オーストラリア

1994年植物育成者権法

1994年法律№110の修正

 

 

改正№17

2017年2月24日改正

2016年法律№33までの修正を含む

2017年2月24日登録

 

本改正は、2015年法律№8及び2015年法律№8によりなされた修正を含む(commenced)

 

法務省草案、法務長官Canberra発行

 

 

この法律について

改正法

これは、1994年植物育成者権法の修正としての改正であり、2017年2月24日に施行される(改正日)。その日に改正された法律に影響を与える全ての修正を含む。

この改正の末尾の記載(巻末注) には、修正法規及び改正法の規定の修正履歴の情報が記載されている。

 

未施行の修正

未施行の修正の影響は、改正法の原文には示されない。法に影響を与える未施行の修正は、法律登録機関(www.Legislation.gov.au)で入手することができる。改正日までになされたが施行されていない修正の詳細は、巻末注にアンダーラインがひかれている。施行されていない修正について情報を得たければ、改正法に関する法律登録機関の頁を参照。

 

規定及び修正の適用、除外、経過規定

改正法の規定又は修正の効果が、本改正に含まれない適用、除外、経過規定により影響を受ける場合、詳細は巻末注に記載される。

編集の変更

本改正によりなされた編集の変更について情報を得たければ、巻末注を見て下さい。

変更

改正法が、他の法律により変更される場合、改正法は変更されたものとして効力を有するが、その変更は法律の原文を修正しない。従って、本改正は改正法の原文を改正されたものとして示さない。変更について情報を得たければ、改正法に関する法律登録機関の頁を参照。

効力のなくなる規定

改正法の規定が、法律の規定に従って失効した場合、詳細は、巻末注に記載される。

 

 

 

 

目次

第1 序章

第1条 略称

第2条 施行

第3条 定義

第4条 本質的に由来する品種の定義

第5条 育成の定義

第6条 遺伝子改良

第8条 承認取得者

第9条 王権の拘束

第9A条 刑法の適用

第10条 法律の範囲

第2章 植物育成者権

第11条 植物育成者権の一般的性質

第12条 本質的に由来する品種に及ぶ植物育成者権の範囲

第13条 従属品種に及ぶ植物育成者権の範囲

第14条 ある条件における収穫物についての植物育成者権の範囲

第15条 ある条件における収穫物から得られた加工品に対する植物育成者権の拡張

第16条 私的、試験目的あるいは育成目的でなされる次の行為は植物育成者権を侵害しない

第17条 種子が保存された農場でのコンディショニング及び使用は植物育成者権を侵害しない

第18条 ある条件下での権利者の権利の範囲

第19条 植物育成者権が及ぶ植物品種への合理的な公共的アクセス

第20条 植物育成者権は私有財産である

第21条 登録官は植物育成者権の譲渡を通知されなければならない

第22条 植物育成者権の期間

第23条 消尽

第3章 植物育成者権の出願

 第1部 出願 

第24条 植物育成者権を出願する権利

第25条 植物育成者権を出願する権利は私有財産である

第26条 植物育成者権の出願様式

第27条 新植物品種の名称

第28条 優先日による出願

第29条 外国出願による優先権

第30条 出願の受理と拒絶

第31条 出願の変更申請

第32条 出願変更決定通知

第33条 出願の取下げ

 第2部 受理後の出願の扱い

第34条 時間に与えられるべき出願の詳細な説明

第35条 植物育成者権の出願に対する異議

第36条 出願及び異議申立の閲覧

第37条 植物品種の試験栽培

第38条 オーストラリア国外で育成、あるいは試験栽培された植物品種の特性

 第3部 仮保護 

第39条 仮保護

 第4部 本質的な由来 

第40条 本質的に由来するとの宣言の申請

第41条 本質的に由来するとの宣言の申請に関連した試験栽培

第4章 植物育成者権の付与と取消

 第1部 植物育成者権の付与 

第42条 植物育成者権が付与されない除外品種

第43条 登録可能な植物品種

第44条 植物育成者権の付与

第45条 排他的な植物育成者権の付与

第46条 植物育成者権の付与の登録

第47条 植物育成者権の付与の公開

第48条 植物育成者権の付与の効果

第49条 植物育成者権が従うべき条件

 第2部 植物育成者権又は本質的な由来の宣言の取消 

第50条 植物育成者権の取消

第51条 取消の詳細の登録

第52条 植物育成者権の放棄

第5章 植物育成者権の権利行使 

第53条 植物育成者権の侵害

第54条 侵害に対する訴訟

第55条 非侵害の宣言

第56条 連邦裁判所の管轄権

第56A条 連邦巡回裁判所の管轄権

第57条 潔白な侵害

第6章 組織 

第58条 植物育成者権の登録官

第59条 委嘱

第60条 植物育成者権を取得できない者

第61条 植物品種の登録簿

第62条 登録簿の閲覧

第7章 植物育成者権諮問委員会 

第63条 諮問委員会の設置

第64条 諮問委員会の構成

第65条 報酬及び手当

第66条 利益の公表

第67条 会議

第8章 その他 

第68条 公開

第69条 特定の規則に関する意見提出のための通知

第70条 遺伝資源センター

第71条 植物標本室

第72条 代理人が植物育成者権に関してできる行為

第73条 文書の送達

第74条 侵害行為の罰則

第75条 侵害行為以外の罰則

第76条 理事、従業員、代理人の行為

第76A条 行為に関して規定される期間の最後の日の後に植物育成者権事務所が営業をする場合の行為

第77条 不服申立の申請

第78条 廃止

第79条 財産の取得に対する補償

第80条 規則

第9章 暫定

第81条 定義 

第82条 旧法下での植物品種権のこの法律における植物育成者権としての扱い

第83条 施行日以前に提出された植物品種権の出願及び刑事手続き

第84条 旧法下でのその他の適用と手続き

第85条 諮問委員会のメンバーと機能の暫定的な配慮

第86条 植物品種の登録

 

 

 

巻末注

巻末注1 立法履歴

巻末注2 改正履歴

巻末注3 適用、除外及び経過規定

巻末注4 未施行の修正

巻末注5 誤記の修正

 

 

植物及び菌類の新品種の育成者に対し財産権を付与するための法律、

1987年植物品種権法を廃止し、関連する目的のため。

 

第1 序章

 

第1条 略称

この法律は1994年植物育成者権法として引用される。

 

第2条 施行

(1) (2)項に関して、本法は告示された日をもって施行される。

(2) この法律の規定が、勅裁を受けた日から6か月以内に(1)項により施行されないならば、その期間の終わりの翌日に施行される。

 

第3条 定義

(1) この法律では、別段の意図が明らかな場合を除いて:

 

AATとは、行政不服裁判所を意味する。

 

AAT法とは、1975年行政不服裁判所法を意味する。

 

住所(address)とは、(2)項による意味を含む。

 

諮問委員会とは、63条により設置された植物育成者権諮問委員会を意味する。

 

出願人とは、現時点で出願を行っている人を意味する。

 

出願とは、本法が適用する植物品種に関し、植物育成者権法24条に基づく出願を意味する。

 

承認書式とは、その書式が表示される規定の目的のために次官が承認した書式を意味する。

 

バイオセキュリティ管理命令とは、2015年バイオセキュリティ法におけるのと同様の意味をいう。

 

バイオセキュリティ反応区域とは2015年バイオセキュリティ法におけるのと同様の意味をいう。

 

バイオセキュリティ反応区域決定とは2015年バイオセキュリティ法におけるのと同様の意味をいう。

 

新しい植物品種に関する育成者とは、以下の者をいう。

(a)  (c)項を除き、一人のみに育成された品種の場合、その人、

(b)  (c)項を除き、2人若しくは複数の人により(共同してまたは独立してかを問わず、また、同時期ないし異なる時期かを問わず)品種が育成された場合は、その各人;

又は

(c)  以下の者によって当該品種が育成された場合は、当該構成員又は個人の属する組織

(ⅰ)法人化されているかを問わず、ある組織の構成員又は従業員としての職務を果たす際に、一人による場合

(ⅱ)そのような組織の構成員又は従業員としての職務を果たす際に、2人若しくは複数人による場合

そして、(a)項、(b)項、(c)項で参照される人や組織の承継人も含む。

 

調整とは、植物品種の繁殖素材に関して、

(a)クリーニングし、コーティングし、分類し、パッケイジング゙し、若しくはランク付けし、又は、

(b)その他同様の措置をし、

繁殖又は販売のための素材を準備する目的のためにすることを意味する。

 

条約締約国とは、条約の当事者である国家、又は政府間組織を意味する。

 

条約とは、オーストラリアにおいてしばしば効力を有するとされる1978年10月23日にジェノバでなされた植物の新品種の保護に関する国際条約を意味する。
注:条約の条文は、1989年オーストラリアの条約シリーズNo2(〔1989〕ATS2)において記載される。2011年に、オーストラリアの条約シリーズにおける条約の条文は、AustLⅡのウェブサイト(www.austlii.edu.au)のオーストラリアの条約ライブラリからアクセスが可能になった。

 

従属品種とは、ある人がオーストラリアで植物育成者権を有する別の植物品種に関して、他の植物品種における植物育成者権が13条によって及ぶ植物品種を意味する。

 

本質的な特徴とは、植物品種に関して、1若しくは複数の遺伝子の発現、他の遺伝的決定要素によって決定される遺伝的特質、又は、品種の主要な特徴・機能・効果に寄与する遺伝的特質を意味する。

 

連邦巡回裁判所とは、オーストラリア連邦巡回裁判所を意味する。

 

連邦裁判所とは、オーストラリア連邦裁判所を意味する。

 

遺伝資源センターとは、次官が70条(1)の下、遺伝資源センターと宣言した場所を意味する。

 

権利者とは、

(a)植物品種の植物育成者権に関して、現在その品種の権利の保有者として登録された人を意味し、

(b)他の植物品種に本質的に由来する品種であると宣言された植物品種の植物育成者権に関して、他の植物品種に関連した権利の保有者として現在登録された人を含む。

 

植物標本室とは、71条の下、次官が植物標本室であると宣言する組織

61条(1A)の下で保持された登録官の植物網リストに、植物分類として随時規定される。

 

雑種とは、同じ又は異なる分類群の2又はそれ以上の組み合わせであるが、台木に接ぎ木した接ぎ枝を含む組み合わせを除く植物を意味する。

 

土着のとは、

(a)オーストラリアのアボリジニー種の構成員

(b)Torres Strait諸島の土着の住民の子孫を意味する。

 

委員とは、諮問委員会の委員を意味し、登録官を含む。

 

植物育成者権とは、11条で特徴づけられた植物育成者権を意味する。

 

植物育成者権とは、他の条約当事者において登録された植物品種に関して、その条約当事者の法律の下で与えられた、11条で特徴づけられた権利に相当する植物育成者権を意味する。

 

PBR office とは、登録官や1999年の公務員法の下で執行する者や、その他連邦のためにあるいは代理として登録官への補助を義務とする者が仕事をする場所を意味する。

 

PBR sub-office とは、登録官や1999年の公務員法の下で執行する者や、その他連邦のためにあるいは代理として登録官への補助を義務とする者が単一州ごとに仕事をする場所を意味する。

 

植物とは、全ての菌類、藻類を含むが、細菌、根粒菌、マイコプラズマ、ウイルス、ウイロイド、バクテリオファージを含まない。

 

植物綱とは、品種を区別する目的で、全ての植物から成る分類を意味し、

(a)単一の植物の属に属する、あるいは

(b)近似する関係にある属のグループに属する。

それは、61条(1A)の下で保持された登録官の植物網リストに、植物分類として随時規定される。

 

植物品種とは、(雑種を含む)植物群を意味する。

(a)既に知られている最下位の植物学上の一つの分類群に含まれ、

(b)その植物群の中で、植物グループの個々の遺伝子型に由来する特徴の発現によって決定されうるもので、

(c)特徴の少なくとも一つの出現によって他の植物グループとは区別されうるもので、かつ、

(d)変化することなく繁殖することに適合しているがために一つの機能的な単位としてみなされうるもの

 

注:この定義の対象となる植物グループは、遺伝的に修正された植物グループを含む。6条参照。

 

植物品種の繁殖素材の再生産に関する過程には、次のものは含まれない。

(a)その品種の植物への細胞、組織又は植物部分の成長

(b)その品種のより大きな植物への植物の成長

 

繁殖素材とは、特定の植物品種の植物に関連して、単体で又はその植物の別の部分又は加工品の組み合わせであるかを問わず、同じ本質的な特徴をもった別の植物を生産することのできる、いかなる部分又は加工品を意味する。

 

繁殖とは、有機体又はその構成要素に関連して、有性又は無性の手段を問わず、その有機体又は構成要素の成長、増殖を意味する。

 

登録簿とは、61条に従って備えられる植物品種権の登録簿を意味する。

 

登録官とは、植物育成者権の登録官を意味する。

 

バイオセキュリティ管理命令の解除とは、2015年バイオセキュリティ法におけるのと同様の意味をいう。

 

再生産とは、特定の品種の植物の繁殖素材に関して、独立した個体の植物に成長させる生産力を有する増殖させることのできる繁殖素材を繁殖させることのいかなる過程をも意味する。

 

次官とは、省の次官を意味する。

 

販売とは、貸与と交換を含む。

 

バイオセキュリティ管理命令に従うとは、2015年バイオセキュリティ法におけるのと同様の意味をいう。

 

承継人とは、次の者を意味する。

(a)植物品種の育成者に関して、その品種における植物育成者権を出願する権利を譲渡、又は、遺言若しくは法律の適用により移転された人

(b)植物品種の権利者に関して、譲渡、又は、遺言若しくは法律の適用によってその権利を移転された人

 

同義語とは、植物品種の名称に関して、次の名称を意味する。

(a)その品種の名称に加えて出願に含まれる名称

(b)その品種がオーストラリアで知られる又は売られることになる名称

 

試験栽培とは、比較試験栽培を含む。

 

同盟とは、植物の新品種の保護に関する国際条約の第1章で定義された植物の新品種の保護のための同盟を意味する。

 

