111条に定める植物品種保護の侵害に対して,民事訴訟により救済を受ける。権利証に示された名前で品種が販売された場合,それは同一品種であることの一見明らかな証拠とされる。(7 U.S.C. 2561.)

 

第122条 有効性の推定;抗弁

 

(a) 植物品種保護の権利証は,権利が有効なものであることを推定する。植物品種保護の無効の証明は,その無効を主張する当事者の負担とする。

(b) 以下は侵害であるとして訴えられた訴訟における抗弁となり,主張される。 (1)侵害行為の不存在,侵害行為に対する責任の欠如,もしくは強制不可能。(2)保護要件として本編42条で定められた根拠に基づく当該植物品種保護の無効。(3) 52条の要件を満たさないことによる当該品種保護の無効。(4)被疑侵害行為が,主張された内容と利害の相反する現存の権利証の下で行われ,かつ侵害の通知以前になされたものであること。(5)本法によって抗弁とされるそのほかの事実。(7 U.S.C. 2562.)

 

第123条 差止命令

 

本編のもとで訴えの管轄権を有するとされる裁判所は,本法に基づくいかなる権利に対する侵害も防ぐため,衡平法上の原則に基づき,裁判所が適切であると認める条件で,差止命令を出すことができる。 (7 U.S.C. 2563.)

 

第124条 損害

 

(a) 侵害があったことが明らかとなった場合,裁判所はその侵害の補償に十分な損害賠償金の支払いを決定するが,いかなる場合も侵害者によるその品種の使用に対する合理的な使用料に裁判所が定める利子および諸経費を加えたものを下らないものとする。

(b) 陪審員により損害が決定されない場合,裁判所がそれを決定する。いずれの場合も裁判所は損害を算定された額の三倍まで増加させることができる。

(c) 裁判所は,損害額もしくは当該状況下での適切な使用料の額を決定するための補助手段として専門家の証言を受けることができる。

(d) 侵害があった品種の権利証の発行以前の侵害,もしくはそれ以前の栽培の結果生じた侵害については,侵害者がその意図が潔白であることを立証したと裁判所が認めた場合,損害賠償の認定に関して裁量を有する。(7 U.S.C. 2564.)

 

第125条 弁護士費用

 

特別な場合,裁判所は勝訴当事者への合理的な弁護士費用の支払いを敗訴当事者に命ずることができる。 (7 U.S.C. 2565.)

 

第126条 損害の時間的制限

 

(a) 侵害行為に関する訴えの提起もしくは反訴の提訴がされた時点から6年(もしくは保有者が知るところになって1年)より前のいかなる侵害も,回復はされない。

(b) 合衆国政府が無許可で保護品種の利用を行ったとする訴えは,そのような訴えを処理する権限を持つ政府の所轄部門又はその代理人が損害補償の書面による請求を受理してから,訴えの拒絶を知らしめる要求者宛の通知が郵送された日までの期間は,前項に述べた期間には算入しない。 (7 U.S.C. 2566.)

 

第127条 損害の限度,表示と通知

 

保有者は,「許可なしでの繁殖を禁ずる」(“Unauthorized Propagation Prohibited”または「許可なしでの種子の生産を禁ずる (“Unauthorized Seed Multiplication Prohibited”) ,さらに権利証の発行後はそれに加えて「合衆国保護品種」(“U.S. Protected Variety”)などの文章を含む表示を,品種の種子の容器に物理的に添付もしくは貼付することによって,もしくはその品種自体に固定することによって,公衆に知らしめることができる。その品種の流通が保有者の許可に基づいて行われ,侵害者がそのような表示なしで受けとった場合,侵害訴訟において,保有者は,かかる侵害者に対する賠償の支払いを得ることができない。ただし,侵害者において,繁殖が禁止されていること,もしくはその品種が保護されていることに関する現実の通知を受け,もしくは知識があった場合を除く。そのような場合は,損害はそのような通知のあった後の侵害に関してのみ保障される。法廷はそのような通知に先立つ善意の行為により得られた素材の譲渡にかかる損害と差し止めに関しては寛容な判断をなすことができるものとする。(7 U.S.C. 2567.)