遺言とは、遺言補足書を含む。

 

電子アドレス

(2) 規則で特定された時期以降、本法における住所は、電子アドレスを含む。

(3) (2)項により特定された時期は、2003年規則法により登録される時期より遅くなければならない。

(4)本条(2)項は、次の場合の住所には該当しない。

(a)26条(2)

(b)26条(3)の第一住所

(5)本法の目的に照らし、オーストラリアの電子アドレスか否かは、規則により決定されなければならない。

(6)本法の目的に照らし、ニュージーランドの電子アドレスか否かは、規則により決定されなければならない。

 

第4条 本質的に由来する品種の定義

植物品種は、次のような場合に他の植物品種の本質的に由来する品種とみなされる。

(a)主に別の植物品種に由来する場合で、

(b)その別の品種の遺伝子型や遺伝子型の組み合わせに起因する本質的な特徴を保持している場合で、かつ、

(c)その別の植物品種と区別する重要な(表面的な区別とは異なる)特徴を示さない場合

 

第5条 育成の定義

(1)本法における育成とは、新しい植物品種に関して、新しい植物品種の開発ができるような選抜育成における使用とともに、植物の発見のことも含む。

(2)ある人によって発見され、そして別の人によって新品種の開発ができるように選抜育成に使われた場合は、いずれも共にそれらの新植物品種の共同育成者とみなされる。

 

第6条 遺伝子改良

本法においては、植物群における植物の遺伝子構成が植物に由来しない遺伝物質を組み込まれることにより変化されたとしても、ある有機体を単一植物分類の植物群として扱うことができる。

 

第8条 承認取得者

(1)本法において、承認取得者とは、その人の資格と経験に基づいて、次官が公式の法律文書により、一以上の植物品種に関してそのような資格と経験を有する者であると指定した人をさす。

(2)登録官は、随時、植物の特定の品種に関して承認される人々のすべての人のリストを植物品種ジャーナルにて発行されるようにしなければならない。

 

第9条 王権の拘束

(1)本法は連邦、各州、オーストラリア首都特別地域と北方の領域の地域において王権を拘束する。  

(2)この法律違反を理由にいかなる場合でも王権を訴えることはできない。

 

第9A条 刑法の適用

刑法の2章(2.5以外の)は本法の全ての違反に適用する。

 

注:刑法の2章は、罪責の一般原則を設定するものである。

 

第9B条 ノーフォーク島の範囲

本法は、規則に記載されない限り、ノーフォーク島には及ばない。

 

第10条 法律の範囲

本法は、次の場合を除き、植物品種の植物育成者権の付与を要求又は許可するものではない。

(a)オーストラリアが条約に加盟している場合―権利付与は条約に基づきオーストラリアに義務を生じさせることが適当である。

(b)植物品種の育成が憲法第51条の目的で発明したものである場合

 

 

第2章 植物育成者権

 

第11条 植物育成者権の一般的性質

16条、17条、18条、19条、23条を除き、植物品種における植物育成者権とは、本法によれば、品種の繁殖素材に関する次の行為をする、又は他の人がすることをライセンスすることができる排他的な権利である。

(a)素材の生産又は再生産

(b)繁殖のための素材を調整すること

(c)素材の販売の申出

(d)素材の販売

(e)素材の輸入

(f)素材の輸出

(g)(a) 号から(f)号に掲げる行為を目的とする素材の保管

注: 本条文により与えられた権利は、本質的に由来する品種(12条参照)、従属品種(13条参照)、収穫物(14条参照)、収穫物から得られた加工品(15条参照)に及ぶ。 

 

第12条 本質的に由来する品種に及ぶ植物育成者権の範囲

23条を除き、次のような場合、

(a)植物育成者権が植物品種(原品種)について一の人に与えられる場合、

(b)植物育成者権が他の植物品種について他の人に与えられている場合、かつ

(c)前者が出願した時に、他方の植物品種が原品種に本質的に由来すると次官が宣言した場合

原品種に与えられた権利は、宣言した日から、他方の植物品種にまで効果が及ぶ。

 

第13条 従属品種に及ぶ植物育成者権の範囲

23条を除き、植物育成者権が植物品種(原品種)に与えられる場合は、権利は次の場合にまで及ぶ。

(a)次のような植物品種

(ⅰ)原品種と明確に区別されない、

(ⅱ)原品種において植物育成者権が付与された時期における一般に知られている植物品種と明確に区別される、および

(b)原品種又は(a)項に引用されている品種を反復使用されることなしには再生産されない他の植物品種

植物育成者権が原品種に付与された時に他の植物品種が存在していたか否かを問わない。

 

第14条 特定の条件における収穫物についての植物育成者権の範囲

(1)次の場合、11条においては、収穫物が繁殖素材であるとみなされる。

(a)植物育成者権が及ぶ植物品種の繁殖素材が許可なくして生産又は再生産される場合、

(b)繁殖素材に関する権利を行使する合理的な機会を権利者がもたない場合、かつ、

(c)繁殖素材から、素材が収穫される場合

(2)(1)項は、農業者により、17条1項に記載される状況下で調整され及び再生産される繁殖素材から収穫された素材が、農業者自身の使用のため、又は、再生産目的で、農業者自身によって必要とされないほど多い場合に適用される。

 

第15条 特定の条件における収穫物から得られた加工品に対する植物育成者権の範囲

(a)植物育成者権によってカバーされる植物品種の繁殖素材が権利者の許可なく生産又は再生産される場合、

(b)繁殖素材に関して権利者の権利を行使する合理的な機会を権利者が持たない場合、

(c)素材が繁殖素材から育った植物から収穫される場合、但し、権利者が、14条に記載される状況下で、収穫された素材における権利者の権利を行使する合理的な機会を権利者が持たない場合、かつ

(d)加工品が収穫された素材から作られる場合

11条ではこれらの加工品が繁殖素材であるとみなされる。

 

第16条 私的、試験目的又は育成目的でなされる次の行為は植物育成者権を侵害しない

植物育成者権が及ぶ植物品種に関して次のいかなる行為も植物育成者権を侵害しない。

(a)私的、かつ、非営利目的で行われる行為、

(b)試験目的で行われる行為、又は、

(c)他品種を育成する目的で行われる行為

 

第17条 種子が保存された農場での調整及び使用は植物育成者権を侵害しない

(1)

(a)農業従事者が、植物育成者権が及ぶ植物品種の繁殖素材を、農業で使用するために、購入し又は以前に本条の規定に従い、正当に取得する場合で、

(b)植物品種が、この規定が適用されない分類群であると(2)項の下、宣言された分類群の範囲に含まれない場合で、かつ、

(c)その人が後に、先の繁殖素材から育てられた植物からさらなる繁殖素材を収穫する場合;

植物育成者権は以下によっては侵害されない:

(d)再生産の目的でその人が使用するのに必要とされるさらなる繁殖素材を調整すること、又は、

(e)さらなる繁殖素材を再生産すること

(2)規則により特有の分類群を(1)項が適用されない分類群であると宣言することができる。

 

第18条 特定の状況下での権利者の権利の制限

(1)

(a)連邦、州、準州の法律によって、植物品種の繁殖素材に関して11条の段落に関する行為をすることを許可される場合で、

(b)その行為が、(この規定を離れて)、植物品種の植物育成者権の権利者から許諾を要求することを求められる場合で、

(c)その人がその行為をする前に、その人が、当該行為に関する権利者に公平な報酬を支払う、又は、そのような報酬の支払いを調整する場合で、かつ、

(d)その人が当該行為をする場合、

そのような場合には、権利者は、当該行為に関してその人に対して、植物品種の植物育成者権を、行使する権利はない。

(2)疑義を避けるために規定すると、1項は、当該条文に関する状況下で、繁殖素材を調整すること又は再生産することに関して、17条の行使を制限しない。

(3)この章において、

 

公平な報酬とは、植物品種の繁殖素材に関してなされる行為に関して見積もられる次の額を意味する。

 

(a)その行為に着手しようとしている人と植物品種の植物育成者権の権利者との間で合意がなされる場合、又は、

(b)(a)項の下では合意に達しない場合は、その行為に関連する公平な報酬に関して管轄裁判所によって決定される場合

 

第19条 植物育成者権が及ぶ植物品種への合理的な公共的アクセス

(1)(11)項を除き、植物品種の植物育成者権の権利者は、その植物品種に合理的な公共的アクセスを保証する全ての合理的なステップをとらなければならない

(2)植物育成者権が及ぶ植物品種に対する合理的な公共的アクセスは、合理的な品質の繁殖素材が合理的な価格で公共に利用できる、又は、公共への贈与として、需要を満たすのに十分な量で、利用できる場合には、満足されうる。

(3)植物育成者権が及ぶ植物品種に対する合理的な公共的アクセスを保証する目的で、次官は、権利者に代わって、(4)項から(10)項に従い、次官が次の点につき適当と認めた人にライセンスすることができる。

(a)その品種の植物の繁殖素材を販売すること;又は、

(b)販売のためにその品種の植物の繁殖素材を生産すること

次官が適当であると認めた期間、次官が認めた(権利者に対する合理的な報酬の供与を含む)条件は、ビジネスの通常のやり方において権利者によって与えられる。

(4)植物品種の植物育成者権の付与後2年以上のいかなる時においても、

(a)権利者がその品種に関して(1)項に従うことができない場合で、かつ、

(b)従えないことが自己の利益に影響する場合

その品種に関して(3)項の下で、誰でも、次官に権力を行使するよう書面による要求をすることができる。

(5)要求は、以下をすべて充たすようなものでなければならない。

(a)なぜ権利者が(1)項に従うことができないかという理由を説明しなければならない。

(b)(1)項に従わないことが、自己の利益にどのように影響するかということの詳細を説明しなければならない。

(c)本条下で、通知の目的で自己の住所を通知しなければならない。

(5A)(5)(c)の住所は、オーストラリアかニュージーランドの住所でなければならない。

(6)次官は、当該権利者に次のものを与えなければならない

(a)その要求の写し、及び、

(b)その要求の提出後30日以内に、当該権利者が次のいずれかを次官に判断させる理由が書かれた文書を長官に提出するべき案内文、

(ⅰ) 権利者がその品種に関して(1)項に従っていること、又は

(ⅱ) 権利者が合理的な時期にそのように従うこと

(7)次官は、当該要求及び、(6)(b)下における案内に応じて権利者によって提出されたすべての陳述を考慮した後、次のことをしなければならない

(a)関連する権力を行使するか否かを決定し、かつ、

(b)その決定後30日以内に、当該権利者、及び、その要求をした人に、決定に関する文書の通知をする。

 

注:この項における決定は、77条のAATによって不服申し立てができる。

 

(8)次官は、植物品種に関して(3)項の下で権力を行使しようとした場合、次官は、次の公示をしなければならない。

(a)その品種の同一性を証明すること、

(b)次官は付与しようとするライセンスの詳細を説明すること、及び、

(c)公示後30日以内に、次官に対してライセンスを付与されることを申し込ませることを案内すること。

(9)次官は、以下の条件を満たさない限りライセンスを付与しない

(a)次官が、当該案内に応じてなされた全ての申し込みを考慮したこと、及び

(b)少なくとも、そのライセンスを付与する1か月前に、次官は、

(ⅰ)ライセンシーの候補者の名前を出願者に通知しなければならない。かつ、

(ⅱ)ライセンシーの候補者の名前を公示しなければいけない。

(10) 次官は、

(a)特定の品種の植物の繁殖素材を生産するライセンスを人に与えた場合、かつ、

(b)合理的な価格で、又は、手数料なしで、そのような繁殖素材を取得することができないと判断している場合、

次官は、権利者に代わって、その繁殖素材を、遺伝子資源センターで貯蔵される素材からその人に利用できるようにさせることができる。

 

注:この規定下における繁殖素材を利用できるようにする決定は、77条のAATにより、不服申し立てができる。

 

(11) 本条は、次官が植物育成者権の権利を付与した時、その品種の植物は消費財として直接使用されるものではないと書面により判断する植物品種に関しては、適用されない。

 

注:この規定下における決定は、77条のAATによって、不服申し立てできる。

 

第20条 植物育成者権は私有財産である

(1)植物育成者権は、私有財産であり、49条を除き、譲渡することができ、又は、遺言若しくは法律の行使によって移転することができる。

(2)植物育成者権の譲渡(裁判所の命令を理由としない限りの)は、譲渡者と被譲与者両名又はその代理人の署名がない限り効力を有しない。

(3)植物品種の植物育成者権の権利者は、その権利におけるライセンスを他の人に付与した場合、そのライセンスは、植物育成者権の権利者を拘束するのと同様に、いかなる承継人も拘束する。

 

第21条 登録官は植物育成者権の譲渡を通知されなければならない

(1)植物育成者権が自己に譲渡された又は移転されたと主張する場合、当該主張する者(以下「主張者」という)は、登録官に書面で、その権利が取得された方法の詳細を示して、主張者がその権利を取得したことを、その権利を取得した後30日以内に知らせなければならない。

(2)登録官が、その権利がそのように譲渡され又は移転されたことに判断する場合は、登録官はその権利の保有者として、主張者の名前を登載することにより登録簿を修正しなければならない。

(3)登録官が、登録簿に主張者の名前を植物育成者権の保有者として登載した場合、登録官はその名前を加えた後30日以内に、主張者及び、その登録がなされる前に保有者であった人に対して、その登録がなされたことを告げる書面による通知をしなければならない。

(4)登録官が、植物育成者権がその主張者に譲渡された又は移転されたと判断しない場合は、登録官はできるだけ早く、次のことをしなければならない。

(a)主張者に次のことを書面により通知すること

(ⅰ)主張者に登録官が判断していないことを告げること、及び

(ⅱ)なぜ、登録官がそのように判断していないのかという理由を記載すること

(b)権利の保有者として登録簿に登載された人に対して、次のことを書面により通知すること

(ⅰ)主張者により与えられた情報の詳細を説明すること、

(ⅱ)主張者に登録官がそのように判断していないことを告げること、及び

(ⅲ) 登録官がそのように判断していない理由を説明すること

(5)主張者は、譲渡や移転の登録官への通知において、本法に関する文書の送達のためのオーストラリア又はニュージーランドの住所を盛り込まなければならない。

 

注:この規定下における登録簿の修正又は修正を認めないという決定は、77条のAATによって、不服申し立てできる。  

 

第22条 植物育成者権の期間

(1)(4)項及び(5)項を除き、植物品種における植物育成者権は、その品種における植物育成者権の付与がなされた日に発生する。

(2)(3),(4)及び(5)項を除き、植物品種の植物育成者権は、以下の期間存続する。

(a)樹木とぶどうの場合―25年

(b)他の品種について―20年

(3)規則により、ある特別な分類群に属する植物における植物育成者権は、(2)項に定められるより長い期間の存続を認めることができる。

(4)別の植物品種に従属する植物品種の植物育成者権は、以下の日に発生する。

(a)他の植物品種に植物育成者権が付与された日、又は

(b)従属品種が存在するようになった日

のどちらか先の日に始まり、当該他の品種における植物育成者権が消滅した日に終了する。

(5)

(a) 植物品種(原品種)において、植物育成者権が付与されており、

(b) 他の植物品種が40条下で、その原品種の本質的に由来するものであると宣言される場合、

原品種の植物育成者権は、その宣言がなされた日から、原品種の植物育成者権が終了する日まで、本質的に由来する品種に及ぶ。

 

第23条 消尽

(1)植物品種に付与された植物育成者権は、次の場合、11条で参照されるいかなる行為にも及ばない。

(a)品種の繁殖素材に関して;又は、

(b)本質的に由来する品種若しくは従属植物品種の繁殖素材に関して

その行為が、繁殖素材が権利者によって販売された場合、又は権利者の同意を得て販売された後になされた場合、但し、以下の行為は除く。

(c)当該素材のさらなる生産若しくは再生産を含む行為、又は、

(d)当該素材の次の輸出を含む行為

(ⅰ) 品種に関する植物育成者権を保護の対象としない国への輸出、かつ

(ⅱ) 最終的な消費以外の目的での輸出

(2)

(a)ある植物品種が他の植物品種に本質的に由来する品種(=原品種)であると宣言される場合、かつ、

(b)本質的に由来する品種の植物育成者権が、本質的に由来する品種の植物育成者権の権利者と、原品種の植物育成者権の権利者の両者により、保有される場合

(1) 項における権利者によって、又は、権利者の同意を得て販売された植物繁殖素材とは、(b)項におけるその両方の権利者によって、販売された、又は、同意の下で販売された繁殖素材のことをいう。

(3)18条(1)項の下、植物品種の植物育成者権の権利者に、その人が行為をする前に植物品種の繁殖素材に関してある行為(=最初の行為)に関連し、公平な報酬が支払われる場合、又は、支払われるように調整される場合、その品種における植物育成者権は、次の行為を除く、繁殖素材に関する11条に関連する後の行為(=後の行為)には及ばない。

(a)当該繁殖素材のさらなる生産若しくは再生産を含む行為、又は

(b)当該素材の次の輸出を含む行為

(ⅰ)品種に関する植物育成者権を保護の対象としない国への輸出、かつ

(ⅱ)最終的な消費以外の目的での輸出

(4)疑いを避けるために言及するとすれば、(1)項又は(3)項においては、その項が適用される繁殖素材の再生産によって得られる当該品種のいかなる繁殖素材に対しても、植物品種の植物育成者権の権利者の権利行使を、妨げるものは一切ない。

 

 

第3章 植物育成者権(plant breeder’s right)の出願

 

第1部―出願

 

第24条 植物育成者権を出願する権利

(1)植物品種の育成者は、当該品種の植物育成者権の付与について次官に出願をすることができる。

(2)育成者は、次の事項に関わらず、出願することができる。

(a)育成者がオーストラリア国民であるか否か

(b)育成者がオーストラリアに居住しているか否か

(c)当該品種がオーストラリアで育成されたか否か

(3)(4)項を除き、2人以上の者がある植物品種を共同で育成した場合、それら当該複数の者の全員又は単独で、当該権利を共同で出願することができる。

(4)2人以上の者が共同で植物品種を育成した場合、共同で又はそれぞれの書面による同意がない限り、単独で当該品種の植物育成者権を出願する権利がない。

 

第25条 植物育成者権を出願する権利は私有財産である

(1)植物育成者権を出願する植物品種の育成者の権利は、私有財産であり、遺言又は法律の適用により、移転及び譲渡をすることができる。

(2)植物育成者権の出願権の譲渡は、書面において譲渡人の自署又は代理による署名がされなければならない。

 

第26条 植物育成者権の出願様式

(1)植物品種の植物育成者権の出願は、

(a)書面で、

(b)承認書式で、かつ

(c)承認書式に記載された様式で提出されなければならない。

(2)(1)項に定める出願は、次のことが記載されなければならない。

(a)出願人の氏名、住所、

(b)出願人が代理人による出願をする場合―当該代理人の氏名、住所、

(c)出願人がその品種の育成者である場合―その効果についての陳述、

(d)出願人がその品種の育成者でない場合―育成者の氏名と住所及び当該出願する権利を遺言又は法律の適用によって譲渡又は移転したことの詳細、

(e)当該品種が、他の一般に知られた品種とは区別するために明白なケースと立証するに十分な簡単な説明、又は簡単な説明と写真、

(f)27条で要求される当該品種の名称と予測される同義語、

(g)その品種が育成された土地の名称、

(ga)それぞれの親品種に関して、次の事項を含む育成プログラムで用いられた親品種の名称、

(ⅰ)オーストラリアで知られている又は販売されている親品種の名称(同義語を含む)の詳細、及び、

(ⅱ)オーストラリア又は他国で付与された植物育成者権の詳細、

(gb)当該品種が育てられた方法の概要、

(h)他国での当該品種におけるあらゆる権利の出願又は付与に関する詳細、

(i)  次の承認取得者の名称

(ⅰ)出願に記載された詳細を確認し、

(ⅱ)37条に基づき要求されるあらゆる栽培試験を管理し、かつ、

(ⅲ)当該品種の詳細な記載が、次官に提出される場合、その記載を確認した者

(j) 承認書式で要求されるその他の詳細(もしあるならば)

 

注:(ga)で与えられた情報は、36条に基づき、一般公開されることはない。

 

(3)出願人がニュージーランド以外の海外に居住している場合、当該出願人は、オーストラリア又はニュージーランドに居住する代理人を出願人の代理行為をするように指命した場合でない限り、海外の住所に加えて、出願の送達のためにオーストラリア又はニュージーランドの住所を定めなければならない。

(4)本条に基づく出願申請より前、又は、出願申請時に、出願人は、所定の出願料を、オーストラリア連邦政府に支払わなければならない。

 

第27条 新植物品種の名称

(1)オーストラリアでの当該品種の権利の出願がなされる前に、植物育成者権が植物品種について別の締約国において付与されていなかった場合、当該出願に記載された名称は、(4),(5),(6),(7)項に従わなければならない。

(2)オーストラリアでの植物品種の植物育成者権の出願前に、別の締約国で当該品種において植物育成者権が付与された場合、

(a)オーストラリアの出願に記載された品種の名称が、別の締約国で最初に植物育成者権が付与された名称でなければならない。但し、

(b)当該品種の名称に加えて同義語も含んでよいが、(a)で定める名称が(4),(5),(6),(7)項に従わない場合は、同義語は必ず含まれなければならない。

(3)同義語は、恰も当該品種が別の締約国において植物育成者権の付与の対象ではなかったが如く、(4),(5),(6),(7)項に従って決定された名称でなければならない。

(3A) 植物品種において、オーストラリアでの植物育成者権の出願がなされる前に、植物育成者権が、別の締約国において、その品種において付与されていなかった場合、同義語は、当該出願に含まれてもよい。

(4)(同義語を含む)名称は、植物品種に関し、次の一つ若しくは両方が付加される又は付加されない、一語又は複数語(考案されたか否かは別として)でなければならない。

(a)言葉にならない文字

(b)数字

(5)(同義語を含む)名称は、植物品種に関し、次のものであってはならない。

(a)誤認又は混同の生じる恐れのある場合、同一の植物網の別の植物品種の名称との混同を含む、

(b)法律に反する場合、

(c)中傷的又は攻撃的な内容を含む場合、

(d)出願時において効力のある規則によって禁じられている場合、又は、

(e)植物、植物細胞、植物組織に関して、1995年商標法の下、登録商標である、若しくは商標登録を受けようとする商標、又はそれを含む場合、

(6)植物品種に関し、名称(同義語を含む)は、栽培植物国際命名基準とその補助基準に従わなければならない。

(7)植物品種に関し、名称(同義語を含む)は、次の構成又は次のことを含んではならない。:

(a)出願の時点で現存している自然人の名称、但し、当該人が当該植物品種の名称とすることに書面により同意を与えた場合を除く、

(b)出願前10年以内に死亡した自然人の名称、但し、法的な私有財産の代理人が、当該植物品種の名称とすることに書面により同意を与えた場合を除く、又は

(c)会社又は他の組織の名称、但し、当該会社等が、当該植物品種の名称とすることに書面により同意を与えた場合を除く。

 

第28条 優先日による出願

(1)次官は、植物育成者権の出願に優先日が与えられることを保証しなければならない。

(2)優先日とは、出願に関し29条が適用される場合を除き、次官に対し、出願が申請された日、又は、他の日が出願に関する規則によって決定される場合は、当該決定された日を言う。

(3)同一の植物品種について、2以上の植物育成者権の出願がなされた場合、次官は、より早い優先日の出願を最初のものとみなさなければならない。

 

第29条 外国出願による優先権

(1)

(a)オーストラリア以外の1又はそれ以上の締約国において、植物品種における植物育成者権の出願を申請した場合、

(b)それらの出願(外国出願)のうち最も早い出願日以後12ヶ月以内に、オーストラリアにおいてその品種についての植物育成者権の出願が申請された場合(国内出願)、

(c)外国出願の出願申請日を、国内出願の目的での優先日としてみなすようにという請求が国内出願に伴う場合、及び、

(d)国内出願が受理された場合、

(3)及び(4)項を条件として、外国出願の出願日を、国内出願の目的での優先日とみなすことができる。

(2)は原文にない。

(3)外国出願の出願日を国内出願の目的での優先日とみなすことができる権利は、次官に、国内出願の3ヶ月以内に、外国出願を受理した確かな権威によって正確なコピーであることが証明された外国出願の記録のコピーを提出することを条件とする。

(4)外国出願の出願日を、国内出願の目的での優先日とみなすことができる権利は、次官に対し、外国出願後3年以内に、国内出願の審査に必要な植物品種に関する詳細な事項を提出することを条件とする。

 

第30条  出願の受理と拒絶

(1)次官は、植物品種において植物育成者権の出願後、可及的速やかに、当該出願を受理するか拒絶するかを決定しなければならない。

(2)次官は、以下の全ての事項を満たすと判断する場合には、当該出願を受理しなければならない。

(a)他に出願がない場合、又は、当該出願が(b)項及び(c)項の条件を満たす場合には、その品種における優先日を有するであろう場合

(b)当該出願が、第26条の条件を満たす場合、

(c)当該出願が、他の品種と異なる品種であると取り扱うべき明白な(a prima facie)ケースであると確証している場合

(3)次官が、(2)項で定めた全ての事項を満たさないと判断する場合、次官は、当該出願を拒絶しなければならない。

(4)次官が、出願を受理すると決定する場合は、次官は、以下のことをしなければならない。

(a)出願人に対し、当該出願が受理されたことを告知すること、及び

(b)出願人に対し告知後出来る限り速やかに、出願の受理を公開すること。

(5)次官が、出願を拒絶することを決定する場合は、次官は、以下のことをしなければならない。

(a)出願人に対し、出願を拒絶することを告知するとともに、その拒絶理由を通知すること、及び、

(b)出願人に告知後出来る限り速やかに、出願拒絶を公開すること。

 

注:本条における出願受理又は拒絶は、77条の下、AATによって不服申し立てができる。

 

第31条 出願の変更請求

(1)

(a)植物品種の植物育成者権の出願が受理された後で、かつ、

(b)当該出願(後に続くその品種の詳細な説明を含む)の審査及び出願に対する異議の審査が終了する前に、ある植物品種の植物育成者権の出願をする出願人の権利が、他の人に譲渡され、又は、遺言若しくは法律の適用により移転された場合、次官に対し、書面にて、出願人と変更するよう求めることができる。

(2)次官が、植物品種の植物育成者権を出願する権利が、特定の人に、譲渡され、又は、遺言若しくは法律の適用により移転されたと判断する場合は、次官は、その人が出願人としてみなされるように出願人を変更しなければならない。

(3)(1)項に定める者により請求がされれば、本法に関してその者への通知の送達のために、オーストラリア又はニュージーランドにおける住所を、定めなければならない。

(4)次官が、(1)項で定める請求に従った場合は、その請求に関して届けられた送達の住所が申請書に記載された住所と違った場合には、次官は、申請書の方をそれに合うように変更しなければならない

(5)

(a)植物品種における植物育成者権の出願が受理された後、但し、

(b)その出願(後に続くその品種の詳細な説明を含む)の審査及び出願に対する異議の審査が終了する前に、

出願人が、次官に対し、書面で、(1)項に関するもの以外の他の点においても、その出願を変更することを請求した場合、次官は、その自由裁量において、当該請求に従い、当該出願を変更することができる。

(6)本条前各項にかかわらず、変更請求をしている人が、本条の目的のために定められた出願変更手数料を、オーストラリア連邦に支払わない限り、次官は、本条の請求に応えて出願を変更する義務を負っておらず、許されていない。

注:本条に基づく出願の変更決定あるいは変更の拒絶決定は、77条によるAATにより不服申し立てができる。

 

第32条 出願変更請求に対する決定通知

(1)次官が31条(1)項又は(5)項に基づく請求に従い出願を変更した場合、次官は、可及的速やかに、当該変更請求した人が当該出願がそのように変更されたことを通知することを請求する場合には同人に対し、書面で通知しなければならない。