 

第128条 虚偽の表示;停止命令

 

(a) 以下の行為は,有性生殖によって増殖する植物の素材もしくは塊茎または塊茎の一部の販売,販売の申出または広告に関連して行われる場合には禁止される。長官は,聴聞の機会の後その行為が実際に行われたと確信した場合,停止命令を発行し,71条で定める不服申立てがない限り前記命令は拘束力があるものとする。

(1) その素材が認可された保護品種であることを示す「合衆国保護品種」(“U.S. Protected Variety”)もしくはその他の語句や番号を,実際にはそうではない場合に使用すること。

(2) その素材が植物品種保護の出願中であることを意味する語句を,実際にはそうでない場合に使用すること。

(3) 「許可なしでの繁殖を禁ずる」(“Unauthorized Propagation Prohibited”) もしくは 「許可なしでの種子の生産を禁ずる」(“Unauthorized Seed Multiplication Prohibited”)もしくはこれに類似の語句を合理的な根拠なしに用いること。出願中であるか,権利証が効力を持ち続けていることにより正当化される場合を除き,その品種の最初の販売から一年でいかなる合理的な根拠もその効力を失う。

(4) 登録期間が経過した場合であっても,本法で定める権利証が発行された品種の名前の使用を怠ること。ただし,芝,芝土,飼料草の種子またはアルファルファやクローバーの種子は,州法において,本法の下で保護の登録が発行された品種の名前の利用が必要とされている場合を除いて,名前の使用なしで販売することができる。

(b) 停止命令に反し,もしくは公衆を欺く目的で(a)で禁じられている行為を行い,有罪と決定された者は$500以上$10,000以下の罰金が科される。

(c) (a)で禁じられている行為によりその商業活動に損害を被った者あるいは被るおそれのある者,またはそのような行為により競争を強いられた者は,民事手続により救済を受けることができる。(7 U.S.C. 2568.)

 

第129条 非居住所有者;送達と通知

 

保有者で合衆国に居住しない者は,合衆国内に居住する者で,品種保護やそれに付随する権利に影響を与える令状や手続の通知が送達されるべき者の氏名と住所を植物品種保護庁に書面で指定することができる。最後に指定された住所にその指定された人物が発見されない場合,もしくは誰も指定されていない場合は,合衆国コロンビア特別区地方裁判所が管轄権を有し,公告その他の裁判所が指示する方法により召喚状が送達される。当該裁判所は,品種保護もしくはそれに付随する権利に関して,所有者が自ら当該裁判所の管轄内にいる場合と同様の管轄権をもっていかなる行為も行うことができる。 (7 U.S.C. 2569.)

 

第130条 植物品種保護の侵害に対する州,州の機関,州の公務員の責任

 

(a) 111条で定める品種保護の侵害ないし本編に定めるいかなる違反について,州,州の機関,または州もしくは州の機関の公務員や被用者であって公的な立場において行動する者は,合衆国憲法修正第11条または国家主権による免責特権の原理の下で,政府,非政府を含む何人によって提起されるものであれ,連邦裁判所における訴訟を免除されるものではない。

(b) (a)記載の違反行為にかかる同項で述べられた訴訟において,その違反に対する救済(法律上または衡平法上取り得る救済方法を含む)は,私人に対して提起される侵害訴訟でなされうる救済と同程度まで可能である。かかる救済は,124条に定める損害賠償,利子,諸経費,三倍賠償と125条に定める弁護士費用を含む 。(7 U.S.C. 2570.)

 

第13章 立法目的と可分性 

 

第131条 立法目的

 

調査研究及び適切な時期のマーケティングを十分に奨励し,公衆に新しい品種による恩恵をもたらすべく,必要な憲法上の権限を行使して新品種に望ましい保護を提供することが連邦議会の意図するところである。憲法第Ⅰ節の3条と8条は,上記の根拠をなす。(7 U.S.C. 2581.)

 

第132条 可分性

 

本法が,いくつかの条項や事由につき違憲である場合でも,他の条項や事由においては効力を保持する。(7 U.S.C. 2582.)

 

 

第14章 暫定規定と関連立法の制定;適用範囲外の植物;雑則 

 

第141条 施行期日

 

本法は制定により効力を持つ。植物品種保護庁が組織され運営されるまでの間,出願は長官によって受理され保管されることができる。(7 U.S.C. 2321.)

 

第142条  連邦種子法(Federal Seed Act)の修正(7 U.S.C. 1551.)

 

第143条  裁判法典(judicial code)の修正(28 U.S.C. 1545.)

 

第144条  削除 (7 U.S.C. 2583.)

 

第145条 略称

 

本法は「植物品種保護法」"Plant Variety Protection Act'として引用されることができる。 (7 U.S.C. 2321 注)

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