(2)次官が31条(1)項又は(5)項に基づく請求を拒絶する場合、次官は、可及的速やかに、次の請求をする人に対し、通知しなければならない。

(a)当該要求が拒絶されたことを通知すること、及び

(b)拒絶理由の記載

(3)次官は、31条(1)項に基づく請求を拒絶した場合、次官は、可及的速やかに、出願人に対しても、書面で、次のことを通知しなければならない。

(a)当該請求の詳細の記載、

(b)当該請求が拒絶されたことを出願人に通知すること、及び

(c)拒絶理由の記載

(4)次官は、31条(1)項に基づく請求に従い出願を変更する場合は、次官は、出来る限り速やかに、その変更がなされる前に、出願人である人に対しても、変更の詳細を、書面で通知しなければならない。

(5)出願人は、

(a)31条(1)項に基づく請求のために変更され、又は、

(b)重要な点で、31条(5)項に基づく請求のために変更された場合、

​​次官は、出来る限り速やかに、変更の詳細を公開しなければならない。

 

第33条 出願の取下げ

(1)出願は、いつでも出願人によって取り下げられることができる。

(2)出願が、出願の受理が公開された後に取り下げられる場合は、次官は、可及的速やかに、当該取下げを公開しなければならない。

 

 

第2部 受理後の出願の扱い

 

第34条 次官に与えられるべき出願の詳細な説明

(1)出願人は、次官に対し、当該出願に関連する植物品種の詳細な説明を既に提出していなかった場合、出願が受理された後可及的速やかに、遅くとも12か月以内に、又は次官が(その目的のために)許諾する更に長い期間以内に、当該詳細な説明を提出しなければならない。

 

注:本条における12か月の期間の延長を認めない決定は、77条の下、AATによって不服申し立てができる。

 

(2)本条に基づき要求された期間以内に詳細な説明を次官に提出しない場合、出願は取り下げられたとみなされる。

(3)詳細な説明は、以下の要件を充たさなければならない。

(a)書面によること、

(b)承認書式によること、及び、

(c)承認書式に記載される様式によって次官に提出すること

(4)詳細な説明は、以下を含まなければならない

(a)その存在が常識である他の植物品種とは区別できる際立った特徴、

(b)以下の詳細:

(ⅰ)当該品種が区別性を有し、均一性を有し、安定性を有することを証明するため、37条で要求される試験栽培が実施された場合を含む、実施された試験栽培詳細、並びに、

(ⅱ)41条で要求される試験栽培が実施された詳細、及び

(c)品種がオーストラリアの外で育てられた場合―もし、オーストラリアで育てられた場合には、区別性を有し、均一性を有し、安定性を有するであろうと証明する傾向にあるオーストラリア以外での試験栽培の詳細、

(d)(もしあれば)承認書式により要求されたその他の詳細

​そして、承認書式により、その出願に関して承認取得者として出願において指定された承認取得者によって作成された、詳細な説明の明細を確認する証明書を添付しなければならない。

(5)次官は、植物育成者権の出願に関する植物品種の詳細な説明を受領後速やかに、その詳細を公開しなければならない。

(6)出願人は、

(a)(b)項が適用されない場合は―出願が受理された後12か月以内に

(b)詳細な説明が、出願が受理されたのち12か月以内に、次官に提出された場合は―当該詳細な説明が提出されたときに、

オーストラリア連邦に対し、所定の審査手数料を支払わなければならない。

(7)次の場合とは別に審査手数料を支払わなければならないようになるまで、(6)項は出願人には適用されない。

(a)出願人が関係する植物品種がバイオセキュリティ管理命令に従っている場合

(b)出願人が関係する植物品種に関連してバイオセキュリティ管理命令が有効である場合、又は

(c)バイオセキュリティ反応区域決定が有効であり、出願人が関係する植物品種がバイオセキュリティ反応区域にある場合

(8)(7)項の適用がある場合、出願人は、次の場合の後12カ月以内に所定の審査手数料を支払わなければならない。

(a)当該植物品種がバイオセキュリティ管理命令から解放される場合、

(b)当該植物品種に関してバイオセキュリティ管理命令が有効でなくなる場合、又は

(c)バイオセキュリティ反応区域決定が有効でなくなる場合

 

第35条 植物育成者権の出願に対する異議

(1) 受理された植物品種の植物育成者権の出願に関して、次のことを考える人は何人も、出願受理の公開後で詳細な説明の公開から6カ月の期間満了前であればいつでも、次官に対して、植物育成者権の付与に対する書面による異議を、提出することができる。

(a)商業的な利益が当該出願人に対し、植物育成者権の付与によって影響を受けるであろうこと、及び、

(b)次官が、出願に関して、26条(2)、又は、44条(1)(b)(ⅰ),(ⅱ),(ⅲ),(ⅳ)(ⅴ)、(ⅵ)、(ⅶ)、若しくは(ⅷ)のいずれかの事項をみたしていると判断できないこと

(2)異議は、次のことが記載されなければならない。

(a)その商業的な利益が影響を受けるであろうと、その人が考える様式の詳細、及び、

(b)その人が、次官が(1)(b)項に関する事項を満たしえないと判断すると考える理由

(2A) 異議は、所定の手数料が納付されない限り、効力がない。

(3) 登録官は、出願人に対し、異議の写しを送付しなければならない。

 

第36条 出願及び異議申立の閲覧

(1)合理的な時であればいつでも、植物品種の植物育成者権の願書(出願の裏付けとして提出された植物品種の詳細な説明を含む)、又は、当該出願について申し立てられた異議(詳細な説明を含む)を閲覧することができる。

(2)所定の手数料を支払えば、植物品種の植物育成者権の願書、出願に対する異議書類、又は植物品種の詳細な説明の写しを与えられる権利が与えられる。

(3)しかしながら、以下のいずれかの人である場合を除き、第26条(2)(ga)に関する情報を含む出願の部分を閲覧する、又は、その情報を含む出願の部分の写しを入手する権利は与えられない。

(a)当該出願人、

(b)当該出願人の代理人、

(c)大臣、

(d)次官、

(e)本法に従い、その義務を果たす中で願書の一部を閲覧することを要求される人、又は

(f)本項の目的のために定められた人

 

第37条 植物品種の試験栽培

(1)

(a)受理された植物育成者権の出願、

(b)植物育成者権のそのような出願に対する異議、又は、

(c)植物育成者権の取消の請求、

の処理に際し、次官が、当該出願、異議、又は取消の請求にかかわる品種の試験栽培、又は再試験栽培がなされるべきかを決める場合、次官は、

(d)その決定の書面による通知を、次のものに対して、しなければならない。

(ⅰ)当該出願、異議、取消の請求をした人に対して、

(ⅱ)植物育成者権の出願に対する異議の場合―出願人に対しても

(ⅲ)植物育成者権の取消の請求の場合―権利者に対しても

(e)また、試験栽培又は再試験栽培が比較試験栽培である場合、次官が適切であるとみなすその他の人に対しても、その決定の書面による通知を与えることができる。

 

注:本条の試験栽培の請求に対する決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

(2)通知は、次官の決定をその人に告げることに加え、次の通りである。

(a)試験栽培の目的を記載しなければならない。

(b)その人に次のいずれか、次官が適切であると考えるものはどれでも求めることができる。

(ⅰ)次官が試験栽培を手配することができるのに十分な植物や当該品種の植物の繁殖素材、及び、必要な情報を次官に提出すること、又は

(ⅱ)承認取得者に試験栽培を指導するように手配すること、承認取得者に試験栽培をするのに十分な植物や繁殖素材を提出すること、次官に試験栽培中の観察記録の写しを提出し、そのように提供された観察記録を証明すること

(2A)本条に基づいて通知を送られる人は、下記の通り当該通知の要求に従わなければならない。

(a) 樹木及びぶどう、又は、樹木、及びぶどうの繁殖素材の場合―当該通知がされた日から2年以内

(b)他の植物の種類の植物や繁殖素材の場合―その日から12ヶ月以内

(2B)合理的な理由無く、本条の通知の要求に従わない場合は、次官は、次のことをすることができる。

(a)その人が権利者の場合―50条に従い、当該通知に関する植物品種における植物育成者権を取り消すこと

(b)その人が出願、異議、又は取消の請求をした場合―当該出願、異議、取消の請求を更に進めないように決定すること

 

注:その出願、異議、取消の請求を更に進めないようにする決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

(3)本条の通知が(2)(b)(ⅰ)に関する要求を含み、出願人が当該要求に従う場合は、次官は当該品種の試験栽培を手配しなければならない。

(4)次官により手配された試験栽培の終了後、使用された当該品種の繁殖素材、又は、試験栽培により生じたもので持ち運び可能なものは、試験栽培の目的のために当該品種の繁殖素材を提供した人に引き渡さなければならない。

(5)試験栽培に伴う手数料は全て、次の通り、支払われなければならない。

(a) 植物育成者権の出願の処理のために実施される場合―植物育成者権の出願人により、

(b)植物育成者権の出願に対する異議の処理のために実施される場合:

​  (ⅰ)試験栽培が当該異議の有効な理由になることを示す場合には、植物育成者権の出願人により、若しくは、

(ⅱ)その他の場合は、異議申請者により、又は

(c)植物育成者権の取消請求の処理のために実施される場合は、

(ⅰ)試験栽培が、当該請求の有効な理由になることを示す場合は、権利者により

(ⅱ)その他の場合は、請求者により

(6)条約締約国、又は、条約締約国の国民若しくは組織が、次官に対して、植物品種の試験栽培をオーストラリアで実施するよう求める場合は、次官は要求どおりに試験栽培を実施することを決定することができる。

(7)次官が、(6)項により試験栽培を実施することを決定する場合、(1)(2)(3)(4)(5)項は次のような試験栽培に適用される。

(a) (6)項により試験栽培を要求する人や組織が植物育成者権の出願者であり、かつ

(b)当該出願に関して試験栽培が決定されていた場合

 

第38条 オーストラリア国外で育成又は試験栽培された植物品種の特性

(1)

(a) 植物品種(以下、その「対象品種」という。)が:

(ⅰ)オーストラリア国外で育成された;又は

(ⅱ)オーストラリアで植物育成者権の出願がなされる前に、オーストラリアで育成されたが、植物育成者権の出願がオーストラリア以外の条約締約国でなされ;かつ

(b)本法に基づく当該品種の植物育成者権の出願が受理された場合、

当該品種は、(2)、(3)、(4)又は(5)項が当該品種に適用される場合を除いて、特定の特性があるとはされない。

(2)オーストラリアでの試験栽培が、当該品種が当該特定の特性を有することを示した場合、当該対象品種は当該特定の特性があるとされる。

(3)次の場合に当該対象品種は当該特定の特性があるとされる。

(a)当該品種の試験栽培がオーストラリア国外で実施され、

(b)当該試験栽培が、当該品種が当該特定の特性を有することを示した場合で、かつ、

(c)試験栽培が実施された国とオーストラリアの取り決めで、オーストラリアが、当該品種が当該特性を有することを認めることを求められる場合

(4)次官が以下について判断した場合、当該対象品種は当該特定の特性があるとされる。

(a)オーストラリア国外で実施された試験栽培が、当該品種が当該特定の特性を有することを示したこと、及び、

(b)当該品種の試験栽培が、オーストラリア国内の当該品種の試験栽培と同等であること

(5)本項は、次官が次のことについて判断した場合、当該対象品種は当該特定の特性があるとされる。

(a)オーストラリア国外で実施された当該品種の試験栽培が、当該品種が当該特定の特性を有することを示したこと、

(b)オーストラリアで実施された当該品種の試験栽培が、概ね当該品種が当該特性を有することが示すであろうこと、及び

(c)仮に当該品種が当該特性を有するか否かを示すのに十分な試験栽培がオーストラリア国内においてなされる場合には、当該試験栽培は2年以上かかるであろうこと

 

注:次官が(4)項又は(5)項に関する事項を充たすか充たさないかを判断する結果についての決定は、77条の下、AATによって不服申し立てができる。

 

第3部 仮保護

 

第39条 仮保護

(1) 植物品種の植物育成者権の出願が受理されるとき、出願人は出願が受理される日から次の時点のうち早い方までの間、第5章の目的の権利の権利者であるとみなされる。

(a) 出願が処理されるとき、又は

(b)(2)項に基づき、次官が出願者に対して通知した場合は、当該通知が処理されるとき

(2)次官が、植物品種の植物育成者権の出願に関して、次のいずれかの事項をみたすと判断する場合には、次官は、当該通知で特定された日において、本条を当該品種に対し適用しないことを出願人に書面で通知することができる。但し、出願人が通知前に本条の適用を止めるべきでない理由を提出したときはその限りでない

(a) 植物育成者権が付与されない場合又は出願人に付与される可能性が無い場合、

(aa)37条(2B)(b)に基づき、当該出願を進めない決定がなされた場合、

(ab)当該出願が取り下げられた場合、又は

(b)出願人が(審査中か否かにかかわらず)、権利者とみなされる権利に関して当該出願人が侵害訴訟を提起しないと第三者に約束した場合、若しくは、

(c)34条(1)に基づき次官に提出された詳細な記載の公開後少なくとも12ヶ月が経過した場合

 

注:出願人への通知に関する本条に基づく決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

(3)(1)(b)項のために、当該項に関連する通知は、次のいずれかのときまで処理されるとはみなされない。

(a)当該通知を与えることについての再審査のための申請がAATになされうる期間の最後、又は、

(b)申請がAATになされる場合―当該申請が取り下げられる、若しくは、AAT又は裁判所によって最終的に決定されるとき

(4)本条に基づき、植物育成者権の権利者とみなされなくなる後、できる限り速やかに、次官は当該人物がそのようにされる旨を公開しなければならない。

(5)AATの決定について裁判所において控訴が提起される場合は、次に掲げる者の権限に関して、本条におけるいかなるものも影響を及ぼさない。

(a)AAT法44条(2)に基づく連邦裁判所、又は同裁判所の裁判官

(b) AAT法44条(2A)に基づく連邦巡回裁判所、又は同裁判所の裁判官

(6)植物品種の植物育成者権の権利者とみなされる者は、44条に基づきその権利が最終的にその者に付与されない限り、又は付与されるまでは、その者が権利者とみなされる期間に起こった権利侵害行為に対し訴訟を起こす資格を有しない。

 

 

第4部 本質的な由来

 

第40条 本質的に由来するとの宣言の申請

(1)

(a)ある人が、ある植物品種(原品種)の植物育成者権者である場合、

(b)別の人が、別の植物品種(次の品種)の植物育成者権者である、又は出願した場合、

(c)原品種における植物育成者権者が、次の品種が、4条に規定する、原品種に本質的に由来する品種の要件をみたすと判断する場合、かつ、

(d)原品種が、それ自身、植物育成者権が与えられた別の品種に本質的に由来する品種であると宣言されていない場合、

原品種の植物育成者権者は、次の品種が原品種に本質的に由来するとの宣言の申請を、次官に対して書面ですることができる。

(2)本条においては、受理されたが最終的に決定されていない、次の品種における植物育成者権について他の人による出願に関して、原品種の植物育成者権の権利者が次のことをしないという意味を含むものではない。

(a)35条に基づき、次の品種における植物育成者権の付与について異議を出すこと、

(b) その代わりに、植物育成者権が次の品種において他の人に付与される場合―(1)項に基づき、当該次の品種が当該原品種に本質的に由来するとの宣言の申請をすること

(3)次の品種が:

(a)植物育成者権の出願の対象であり、かつ、

(b)本質的に由来するという宣言の申請の対象でもある場合、

​次官が植物育成者権の当該出願を認めると決定しない限り、又は決定するまで、

(c)次官は、本質的に由来するという宣言をしてはならない。但し、

(d)次官は、その判断で、

(ⅰ)植物育成者権の出願と本質的に由来するという宣言の申請の両方を、同時に審査し、かつ、

(ⅱ)本質的に由来するという宣言の申請を審査するためだけに―、当該品種の植物育成者権の権利者として植物育成者権の出願を取り扱うことができる。

(4)本質的に由来するという宣言の申請は、次の通りにしなければならない。

(a)書面によること、

(b)承認書式によること、

(c)承認書式に記載される様式で次官に提出されること、及び

(d)申請に関する所定の手数料が添付して納付されること

(5)申請は、当該書式に要求されるのと同様の、次の品種が原品種の本質的に由来する品種であることが十分に明白なケースであることを立証するのに関連する情報を含まなければならない。

(6)原品種自体が、他の品種に本質的に由来すると宣言された場合、次官は次の品種が本質的に

(a)原品種

に由来すると宣言することを拒否しなければならない。

そして、

(b)書面で、当該宣言の申請者に、その効果について知らせ、当該決定の理由を申請者に示さなければならない。

(7)原品種がそのように宣言されない場合、次官は当該申請に基づいて、次官が、次の品種が原品種に本質的に由来する品種であることが十分な明白なケースであると判断するかどうかを決定しなければならない

(8)次官が十分に明白なケースであると判断する場合、次官は以下のことをしなければならない。

(a)次官がそのように判断することを、当該申請者と次の品種における植物育成者権の権利者に知らせること、及び、

(b)次の品種における植物育成者権の権利者に対して、そのように知らされた後30日以内又は次官が認める更に長い期間内に当該権利者が次の品種が原品種に本質的に由来する品種ではないことを立証しない限り、次官がその期間の最後に、次の品種が本質的に由来する品種であることを宣言することになることを知らせること

 

注:本項に基づく30日の期間を延長しないとする決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

(9)次官が明白なケースであると判断しない場合、次官は、当該申請者に、書面で、その効果を知らせ、かつ、当該決定の理由を示さなければならない。

(10)次のことを考慮した後、次官は、次の品種における植物育成者権の権利者が、明白なケースを反証しなかったと判断する場合、

(a)次の品種における植物育成者権の権利者により提出された情報、

(b)41条に従って実施された試験栽培から得られた情報、及び、

(c)次官により得られた他の同等の情報

次官は、次の全てのことをしなければならない。

(d)書面により、次の品種が原品種に本質的に由来することを宣言しなければならない、

(e)原品種における植物育成者権の権利者に送付された書面による通知により、当該宣言を認めることを告げなければならない、かつ、

(f)次の品種における植物育成者権の権利者に送付された書面による通知により、権利者に対して、当該宣言を告げ、当該明白なケースが反証されたと判断できなかった理由を記載しなければならない。

(11)(10)(a)、(b)又は(c)項の情報を考慮した後、次官が、次の品種における植物育成者権の権利者が当該明白なケースを反証したと判断する場合、次官は次のことをしなければならない。

(a)原品種における植物育成者権の権利者に送付された書面による通知により、当該権利者に対して次官がそのように判断したことを告げ、そのように判断をした理由を記載すること、及び、

(b)次の品種における植物育成者権の権利者に送付された書面による通知により、権利者に対して、次官がそのように判断したことを告げること

(12)次の品種が原品種に本質的に由来するという宣言の効力が続く間、19条は次の品種に関して、全て以下のように適用される。

(a)当該条文における権利者とは、当該品種に関して、当該品種における植物育成者権を保有する人と、原品種における植物育成者権を保有する人のことである。

(b)19条(4)における植物育成者権の付与後2年とは、本質的に由来するという宣言が同時に又は後になされるとなされないとを問わず、次の品種における植物育成者権の付与後2年のことである。

(c)原品種における植物育成者権を保有する他人、又は、次の品種における植物育成者権を保有する人が、19条(1)の要求に従って次の品種を公に利用できるようにすることについて協力しないことは、当該権利者が当該規定の要求に従わないことである。

 

注:本項に基づく植物品種が本質的に由来すると宣言する又は宣言しない旨の決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

第41条 本質的に由来するとの宣言の申請に関連した試験栽培

(1)次の場合

(a)植物品種(原品種)における植物育成者権の権利者が、他の品種(次の品種)が原品種に本質的に由来する品種であるとの宣言を申請する場合、

(b)当該申請の過程で、原品種における植物育成者権の権利者が、次の品種が本質的に由来するのに十分な明白なケースであることを立証する場合、及び、

(c)原品種と次の品種における植物育成者権の権利者により提供された情報に基づき、次官が、試験栽培又は再試験栽培が、当該明白なケースが反証されたか否かを決定するのに必要であるとの見解を示す場合、

次官は、原品種における植物育成者権の権利者及び、次の品種における植物育成者権の権利者の両方に、その決定についての通知をしなければならない。

 

注:本項に基づく試験栽培を要求する決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

(2)当該通知は、次官が試験栽培を手配することができるように、次のことを求めなければならない。

(a)原品種における植物育成者権の権利者が、次官に対して、当該品種について十分な植物、又は十分な繁殖素材、及び必要な情報を提供すること、及び、

(b)次の品種における植物育成者権の権利者が、次官に対して、当該次の品種について十分な植物、又は十分な当該次の品種の繁殖素材、及び必要な情報を提供すること

(3) 試験栽培の終了後、使用された品種についての全ての繁殖素材、又は、試験栽培により生じたもので持ち運び可能なものは、試験栽培の目的のために当該品種の繁殖素材を提供した人に引き渡さなければならない。

(4)試験栽培に伴う全ての手数料は、当該試験栽培がそのケースの反証をするように導いたか否かにかかわらず、当該試験栽培なしに、本質的に由来する明白なケースを反証できなかった人により、支払われなければならない。

(5)次官が試験栽培又は再試験栽培を要求する場合、40条(8)におけるそのように知らされた後30日とは、当該試験栽培の結果が知らされた後30日のことである。

 

 

第4章 植物育成者権の付与と取消

 

第1部 植物育成者権の付与

 

第42条 植物育成者権が付与されない除外品種

(1) 植物育成者権は、本法が適用されない分類であると規則に定められた分類のいかなる植物品種にも付与されない。

(2)規則を制定することが望ましいと諮問委員会からアドバイスを受けて大臣が考慮したことを大臣から知らされた場合でない限り、オーストラリア総督は、(1)項の目的で規則を制定してはならない。

​(3)

(a) ある植物品種が雑種であり、かつ、

(b)由来する植物品種のいずれもが、本法が適用されない分類に属する植物品種である場合、

植物育成者権は、当該雑種には付与してはならない。

 

第43条 登録可能な植物品種

(1) 本法に関しては、植物育成者権の出願をした植物品種は、以下の場合に登録可能である。

(a)品種が育成者を有する場合

(b)品種に区別性がある場合

(c)品種に均一性がある場合

(d)品種に安定性がある場合

(e)品種が利用されたものではない、又は最近まで利用されていなかった場合

(2)本条に関しては、その存在が一般に知られているものである他のいかなる品種とも明確に区別できる場合には、その品種は区別性を有する。

(3)本条に関しては、その繁殖の特定の特徴から予測できる変化を除き、繁殖における関連性ある特徴において均一である場合、その品種は均一性を有する。

(4)本条に関しては、関連する特徴が、繰り返し繁殖後も変化せず保持している場合、その品種は安定性を有する。

(5)本条に関しては、植物育成者権の出願日において、その品種の植物素材が育成者により又は育成者の同意を得て、他人に販売されていない場合、植物品種は利用されたものではないとされる。

(6)本条に関しては、植物育成者権の出願日において、その品種の植物素材が、育成者により又は育成者の同意を得て、次の期間、他人に販売されていない場合、植物品種は最近まで利用されていなかったとされる

(a)オーストラリアにおいては、出願日より1年以上前、又は

(b)他の締約国の領域においては:

(ⅰ)樹木又はブドウ-6年以上前

(ⅱ)その他-4年以上前

 

注:「販売」の定義は、3条(1)参照。

 

(7)(6)項は、その販売が、植物品種における植物育成者権を出願する権利を他人に販売する取引の一部である場合又はそれに関連する場合に、その品種の植物素材が植物品種の育成者によって他人へ販売される場合には適用されない。

(7A) (6)項は、育成者によって又はその同意を得て、植物品種の植物素材を他人に販売する次の場合には適用されない。

(a) 販売の唯一の目的が、育成者の代理でその人が植物品種の植物素材を繁殖させる目的の場合で、かつ、

(b)販売の同意の下、植物素材を繁殖した後直ちに、新しい植物素材における財産権を育成者に与える場合

(7B)(6)項は、育成者によって又はその同意を得て、植物品種の植物素材を他人に販売する次の場合には適用されない。すなわち、その販売が、以下の1以上の試験又は検査において、その品種を評価する目的のみにその品種の植物素材を使用することを同意する契約に含まれている場合には、適用されない。

(a)フィールドテスト;

(b)実験室でのテスト;

(c)小規模なプロセステスト;

(d)本規定の目的で規定される試験

(7C)(6)項は、育成者によって又は育成者の同意を得て、植物品種の植物素材を他人に販売する次の場合には適用されない。

(a) 以下の1以上の副産物又は剰余産物である植物素材のみを含む販売である場合

(ⅰ)品種を創造する場合

(ⅱ)品種を繁殖する場合

(ⅲ)(7B)項が及ぶ試験又は検査の場合;かつ

(b) 植物素材が次の場合に販売される場合

(ⅰ)その植物素材の植物品種の同一性を欠く場合;かつ

(ⅱ)最終消費者に唯一販売する目的の場合

(8)植物品種を一般に知られている品種であると扱う他の理由に加えて、次の場合には品種は一般に知られている品種と扱わなければならない。

(a) 条約締約国で、その品種における植物育成者権の出願がされた場合、かつ

(b) 出願手続き中、又は、その結果、植物育成者権が付与された場合

(9)植物育成者権の出願を理由として(8)項に従い一般に知られているものと扱われる植物品種は、出願時から一般に知られているものと扱われなければならない。

(10)本条では、

 

当局(authority)は、条約(the Convention)においてと同じ意味を有する。

 

植物素材とは、植物品種に関して、次の一つ又は複数を意味する。

(a)植物品種の繁殖素材;

(b)植物品種の収穫物

(c)植物品種の収穫物から得た加工品

 

領域(territory)とは、条約(the Convention)においてと同じ意味を有する。

 

品種(variety)は、条約(the Convention)においてと同じ意味を有する。

 

第44条 植物育成者権の付与

(1)以下の場合に、次官は出願人に権利を与えなければならない。

(a)植物品種の植物育成者権の出願が受理されること、及び

(b)出願審査(後日提出された詳細な記載を含む)及び出願に対する異議後に、次官が、以下の要件を満たすと判断する場合

(ⅰ)そのような品種があること、

(ⅱ)品種が43条の意味において登録可能な植物品種であること、

(ⅲ)出願人に出願資格があること、

(ⅳ)当該権利の付与が本法によって禁じられていないこと、

(ⅴ)当該権利が他人に付与されていないこと、

(ⅵ)品種の名前が27条に従っていること、

(ⅶ)品種の繁殖素材が、出願人の負担で、次官により承認された遺伝資源センターの倉庫に保管されていること、

(ⅷ)次官が要求する場合には、その品種の十分な植物の標本が温室に提供されたこと、及び

(ⅸ)出願審査付与に関して本法下で支払うべき全ての手数料が支払われたこと

(2) 以下の場合に、次官は、その品種の十分な植物の標本を温室に入れることを要求しなければならない。

(a) 植物品種の植物育成者権の出願が受理されること、かつ

(b) 植物品種がオーストラリアに土着種の品種であること

(3)以下の場合に、次官は出願に対する権利の付与を拒絶しなければならない。

(a) 植物品種の植物育成者権の出願が受理されること、かつ

(b)(1)(b)項に引用される事項のすべてを満たしていないと次官が判断する場合

(4)次官は、品種の詳細な記載を公開したのち少なくとも6カ月間は植物品種の植物育成者権を付与し、又は拒絶してはならない。

(5)次官は、次の場合に、その変更あるいはその最終の変更を公開した後6カ月間は品種の植物育成者権を付与し、又は拒絶してはならない。

(a) 植物品種の植物育成者権の出願が31条により変更された場合、

(b)前項の変更が、次官に与えられた品種の詳細な記載に関連する場合、かつ、

(c)次官がその変更について公開した場合

(6)植物育成者権の出願に対する異議が35条によりなされる場合、次官は、異議に対する回答をするため、出願人に対し、異議の写しが出願人に付与されたときから起算して30日間、又は次官がその状況において合理的であると考えるより長期の期間を与えなければならない。

(7)遺伝資源センターに貯蔵される植物品種の繁殖素材の量は、当該品種の植物の繁殖素材が他になかったとしてもそれ自体当該品種の存在を維持しうるのに十分な量が満たされなければならない。

(8)植物品種の繁殖素材の引き渡し及び貯蔵は、当該素材の所有権に影響を与えないが、当該素材は本法の目的のため以外に取り扱ってはならない。

(9)遺伝資源センターに貯蔵される植物の繁殖素材は、次官によって、19条の目的を含む、本法の目的のために使用される。

(10)植物育成者権は、次官が適切だと認める植物品種の詳細を記載した、次官または登録官の署名の入った、承認書式での証明書を次官より当該人物に発行されることにより、その人に、付与される。

(11)植物育成者権が共同出願者に付与された場合、その権利は、それらの人々に共有的に付与される。

(12)次官が植物品種の植物育成者権の付与を拒絶する場合、次官は拒絶の30日以内に以下の書面による通知を出願人に与えなければならない。

(a) 出願を拒絶する旨の通知、及び

(b)拒絶の理由の記載

 

注;植物品種の植物育成者権の付与又は拒絶の決定は、77条下のAATによって不服申し立てができる。

 

第45条 排他的な植物育成者権の付与

(1)(2)及び(3)項を除き、本法下においては、1つの植物品種に関しては、1つの植物育成者権が付与されなければならない。

(2)2人の育成者が、植物育成者権を共同出願した場合、登録管は、彼らに共有で植物育成者権を付与することができる。

(3)

(a) ある人が、ある植物品種(=原品種)における植物育成者権者である場合、

(b)別の人が、別の植物品種の植物育成者権者である場合、かつ、

(c)次官は、その別の品種が、その原品種に本質的に由来する品種であると宣言する場合、

(1)項は、原品種の植物育成者権が、別の品種に及ぶことを妨げない。

 

第46条 植物育成者権の付与の登録

(1) 次官が植物品種の植物育成者権を付与する時には、登録官は、次のことを登録簿に登録しなければならない。

(a) 当該品種の植物の記載、又は、当該品種の記載と写真

(b)当該品種の名称及びそれに代替する同義語

(c)権利者の名前

(d)繁殖者の名前と住所

(e)権利の出願の際に示された本法に関する権利者の送達先住所

(f)権利が付与される日、及び

(g)登録官が適切であると認める権利付与に関連するその他の詳細

(2)次官が、その品種(従属品種)が、他の品種(原品種)に本質的に由来すると宣言する場合、登録官は、従属品種と原品種の両方に関して次のことを登録しなければならない。

(a)宣言がなされた事実、及び

(b)宣言がなされた日

 

第47条 植物育成者権の付与の公開

(1)次官は、植物育成者権が付与された後、できる限り早急に、植物品種ジャーナル(Plant Varieties Journal)にその公開をしなければならない。

(2)次官は、植物品種が他の植物品種に本質的に由来する品種であると宣言した後、できる限り早急に、植物品種ジャーナルにその宣言をしたことを公開しなければならない。

 

第48条 植物育成者権の付与の効果

(1)植物品種の植物育成者権が付与される場合、

(a)当該品種の権利を出願する権利を有していたが出願はしていなかったいかなる人も、

(ⅰ)当該出願をする権利がなくなり、かつ

(ⅱ)当該権利に含まれるいかなる利益をも得ることはできなくなり、かつ

(b)当該品種の権利の出願をしていたいかなる人も、

(ⅰ)審査中の出願をした権利がなくなり、かつ 

(ⅱ)当該権利に含まれるいかなる利益をも得ることはできなくなる

(2)(1)項は、いかなる人も、以下のことをすることを妨げない。

(a)50条に従い権利の取り消しを申請すること、

(b)その権利に関して、裁判所若しくはAATの手続きを行うこと、又は、

(c)次官に対し、40条に従い、権利が付与された植物品種が、当該権利者が植物育成者権を有する別の植物品種に本質的に由来するものであることを宣言することを要求すること

(3)

(a)特定の植物品種の植物育成者権がある人に付与される場合、かつ

(b)別の人(適格者)が、法律若しくはエクイティーにおいて、植物育成者権の出願をする権利を譲渡する資格がある場合、

適格者は、植物育成者権を譲渡する権利を与えられる。

 

第49条 植物育成者権が従うべき条件

(1) 大臣は、必要と考える場合は、公共の利益の観点から、申請中か付与されたかにかかわらず、植物育成者権諮問委員会に、植物育成者権の付与に条件を課すべきか否かを問い合わせることができる。

(2)大臣は、(1)項に記載された事項に関し、植物育成者権諮問委員会の意見に留意して、付与される、又は付与された植物育成者権に対して、大臣が適切だと認める条件を課すことができる。

(3)大臣は植物育成者権の条件を課す場合、

(a) 次官は、そのような条件について公開をし、かつ、それを記載する法律文書の写しを権利者に付与し、かつ、

(b) 登録官は、それらの条件の詳細を登録簿に登録しなければならない。

 

注:本条下で、大臣によって条件を付与する決定は、77条の下、AATにより不服申し立てができる。

 

 

第2部 植物育成者権又は本質的な由来の宣言の取消

 

第50条 植物育成者権の取消

(1) 次官は、以下の場合には、植物品種の植物育成者権を取り消し、又は、ある植物品種が別の植物品種に本質的に由来するとの宣言を取り消さなければならない。

(a) 権利付与前に若しくは宣言がされる前に知られていた場合には、権利付与が拒絶され若しくは宣言が拒絶されたであろう事実が存在すると、次官が判断した場合;又は、

(b)権利者が、当該権利若しくは宣言に関して支払うべき手数料を、支払うべき旨を告知された後30日以内に支払わなかった場合

(2)次官は、以下の場合には、植物品種の植物育成者権を取り消すことができる。

(a) 当該権利を譲渡され若しくは移転された者が21条に従わなかったと、次官が判断する場合

(aa) 次官が、権利者が、正当な理由なく、37条の通知の要求に応じなかったと判断する場合、又は、

(b) 次官が、権利者が49条の条件に従わなかったと判断する場合。

(3)次官が、ある植物品種の植物育成者権、又は、ある植物品種が別の植物品種に本質的に由来するとの宣言を取り消す場合、次官は、取消の決定後7日以内に、取り消された権利、又は、本質的に由来するとの宣言により影響を受ける権利の権利者に通知することにより、当該権利者に対して取消を決定した旨を告げるとともに、その取消理由を説明しなければならない。

(4) 次官は、以下の場合でなければ、本条に基づき植物育成者権を取り消してはならない。

(a) 次官が、権利者、又は、当該権利を譲渡若しくは移転されたと次官が信じる者に対し、取消の理由の詳細を通知し、かつ

(b)その取消に関して、次官に対し書面による陳述を行うため、その詳細の通知後30日が与えられた場合

(5)次官は、本条の下では、以下の場合でなければ、ある植物品種が別の植物品種(=原品種)に本質的に由来する旨の宣言を取り消してはならない。

(a) 次官は、原品種の植物育成者権者、又は、当該植物育成者権を譲渡若しくは移転されたと次官が信じる者に対し、本質的に由来する旨の宣言の取消の理由の詳細を通知し、かつ、

(b)その取消に関して、次官に対し書面による陳述を行うため、その詳細の通知後30日が与えられた場合

(6)ある植物品種の植物育成者権又はある品種が別の植物品種に本質的に由来するとの宣言の取消は、以下の場合に、効力が生じる。

(a) 取消の審査請求が、AATになされない場合は、そのような請求ができる期間の終わりに、

(b)そのような請求がなされる場合は、当該請求が取り下げられ、又は、仲裁機関若しくは裁判所であれ、最終的に決定されるとき

(7)本条においては、次の権限にいかなる影響も及ぼさない。

(a)行政控訴裁判所法44A(2)に基づく連邦裁判所又はその裁判官の権限

(b)同法44A(2A)に基づく連邦巡回裁判所又はその裁判官の権限

(8)植物品種の植物育成者権の付与によって利益が影響される者は、当該権利の取消を、書面にて次官に申請することができる。

(9)ある植物品種が別の植物品種に本質的に由来するという宣言をすることによって利益が影響される者は、当該宣言の取消を、書面にて次官に申請することができる。

(9A)(8)条又は(9)条に基づく申請は、所定の手数料が支払われない限り、効力が生じない。

(10)次官が、(8)条に基づく申請に従いある植物品種の植物育成者権の取消をしないこと、又は(9)条に従い本質的な由来の宣言の取消をしないことを決定した場合、次官は、その決定をして7日以内に、当該取消を申請した者に書面による通知をすることにより、当該決定を対象者に通知し、その決定の理由を伝えなければならない。

 

注:本条下での、植物育成者権又は本質的に由来する旨の決定の取消又は取消の却下の決定は、77条の下、AATにより不服申し立てができる。

 

第51条 取消の詳細の登録

 

(1)

(a) 50条に従い、植物品種の植物育成者権が取り消される場合、又は

(b)54条(3)項に基づき当該権利を取り消す旨の裁判所の命令の写しが次官に送達される場合:

次官は、

(c)登録簿に取消の詳細を登録し、かつ、

(d)当該取消について公開しなければならない。

(2)植物品種の植物育成者権の保有者が、その手数料の支払いの最終日までに、その権利の更新のための所定の年払い手数料を支払わない場合、当該権利の保有者は、当該権利を放棄したとみなされる。

(3)次官は、

(a) 登録簿に、当該放棄の詳細を登録し、かつ、

(b)当該放棄について公開しなければならない。

 

第52条 植物育成者権の放棄

ある植物品種の植物育成者権の保有者は、いつでも、次官に対し文書で通知することにより、当該権利の放棄を申し出ることができる。

 

 

第5章 植物育成者権の権利行使

 

第53条 植物育成者権の侵害

(1) 16,17,18,19,及び23条を除き、植物品種の植物育成者権は、以下の場合、侵害になる。

(a) 当該品種又は従属品種に関して、当該権利の権利者から承諾なく、又は承諾の条件に反して、11条の各項に規定される行為をする場合 

(b)当該品種又は従属品種に関して、当該権利の権利者から承諾なく、又は承諾の条件に反して、11条の各項に規定される行為をする権利を主張する場合 

(c)以下に関して登録されている品種の名称を使用する場合

(ⅰ)同じ植物網の他の植物品種

(ⅱ)同じ植物網の他の品種の植物

(1A) もし、同義語が、46(1)(b)の下で登録されている場合には、疑義を避けるため、(1)(c)の下での植物品種の植物育成者権の侵害は、ある植物品種の名前に関して同義語を使用することを含む。

(2)もし、ある植物品種(従属品種)が、本質的に別の品種(原品種)に本質的に由来すると宣言された場合、(1)(a)及び(b)で言う当該権利の権利者の承諾とは、従属品種に関して、その従属品種における植物育成者権の権利者とその原品種における植物育成者権の権利者の両方からの承諾を意味する。

(3)本条において、ある植物品種の植物育成者権者とは、譲渡又は移転によって、当該権利の保有者となった人のことを含む。

 

第54条 侵害に対する訴訟

(1) 植物品種の植物育成者権の侵害訴訟は、権利者によってのみ連邦裁判所又は連邦巡回裁判所で開かれる。

(2)植物品種の植物育成者権の侵害訴訟における被告は、反訴の方法によって、以下の理由において、権利の取消を申請することができる。

(a)その品種が新しい植物品種ではない場合、又は

(b)その権利の付与以前に、次官にそれらが知られていた場合には、その権利の付与が結果的に拒絶されたであろうという事実が存在する場合

(3)植物品種の侵害訴訟においては:

(a)被告が、反訴の方法によって、その権利の取消を申請する場合で、かつ、

(b)裁判所が、その権利を取り消すべき理由があると判断する場合、

裁判所は、その権利の取消を命令することができる。

(4)裁判所が、被告の反訴で植物品種の植物育成者権を取消した場合、裁判所は、被告に対し、その権利の取消命令の謄本を登記官に提出するよう命令することができる。

 

第55条 非侵害の宣言

(1) 植物品種の繁殖素材に関する11条の各項に規定された行動をしようとする者は、植物品種の植物育成者権者に対する連邦裁判所又は連邦巡回裁判所における訴訟により、当該行為の遂行が権利侵害を構成しないことの宣言を申し立てることができる。

(2)植物育成者権者から植物育成者権を侵害したと主張されているか否かにかかわらず、誰でも、宣言的判決を申し立てることができる。

(3)裁判所は、以下の場合を除き、そのような宣言をしてはならない。

(a) 当該行為を遂行しようとした人が:

(ⅰ)当該権利を侵害しない行為をすることを許可することを、関連する植物育成者権者に対し、書面で申請した場合、  

(ⅱ)繁殖素材の詳細を権利者に与えた場合、

(ⅲ)当該宣言に関する助言を得るに際し、権利者に正当にかかる手数料の全てを支払った場合、かつ、

(b)権利者がそのような許可を拒む又は許可しなかった場合

(4)本条に基づく宣言の手続きにおける全ての手数料は、裁判所が別の命令をしない限り、宣言を求める側が支払わなければならない。

(5)本条に基づく宣言の手続きにおいて、植物品種の植物育成者権の付与の有効性について異議をとなえてはならない。

(6)本条に基づき宣言を行う、又は拒否することは、植物育成者権の付与が有効であったか否かを意味するものではない。

 

第56条 連邦裁判所の管轄権

(1) 本章の下、連邦裁判所において訴訟が提起される事項に関しては、連邦裁判所が管轄権を有する。

 

注:連邦巡回裁判所から連邦裁判所へ移送される事項もある:1999年オーストラリア連邦巡回裁判所法の39条を見よ

 

(2)当該管轄権は、次の管轄権を除き、他の全ての裁判所の管轄権に対し排他的である。

(a) 56A(2)条に基づく連邦巡回裁判所、及び

(b)憲法第75条に基づく高等裁判所

 

(3)連邦裁判所が、植物育成者権の侵害訴訟や手続きにおいて付与する救済は、差止命令(いかなるものであれ、連邦裁判所が適すると考える条件による場合を含む)、及び、原告の選択により損害賠償又は利益の返還(an account of profits)のどちらかを含む。

(4)本法に基づく連邦裁判所における訴訟において、訴訟が提起できる又はその他の行為を行うことができる期間を定めかつ当該期間を延長する規定を含む、裁判所の運用及び手続きに関する規定を、規則により定めることができる。

(5)(4)項は、連邦裁判所の裁判官の権限を制限するものではなく、また、その項にいう規則と矛盾しない1976年オーストラリア連邦裁判所法第59条に基づく裁判所規則を多数派判事が作成する権限を制限するものではない。

 

第56A条 連邦巡回裁判所の管轄権

(1)本章の下、連邦巡回裁判所において訴訟が提起される事項に関しては、連邦巡回裁判所が管轄権を有する。

 

注:連邦裁判所から連邦巡回裁判所へ移送される事項もある:1976年オーストラリア連邦裁判所法の32AB条参照。

 

(2)当該管轄権は、次の管轄権を除き、他の全ての裁判所の管轄権に対し排他的である。

(a) 56A(2)条に基づく連邦裁判所、及び

(b)憲法第75条に基づく高等裁判所

(3)連邦巡回裁判所が、植物育成者権の侵害訴訟や手続きにおいて付与する救済は、差止命令(いかなるものであれ、連邦巡回裁判所が適すると考える条件による場合を含む)、及び、原告の選択により損害賠償又は利益の返還(an account of profits)のどちらかを含む。

(4)本法に基づく連邦巡回裁判所における訴訟において、訴訟が提起できる又はその他の行為を行うことができる期間を定めかつ当該期間を延長する規定を含む、裁判所の運用及び手続きに関する規定を、規則により定めることができる。

(5)(4)項は、連邦巡回裁判所の裁判官の権限を制限するものではなく、また、その項にいう規則と矛盾しない1999年オーストラリア連邦巡回裁判所法第81条に基づく裁判所規則を多数派判事が作成する権限を制限するものではない。

 

第57条 潔白な侵害(Innocent infringement)

(1) 侵害時において、当該権利の存在を、知らなかった場合で、かつ、期待することに正当な理由がないと裁判所が認めた場合、植物品種の植物育成者権を侵害する行為をした者に対して、損害賠償又は利益の返還(an account of profits)の命令を認めないことができる。

(2)当該植物品種の植物の繁殖素材が、オーストラリアの品種で植物育成者権が保有されていると分類されており、当該侵害の日より前に相当量販売されていた場合は、反証がなされない限り、侵害行為をした人は、その品種の植物育成者権の存在を知っていたものとみなされる。

 

 

第6章 組織

 

第58条 植物育成者権の登録官

(1) 本条により、植物育成者権の登録官が設置される。

(2)植物育成者権の登録官の事務所は、当該省の中におく。

(3)登録官は、次の職能及び権限を有する。:

(a) 本法又は規則により登録官に付与されるもの

(b)第59条によって次官により登録官に委嘱されるもの

 

第59条 委嘱

大臣の委嘱の法的な権限と職務

(1)大臣は、本法又は規則の下、法律文書に署名することにより、大臣のあらゆる権限若しくは職務を、次官に対し、又は、省におけるSES職員若しくは代理SES職員に対し、委嘱することができる。

 

次官の委嘱代理の法的な権限と職務

(2)次官は、本法又は規則の下、法律文書に署名することにより、次官のあらゆる権限又は職務を、登録官に対し、又は、省におけるSES職員若しくは代理SES職員に対し、委嘱することができる。

 

登録官の委嘱の法的な権限と職務

(3)登録官は、本法又は規則の下、法律文書に署名することにより、登録官のあらゆる権限又は職務を、規定の職員、又は既定の部局の職員に対し、委嘱することができる。

 

委嘱された権限と職務の再委嘱

(4)本法又は規則の下、大臣又は次官によって、(1)項又は(2)項により委嘱する権限と職務が与えられた者は、法律文書に署名することにより、規定の職員、又は既定の部局の職員に対し、その権限及び職務を委嘱することができる。

(5) (4)項に基づく委嘱の下、職員により行使される又は、果たされる権限と職務は、本法及び規則に関して、本来、(1)項又は(2)項に基づき付与されたこれに対応する権限と職務を委嘱した人によって行使され又は遂行されたものとみなされる。

 

指示又は監督下において行動するための要件

(6) (3)項又は(4)項の下、法律文書により、職員に権限と職務を委嘱することが求められる場合、当該職員は、以下の指示又は監督の下、権限を行使し、又は職務を遂行しなければならない。

(a)当該職員に対して、権限又は職務を委嘱した人

(b)法律文書において特定される他の職員

本項は、法律文書が当該職員を、明確に、又は階級を言及することにより、特定するか否かにかかわらず、適用される。

 

定義

(7) (3),(4),(5)及び(6)項においては、

 

employeeとは、1999年公務員法に基づき執行する人、又はそうでない場合は、連邦のために若しくは連邦を代理して、執行する人で、及び、その職務が登録官を補助することを含む人を意味する。

 

第60条 植物育成者権を取得できない者

(1) 出願前12ヶ月間に次の職にあったもの、又は、その職務を遂行した者は、遺言又は法律の運用による場合を除き、植物品種の植物育成者権を出願し、又は、そのような権利の利益を、その他の方法で取得することはできない。

(a) 次官職

(b)植物育成者権登録官職

(c)省での登録官の補助を含む職務

 

罰金:60罰金の単位(60ユニット)"

 

(2)(1)項に違反して出願して植物育成者権を付与又は取得した場合、当該権利は無効である。

 

第61条 植物品種の登録簿

(1) 登録官は、次官の承認を受けた場所に、植物品種登録簿として認知される登録簿を保管しなければならない。

(1A) 登録官は、本法に関して、植物網登録官リストとして認知される全ての植物網のリストを保持しなければならない。

(1B) そのリストの保持において、登録官は、UPOV同盟が、植物品種の名称リストとして知られている現在の記録を保持する限り、そのように保持されるリストを考慮し、そこに含まれる全品種を考慮しなければならない。

(1C) 登録官に保持されたリストは、登録簿の一部分として保管されなければならない。

(2)登録簿に掲載された情報への公共的アクセスをよくするため、登録官は、インターネット、又は、登録官が接近可能性がもっともよいと考える方法で情報を普及させることができる。

 

第62条 登録簿の閲覧

(1) 何人も適切な時間であれば登録簿を閲覧できる。

(2)何人も、(もしあれば)所定の手数料を支払うことによって、登録簿の登録事項の写しを入手することができる。

(3)(2)項に関して、登録簿の登録事項とは、植物網登録官リスト又はその一部は含まない。

 

 

第7章 植物育成者権諮問委員会

 

第63条 諮問委員会の設置

(1) 植物育成者権諮問委員会という名称の委員会は、本条によって設置される。

(2)諮問委員会の職務は、次のとおりである。

(a) 大臣の要請で、以下を宣言することが望ましいと大臣に助言すること。

(ⅰ)17条(2)項の目的で制定された規則において―17条(1)項はある特定の分類群にはあてはまらないということ;または、

(ⅱ)22条(3)項の目的で制定された規則において―ある特定の分類群における植物育成者権の期間は、22条(2)項によって創出されるより長いこと;または、

(ⅲ)42条(1)項の目的で制定された規則において-ある特定の分類群は、本法が適用されない分類群であるということ:そして、

(aa)大臣の要請で、既に付与され又は付与前の植物育成者権を付与することが、条件を満たしているか否かという質問について、大臣に助言すること。

(b)諮問委員会に諮問する、本法の下で発生する技術的な問題、及び、本法の運用に関するその他の事項につき、登録官に助言すること。

 

第64条  諮問委員会の構成

(1) 諮問委員会は以下のメンバーから構成される。

(a)登録官

(b)大臣の意見で、新しい植物品種の育成者及び育成者側で代理するのに相応しい人物2名

(c)大臣の意見で、新しい植物品種の使用者及び使用者と推定される者を代理するのに相応しい人物1名

(d)大臣の意見で、新しい植物品種または新しい植物品種の加工品の消費者及びそれ自体の利益を代理するのに相応しい人物1名

(e)新しい植物品種に関連し保護されるべき利益と新しい品種の潜在的な影響を代理する人物1名

(f)新しい植物品種及び新しい植物品種の起源、使用と影響に関連する先住オーストラリアンの利益とを代理する人物1名 

(g)大臣の意見で、諮問委員会のメンバーとして相応しい資質や経験を備えた他の人物2名

(2)登録官を除くメンバーは、大臣によって任命されなければならない。

(3)登録官を除くメンバーは、非常勤のメンバーとして職務に就く。

(4)登録官を除くメンバーは、3年を超えない期間で、任命書によって特定される期間、その職務に就く。但し、再任を妨げない。

(5)大臣は、不正又は肉体的又は精神的就労不能を理由として、登録官以外のメンバーを解任することができる。

(6)大臣は、メンバーが次の事項に該当する場合には、登録官以外のメンバーを解任しなければならない。

(a)破産し若しくは債務超過からの再生に関する法の利益を受けようとし、債権者のために自らの収入を譲渡する(任意整理をする)場合、又は

(b)合理的な理由なく、66条に基づき開示すべきことが要求されている問題についての利益を開示しない場合

(7)あるメンバーを(6)項により解任する場合、大臣は、解任する者に対し、解任を知らせるとともに解任理由を記載した、書面による通知をしなければならない。

(8)登録官以外のメンバーは、大臣に対し、署名を送達して、その職を辞任することができる。

 

第65条 報酬及び手当

(1)64条(1)項(b)号ないし(g)号に関するメンバーには、以下のとおり支払われる。

(a)報酬裁判所にて決定される報酬

(b)規定されている手当て

(2)(1)項は、1973年報酬裁判法によって決定され、その影響を受ける。

 

第66条 利益の公表

(1)諮問委員会での会議で検討された問題に関し直接又は間接に金銭上の利益を有するメンバーは、当該メンバーが当該関連事実を知った後できる限り速やかに、当該会議にその利益の本質を開示しなければならない。

(2)開示は、

(a)諮問委員会の会議の議事録において記録されなければならず、かつ

(b)その問題に関連し委員会によって与えられた全ての助言において、知らされなければならない。

 

第67条  会議

(1)登録官は、諮問委員会の機能を遂行する目的に必要な、諮問委員会の会議を招集することができる。

(2)諮問委員会の会議は、5人のメンバーの出席をもって定足数とする。

(3)登録官が出席した場合、諮問委員会の会議は、登録官が議長を務める。

(4)登録官が出席しない場合、出席したメンバーは、そのメンバーの中から会議の議長を選出しなければならない。

(5)(2)項を充たした場合は、諮問委員会は、委員会の会議において従うべき手続きを決定することができる。

 

 

第8章 その他

 

第68条 公開

(1)次官は、毎年少なくとも4回、「Plant Varieties Journal」と呼ばれる雑誌を発行しなければならない。

(2)本法に基づき次官がなすべき公開はいずれも、当該雑誌において公表しなければならない。

(3)次官が必要であると考え又は公表するのが望ましいと考える、(2)項で参照される事項に付加的な事項についての公開も、当該雑誌において公表することができる。

(4)次官が当該雑誌以外の定期刊行物において、当該事項を公開することによって、付加的に公開をすることが望ましいと考える場合は、次官は当該定期刊行物に当該事項を付加的に公開することの準備をし、又は同意することができる。

 

第69条  特定の規則に関する意見提出のための通知

(1)17条(2)項、22条(3)項、又は42条(1)項に関して、当該規則の制定の前、及び、大臣が当該規則に関して諮問委員会からの助言を求める前に、以下のことをした場合でなければ、規則は制定してはならない。

(a)大臣が、68条に従って、当該通知において特定される特定の分類群に関する当該規定に関する規則を制定する目的で公開した場合、かつ、

(b)当該通知が、当該制定予定の規則の目的を広く示し、当該通知の公開後30日以内に、それに関して人々に、大臣に対する意見提出をするように求めた場合

(2)大臣が、(1)項に基づく公開の求めに従って、制定予定の規則に関する意見提出を受けた場合は、大臣はそのようになされた当該意見を尊重しなければならない。

(3)大臣が、制定予定の規則に関して諮問委員会の助言を求める場合、大臣は、以下の場合には、(2)項に従うことができる。

(a)当該委員会の助言を求めると同時に、受けた意見のすべての写しを、当該委員会に提供し、かつ、

(b)諮問委員会に対して、大臣への助言を準備するにあたり、当該意見を尊重するように求める場合

 

第70条  遺伝資源センター  

(1)次官の意見で、ある場所が、遺伝資源物質の貯蔵と維持に適する場所である場合は、次官は、書面による通知により、当該場所が本法に関する遺伝資源センターであると宣言することができる。

(2)遺伝資源センターを管理する人は、当該センターに貯蔵される繁殖素材の生存能力を維持するのに必要な全てのことをすることができる。

 

第71条  植物標本室

次官の意見で、ある組織が植物標本の貯蔵に適する施設を有する場合には、次官は、書面による通知により、当該組織が本法に関する植物標本室であると宣言することができる。

 

第72条  代理人が植物育成者権に関してできる行為

高等裁判所、連邦裁判所、又は、連邦巡回裁判所の規則を含む連邦の他の法律を除き、本法に関して、出願、書面による提出又は、他の書類の準備、提出行為、及び、業務は、他の人が代理をすることができる。

 

第73条  文書の送達

(a)この法律によって、文書の送達、付与、又は送付が要求されている場合で

かつ、

(b)その場合に送達等を受けるべき者が、次官又は登録官に対し、オーストラリア又はニュージーランドの住所を送達場所として指定している場合、

当該送達場所に対し、所定の手段により、当該文書を送達、付与、又は、送付を受けることができる。

 

第74条 侵害行為の罰則

(1)植物育成者権が付与された植物品種の繁殖素材に関して、そのような行為が53条に基づき、当該品種の植物育成者権を侵害する場合には、11条の項に参照される行為のいずれもしてはならない。

 

刑罰: 500罰金の単位(500ペナルティユニット)

 

(1A) (1)項において、厳格責任は、植物育成者権の当該侵害が53条に基づくものである状況の物理的要素に、適用される。

 

注:厳格責任については、刑法の6.1条を見よ。

 

(2) 特定の行為に関して、侵害の行為が54条に基づきある人に対してもたらされた事実は、同じ行為に関して、この条文に基づく起訴を妨害することはない。

 

第75条  侵害行為以外の罰則

(1)何人も、本法に関して、次官や登録官に提出した出願や他の書類において、誤った陳述をしてはならない。

 

罰 6か月の収監

 

(2)何人も、植物品種の植物育成者権者ではない場合、当該品種の植物育成者権者であると他人に表明してはならない。

 

罰 60罰金単位(60ペナルティユニット)

 

(3)何人も、植物品種において、権利が付与された最初の人に付与された植物育成者権が、以下に述べるものではない他の植物品種に及ぶようになると表明してはならない。

(a)権利が付与された品種の従属品種、又は

(b)権利が付与された品種に本質的に由来すると宣言された品種

 

罰 60罰金単位(60ペナルティユニット)

 

(4)何人も、PBRが付与されていない品種の植物を、植物育成者権が付与された品種の植物であると表明してはならない。

 

罰 60罰金単位(60ペナルティユニット)

 

第76条 理事、従業員、代理人の行為

(1)74条、75条の罰則の手続きにおいて、特定の行為に関して、法人の意思を立証するためには、次のことを示せばよい。

(a)当該行為が、当該法人の理事、従業員、又は代理人により、その実際の又は表見的権限の範囲内で、執行されていたこと、かつ、

(b)理事、従業員、又は代理人が意思を有していたこと

(2)組織の代理で組織の理事、従業員、又は代理人により、その実際の又は表見的権限の範囲内で、執行されたいかなる行為も、74条又は75条の罰則の起訴に関しては、当該法人が当該行為を防ぐために合理的な予防措置を取り、相当な注意を行なわない限り、当該法人によっても執行されたものとみなされる。

(3)74条、75条の罰則の手続きにおいて、ある特定の行為に関して法人以外の個人の意思を立証するためには、次のことを示せばよい。

(a) 当該行為が、当該個人の従業員、又は代理人により、その実際の又は表見的権限の範囲内で、執行されていたこと、かつ、

(b) 従業員、又は代理人が意思を有していたこと

(4) 法人以外の個人の代理で、当該人物の従業員、又は代理人により、その実際の又は表見的権限の範囲内で、執行されたいかなる行為も、74条又は75条の罰則の起訴に関しては、その人が、当該行為を防ぐために合理的な予防措置を取り、相当な注意を行なわない限り、前述の人によっても執行されたものとみなされる。

(5)

(a) 法人以外の個人が罰則で有罪とされ、かつ、

(b) 当該個人が(3)項、及び(4)項が制定されていなければ、罰則で有罪とされなかった場合、

当該個人は、当該罰則による収監により罰せられる責任はない。

(6)(1)項又は(3)項にいう個人の意思とは、次のことを含む。

(a) 当該人物の知識、意図、意見、信念又は目的、及び

(b) 当該個人の意図、意見、信念又は目的に関する理由

(7)本条に言う法人の理事とは、連邦、州、準州の法律により、公益目的で法人化された法人の構成員のことを言う。

(8)本条に言う行為に執行するとは、行為に執行せず、又は行為に執行することを拒むことを含む。

(9)本条に言う74条又は75条の罰則とは、次の罰則を含む。

(a) 1914年刑法の6条

(b) 刑法の11.2条又は11.2A条を理由になされたとみなされるもの

(c)本法の74条又は75条に関する、刑法11.1条、11.4条又は11.5条

 

第76A条 PBR  officeが、規定された期間に代わり、期間終了後に再開する場合の行為について

(1)行為をすることに関する、本法(本条を除く)又は規則により規定される期間の最後の日がPBR office又はPBR sub-officeが営業をしていない場合は、当該行為は、当該office又はsub-officeが営業をする翌日に、所定の状況においてなされるとしてよい。

(2)本条に関して、PBR office又はPBR sub-officeは、次の日に営業をしていないとみなされる。

(a)規則により、当該office又はsub-officeが営業していない日であると宣言された日

(b)規定された方法で発行される、書面により規定された人により当該office又はsub-officeが営業していない日であると宣言された日

 

宣言

(3)(2)(a)項又は(b)項の項で言われる宣言とは、州又は準州の法律により、公的な休日と宣言されている日を同一に扱うことができる。これは当該宣言が、当該日を同一に扱うことができる方法を限定するものではない。

(4) (2)(b)項の項で言われる宣言とは、

(a)当該日の前後になされることができ、かつ、

(b)法的な法律文書ではない。

 

他の法律との関係

(5)本条は、本法のその他の規定にかかわらず、効力を有する。

(6)1901年解釈法の36条(2)項は、本条の(1)項に言う行為に関して適用されない。

 

規定の行為の例外

(7)本条は、規定された行為には適用されない。

 

注:1901年解釈法の36条(2)項は、規定の行為に関連する。

 

第77条 不服申し立ての申請

(1) 次の不服申し立ての申請は、AATに対してすることができる。

(a)49条(2)項に基づく大臣による決定、

(b)以下の次官による決定

(ⅰ) 19条(3)項に基づく権限を行使するために、19条(7)項に基づく決定、

(ⅱ) 19条(8)(c)項に基づく案内に応じて、ライセンスされるように申請した人に対するライセンスする若しくはしないという決定、

(ⅲ)19条(10)項に基づき、繁殖素材を利用できるようにする決定、

(ⅳ)19条(11)項に基づき、植物品種を保証する若しくは保証しないという決定、

(ⅴ)30条に基づき、申請を認める若しくは拒絶するという決定、

(ⅵ)31条に基づき、出願を変更する若しくは変更を拒絶するという決定、

(ⅶ)34条(1)項に基づき、詳細な説明を提出する期限の延長を認めないという決定、

(ⅷ)37条に基づき、試験栽培を求めるという決定、

(ⅷa) 37条(2B)(b)項に基づき、出願、異議、取り消しの請求をさらに進めないという決定、

(ⅸ)38条(4)項に基づき、次官が、当該規定に参照される事項を判断する結果に対する決定、

(ⅹ)38条(5)項に基づき、次官が、当該規定に参照される事項を判断する結果に対する決定、

(ⅹⅰ)39条(2)項に基づき、出願人に通知するという決定、

(ⅹⅱ)40条(8)(b)項に基づき、本質的に由来することの十分な明白なケースであるとの反証のための期間を延長することを拒絶するという決定

(ⅹⅲ)40条に基づき、本質的に由来するという宣言の申請の点についての決定、

(ⅹⅳ)41条に基づき、試験栽培を要求するという決定、

(ⅹⅴ)44条に基づき、植物品種の植物育成者権を付与する、若しくは、付与を拒絶するという決定、若しくは、

(ⅹⅵ)50条に基づき、植物品種の植物育成者権者若しくは植物品種が他の植物品種に本質的に由来するという宣言を取り消す、若しくは、取り消さないという決定、
又は、

(c)21条に基づく登録官による登録簿を修正するか修正を拒絶するかの決定

(2)AATは、AAT法の29条(7)項に基づき、(1)項に参照される決定に対する不服申し立ての裁判の申請をする時間を延長する権限を有しない。

(3)次官は、次のことを公開しなければならない。

(a)(1)項に基づきなされた全ての申請、

(b)そのような申請についてのAATの全ての決定、及び、

(c)次のことに関する又は、次のことに起因する全ての決定

(ⅰ)そのような申請、又は

(ⅱ) そのような申請についてのAATの決定

(4)本条において:

 

決定とは、AAT法においてと同じ意味を有する。

 

第78条  廃止

1987年植物品種権法は廃止される。

 

第79条 財産の取得に対する補償

(1)本条は別として、本法の適用により、正当な条件以外で結果としてある人の財産を取得することになる場合は、連邦は、当該対象者に対して、その人と連邦との間で合意される、又は、合意に至らない場合には、競合管轄の裁判所により決定される合理的な補償額を支払わなければならない。

(2)本条に基づく以外に、開始される手続きの中で回復された損害又は補償、又は与えられた他の救済は、本条に基づき、又は同じ出来事又は状況に起因して開始された手続きにおいて、支払うべき補償を算定する際に、考慮されなければならない。

(3)本条において:

 

財産の取得とは、憲法51条の項においてと同じ意味を有する。

 

公平な条件とは、憲法51条の項においてと同じ意味を有する。

 

第80条  規則

(1) オーストラリア総督は、次に掲げるあらゆる事柄を規定する規則を制定することができる。

(a)本法により、規定されることが求められ、又は認められる事柄

(b)本法を実行するために、又は効果を与えるために必要、又は都合の良い事柄

(2) (1)項に限らず、当該規定は、以下の規則を制定する権限を含む。

(a)以下を含む規定の手数料:

(ⅰ)植物育成者権の出願、当該出願の審査及び植物育成者権の付与に関する証明の発行に関する支払うべき手数料、

(ⅱ)本質的に由来するという宣言の申請、当該申請の審査及び当該宣言をすることに関して支払うべき手数料、

(ⅲ)特定の間隔又は特定の日において、植物育成者権の権利者により支払うべき手数料、及び、

(ⅳ)植物の栽培試験の処理又は監督に関して、次官により生じた手数料に関して支払うべき手数料

並びに、当該事項が、そのような手数料が支払われるべき時、又は状況、及び、そのような手数料の支払い方法を特定して、本法の他の規定により取り扱われない場合

(b)特定の状況において、本法に基づき支払った手数料のすべて又は一部の返金に関する規定を制定すること、

(c)手数料のすべて又は一部の支払いから、特定の階級の人について減免(remission)することに関する規定を制定すること、

(d)事務的な間違いや明らかな誤りを訂正するために、登録簿の記録の修正に関する規定を制定すること、及び

(e)1987年植物品種権法の廃止及び本法の制定の結果として必要な又は、都合の良い暫定的かつ救済規定を制定すること

 

 

 

 

第9章 暫定

 

第81条 定義

本法において、:

 

施行日とは、2条に従って、本法が施行される日を意味する。

 

旧法とは、1987年植物品種権法を意味する。

 

 

第82条 旧法下での植物品種権のこの法律における植物育成者権としての扱い

(1)

(a)旧法下で植物品種に関して植物品種権を付与された人;及び、

(b)それらの権利が、施行日直前に、まだ効力を有していた場合、

当該規則によれば、それらの権利は、あたかも、次のように、その日以降の旧法の廃止にかかわらず、効力を有している。

(c)本法は、当該権利が付与されたときに効力を有していた、かつ、

(d)当該品種における植物育成者権として、当時付与された

(2)(1)項にもかかわらず、本法下の植物育成者権として付与されたかのように取り扱われた権利は、旧法が廃止されなかった場合、単に効力を有し続けるかのように、長きにわたり効力を有し続ける。

(3)本条は、本法下で特定の植物品種の植物育成者権として取り扱われる権利の保有者に対して、本法下であれば当該特定の植物品種に関する従属植物品種であろう植物品種に関する植物育成者権を主張する権利を与えるものではない。

(4)当該他の植物品種の植物育成者権がちょうど施行日以降に付与された場合でない限り、本条は、本法下であれば特定の植物品種の植物育成者権として取り扱われる権利の保有者に対して、他の植物品種が、当該特定の植物品種の品種に本質的に由来するという宣言を求める権利を与えるものではない。

 

第83条  施行日以前に提出された植物品種権の出願及び刑事手続き 

(1)施行日前:

(a)ある人が、旧法下で植物品種権の出願をした;しかし、

(b)当該出願が最終的に、本法の下で処理されなかった場合、

当該出願、及び、当該出願に関して、その日以前、又は、その日の後になされるあらゆる異議の処理に関して、旧法の規定は効力を有し続けるとみなされる。

(2)施行日前に、刑事手続きが旧法下で開始されたが、当該手続きが最終的にその日までに決定されなかった場合、旧法の規定は、当該手続きに関して、効力を有し続けるとみなされる。

 

第84条 旧法下でのその他の適用と手続き

(1)規則に従って、本法は、その施行日以降に、旧法下でなされ、又は開始され、その日までに最終的に本法下で取り扱われ、又は、決定されたあらゆる出願、要求、行為又は手続きに対して、当該出願、要求、行為又は手続きが本法の同様の規定に基づいてなされた、又は開始されたかのように、適用される。

(2)(1)項は、83条により取り扱われる植物品種権の出願又は刑事手続きに関して、適用されない。

 

第85条 諮問委員会のメンバーと機能の暫定的な配置

(1)旧法下で、44条に基づき設置された植物品種権諮問委員会の構成員であった人は、施行日の効果に伴い、本法の63条により設置された植物育成者権諮問委員会の構成員であるとみなされる。

(2)旧法の45条に基づき、大臣により任命された構成員は、その各自の任命期間の残り(balance)と同じ期間と条件で、新法の64条に基づき大臣により任命されたかのように、役職に就き続ける。

(3)植物品種権諮問委員会により、大臣又は次官に与えられた助言は、施行日以降に、植物育成者権諮問委員会によりなされたものであるかのように、効力を有する。

 

第86条 植物品種の登録

施行日以降、旧法に基づく植物品種の登録は、本法における植物品種の登録の一部を形成するとみなされる。

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